2017年2月24日

『セブン-イレブン1号店 繁盛する商い』山本憲司・著 vol.4601

【コンビニで最初に売れた商品は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569832857

みなさんは、セブン-イレブン第1号店で最初に売れた商品は何かご存知でしょうか?

じつは、サングラス。

当時、アメリカのセブン-イレブンではサングラスは売れ筋の一つ。見よう見まねでオーナーが店のレジカウンターの近くに飾り、それを最初のお客様が買って行ったそうです。

ちなみに、最初のお客様は運転手さん風の中年の男性だったそうです。

なぜこんなことを知っているかというと、セブン-イレブン第1号店のフランチャイズオーナーの本を読んだから。

ということで本日は、そのオーナー・山本憲司さんが書いた、『セブン-イレブン1号店 繁盛する商い』をご紹介します。

著者は、父の危篤に伴い明治大学経営学部を中退し、家業の酒店を継いだ人物。かねてより酒屋の将来性に疑問を感じ、ひょんなことから見つけたのが、セブン-イレブンのフランチャイズ募集でした。(この辺のくだり、感動なしには読めません)

現在も、コンビニ激戦区で1日200万円(平均は70万円)を売り上げるというセブン-イレブン1号店のオーナーであり、現在は豊洲で6店舗を経営、93年よりセブン-イレブン記念財団の理事長も務めるという著者が、何を大切にし、どうやってここまで商売を繁盛させてきたのか。

気になる商売の教訓とセブン-イレブン誕生秘話。

さっそく、チェックして参りましょう。

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店の利益ばかりを追い求めると、どうしても大量に売れるものに目がいきがちだ。いきおい少ししか売れないものは切り捨てようとする。だが、「少数だけど売れる」品物を買うのは、だいたいいつも同じお客様、つまり常連さんなのである

開店してから三カ月ぐらいの間に、俊敏にその地域に合わせた品揃えに修正していかないと、お客様は間違いなく減ってくる。理由は簡単で、欠品(品切れ)になっていれば、お客様の頭に、<この店には、自分の目当ての商品が置いてない>と刷り込まれてしまうからだ

「品切れのない店」と思っていただく

新商品はかならず自ら試食する

棚に洋風のスイーツと和風のそれをうまく加えて継続的に販売していくと、いままで二〇個ぐらいしか売れなかったスイーツ類が、五〇個、一〇〇個と売れるようになる

ブリトーの三〇円引きセールというのをやったことがある(中略)私は、過去の経験から、OFCさんに、「品物の横に三〇円引きセールと書いただけでは、通常の二倍しか売れません」といった。私はこのとき、「三〇円引き」と書かれた値引きシールを買ってきて、一つひとつのブリトーすべてに貼らせた。そうすると五倍売れたのである

つい最近、私の興味をひいたのは、神奈川県川崎市の実験店でおこなわれた女性の新しいニーズを引き出すための試みだ。仮説は、昼間おいでになる女性のお客様の中には、ストッキングやタイツが破れていて、すぐに履き替えたいと思う人がいるのではないか、というものだ。そこで売り場に「化粧室」と「着替え台」というマークを貼り、「トイレでお着替えできます」とPOPでアピールした。さらに、ストッキングを含む女性向けの商品は、化粧品や洗剤などと同じブロックにまとめ、男性用品とはゴンドラで隔てた(中略)その結果、この実験店の二〇一五年のストッキングの売上げは、実験開始前の一二年の三・六倍になったという

一般にコンビニは、店から半径五〇〇メートル以内の商圏人口が三〇〇〇人いれば採算が合うといわれるが、自分の店の商圏を守るために二号店、三号店を出店するというのがいまの傾向だ。次々と出店が続くのはそうした理由がある

コンビニが今後取り組むテーマがあるとすれば、それはご年配のお客様に対する「気遣い」と「思いやり」ではないだろうか

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倒れた父に会いに飛び乗ったタクシーのなかで店を継ごうと決めた話、コンビニ経営のために結婚した話、ロックアイスやプルトップ缶の普及に活躍した話など、読んでいて飽きることがありません。

じつに刺激的な読み物でした。

ちなみにどうでもいいことですが、チェーン店の1号店を集めたサイトを見つけて、一人で大興奮しておりました。

1号店巡礼ツアー、土井もやりますかね…。

【聖地巡礼】有名チェーンの1号店めぐり 総本山はアツイ!
https://matome.naver.jp/odai/2134398076336118501

本書の内容もそうですが、やはり最初に何かを手掛けた人の表現は「熱い」。

それはおそらくお店も言葉もそうなんでしょう。

ビジネスでは「理屈」はもちろん大事ですが、それ以上に前に進む「勇気」が必要。

何かに挑戦したいと思っている人には、学歴も財産も投げ打ってコンビニに賭けた著者の話が参考になるはずです。

ぜひ読んでみてください。

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『セブン-イレブン1号店 繁盛する商い』山本憲司・著 PHP研究所

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http://bit.ly/2mjqqwY

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◆目次◆

第一章 一六坪の出発
第二章 日々是発見
第三章 コンビニ商いの鉄則
第四章 接客の心得
第五章 一所懸命

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