【朝日新聞ベテラン校閲記者が教える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479795863
4月も後半。いよいよ就職活動が本格的に始まりますね。
昨今の就職活動は、ES(エントリーシート)の執筆がほぼ必須となっており、学生さんは、まずここを突破しないと次に進めません。
面接でもこのESをベースに質問されるので、良いESを書くことは、就職活動成功の肝と言っていいと思います。
とは言え、慣れていない文章をどう書くかは、悩むところ。
そこで助けになるのが、本日ご紹介する『マジ文章書けないんだけど』です。
かつて朝日新聞の東京本社校閲センター長を務めたベテラン、前田安正さんが、ストーリーのなかの「謎のおじさん」に扮して、ダメな文の見本を手際良く直し、改善案を示す。
読者は、この改善案を読むことで、シンプルで伝わる文とは何か、その要諦を掴むことができます。
どうすれば自分の文章を客観的にチェックできるか、セルフチェックのポイントもわかるので、仕事で書いている人にとっても勉強になると思います。
限られた字数の範囲内ではありますが、本書の中からいくつかポイントをピックアップしてみましょう。
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<例1>このバッグはブランドものなので、値段と人気が高く、品質とデザインが美しいブランドだ。
<改善例1>このバッグはブランドものなので、値段は高いが、若い女性に人気があり、品質がよくデザインが美しい。
<改善例2>このバッグはブランドものなので値段が高い。しかし品質がよくデザインが美しいので、若い女性に人気がある。
【問題1】次の文が不自然な理由を挙げてみよう。
このモデルは背が高くて脚が長くスタイルがいいので顔が小さく、どんな服でもよく似合うモデルだ。
【解答例】
(1)「このモデルは~モデルだ」となっている。
(2)「背が高くて脚が長くスタイルがいい」が「顔が小さい」ことの根拠になっている。「ので」は「根拠・理由・原因」を表す接続助詞。
「が」は直後の述語にだけ影響するけど、「は」は直後の述語だけでなく、遠くにある述語にまで影響する
<例5>タケル君がユミの新しいカレシなんだって。
<例6>タケル君はユミの新しいカレシなんだって。
<例5>の場合は、ユミにカレシができたことは知っていて(既知情報)、それがタケル君だったってこと(未知情報)を伝える文
×従来からの方法→◯従来の方法(「従来」は、以前から今までの意味)
×満天の星空→◯満天の星(「天」は空の意味)
×満面の笑顔→◯満面の笑み(「面」は顔の意味)
受動態には「被害者意識」を表現する効果もある。
とっておいたスイーツを妹に食べられた。
妹は私がとっておいたスイーツを食べた。
最初に過去形で「軽井沢に出かけた」と書くことで、客観的回想シーンを提示するだろ。そこから、「お買い得の洋服がないか探す」「歩いているだけでも楽しい」「旧軽井沢銀座まで歩く」と現在形で書くと、その回想のなかに入り込んで、君の言うライブ感を出せるんだ。
人間は「状況」に応じた「行動」をとり、それによって「変化」する。
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個人的にハッと気づかされたのは、<SNSの文章って「状況」だけを書いているものが多いんだ>という指摘。
<人間は「状況」に応じた「行動」をとり、それによって「変化」する>という原則をきちんと踏まえれば、良い文が書ける。
SNS全盛の時代だからこそ、覚えておきたい原則ですね。
ストーリー形式で、文章の要諦を肩肘張らずに学べる、じつにありがたい本です。
ぜひ読んでみてください。
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『マジ文章書けないんだけど』前田安正・著 大和書房
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http://bit.ly/2puRH3S
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◆目次◆
初級 1st.STEP 基本中の基本! 主語と述語について考える
中級 2nd.Step 文章を書く基本! 文と文章の構造を考える
上級 3rd.Step めざせ! 伝わる文章 人の思考を意識する
プロ級 Final Step 秘策! 文章マスターへの道 「Why」を意識する
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