2017年4月12日

『起業家のためのマーケティングバイブル』 伊藤健太・著 vol.4648

【起業家の基本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496052636

先日、「キャリアポートフォリオ塾」で「価値」について講義をしたところ、予想以上の反響がありました。

「そうか、多くの人に抜け落ちているのはこの視点かもしれない」

起業家にとっては基本中の基本ですが、意外と考えないのが、この「価値」を創るという視点です。

本日ご紹介する一冊は、起業家支援の会社を経営している著者が、起業家のためのマーケティングの視点を提供した一冊。

書かれていることのほとんどは、原則・事例も含めマーケティングの教科書に書かれていることばかりで、さほど目新しいことはありませんが、「価値」についてよく掘り下げられています。

価値とは何か、どうやって高めるのか、お客様によって価値がどう変わるのか。

じつに興味深い視点がいくつも書かれています。

既にマーケティングを学んだ方にとっては、基本ばかりですが、これから学ぶ人にとっては、じつに丁寧でわかりやすく、本質を突いた本だと思います。

いくつか、ポイントをチェックしてみましょう。

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起業直後に起業家は、大きく2つのことをしなくてはなりません。
・1つは、サービスや商品をつくること
・もう1つは、つくったサービスや商品を販売すること

良い商品というのは、自己満足ではなく(主観)、お客様さまにとってという視点と、他社比較(客観的)で良い商品かということが大切です

なぜ営業活動をしないといけないのか。それは、お客さまに対して、不作為の不利益を与える可能性があるからなのです

◆売上の3要素
(1)顧客数(新規顧客+既存顧客)
(2)購入単価
(3)購入頻度

購入単価、購入頻度、顧客数の順番で上げやすい

大切なのは、値上げした分をしっかりとお客さまに還元するということ

儲けたいという気持ちが強くなりすぎると、企業は間違った方に進んでしまいます。そうではなく、いま一度、価値の提供にフォーカスする。それが、企業が危機を脱するために必要なことなのです

目先の売上ばかり追いかけてしまうと、イノベーションを生み出すことはできません。イノベーションとはつまり、価値の成長です

◆起業家が大切にすべきお客さまの決め方
・自分が興味関心&情熱を持てる人であること
・今後の市場の成長性や、競合他社との状況を考えること

まずは、市場をどんどん細分化していき、自分たちが目指す売上を実現できる市場規模までカットします。その中で、1番を狙う

いいビジネスモデルとは何でしょうか。ポイントとしては「お客さまの変化(ステージ)に合わせてビジネスが用意されている」ということが言えるかもしれません

N-BOXの特徴は、天井が高いこと。しかし、そもそもなぜ天井が高いのでしょうか。ポイントは、乗せられる荷物にあります。なんと、N-BOXには2台の自転車を積むことができるのです。では、なぜ2台の自転車を積むことが求められていたのでしょうか。そう聞くと、多くの方は「ピクニックに行くため」と答えます。たしかに、趣味としてのサイクリングは普及していますが、需要はそこにあるのではありません。答えは「塾の送り迎え」です

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楽しく読めせていただきましたが、あえて苦言を呈すると、「3000人の起業家支援」を謳うのなら、自社クライアントの事例を出して欲しかった。

ノードストロームとか、QBハウスとか、JINSとかの事例は、ちょっと古いですし、人口に膾炙しています。

次回は、『小さな会社の稼ぐ技術』みたいなコッテコテの事例が読みたいですね。(魚をさばくおばちゃんの話は面白かったです)

※参考:『小さな会社の稼ぐ技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822251934/

マーケティング初心者、起業家予備軍におすすめしたい一冊です。

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『起業家のためのマーケティングバイブル』
伊藤健太・著 同友館

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496052636/

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2o2IFX2

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◆目次◆

第1章 起業家が知っておくべき基礎的マーケティング術
第2章 起業家必見 徹底的にマーケティングを大切にした発想
第3章 お客さまのことを考え抜いた販売術
第4章 商品&サービスや販売&営業を決定的に強化するための提携術
第5章 お客さまとの関係強化、成長をしていく術

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