2017年2月1日

『アイドルエコノミーで稼げ!』大前研一・著 vol.4578

【空き資源で稼ぐ!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422182

今日、総務省から<「サテライトオフィス等の活用状況・導入意向に関する調査」へのご協力のお願い>と書かれた封書が届いており、協力することにしました。

エリエスは、行っているのは土井ですが、一応サテライトオフィスがあるようなものなので、そのように返答しておきました。

面白かったのは、封書の中に「お試しサテライトオフィス」採択団体として、土井と縁の深い秋田県、山口県が紹介されていたこと。

いろいろと調べているうちに、いかに地方が今、移住を推進しているか、その実態がわかってきました。

なかでも面白かったのは、古い空き家を「at home」や「SUUMO」感覚で探せる、「空き家バンク」のサイト。

山口県では、何と50万円で戸建てが買える案件もあり、上手にリフォームすれば、格安で戸建てが手に入りそうです。

おまけに自治体では、補助金も出しているので、上手に探せばかなり賢い買い物になりそうな気がしました。
(もちろん、ハズレもあると思うので、気をつけてください)

空き家に限らず、現在、世界全体で「空き資源」活用が経済のテーマになってきていると思います。

今さらAirbnbやUberの例を出すような野暮なことはしませんが、空き資源ビジネスで成功している例は、枚挙に暇がありません。

そこで本日ご紹介したいのが、大前研一さん、高岡浩三さん(ネスレ日本社長)、川鍋一朗さん(日本交通会長)、松本恭攝さん(ラクスル社長)が講師を勤めた、エグゼクティブセミナーの書籍版。

大前研一さんが、「アイドルエコノミー」と命名した、空き資源活用ビジネスの例がたくさん紹介されており、いろんなチャンスが見えてきました。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

———————————————–

使われていない=アイドル(Idle)状態にあるリソースを利用して利益を生み出す新しい経済のフレームワークを、私はアイドルエコノミーと呼んでいます(大前)

ベラルーシ、インド、フィリピンといった国には、スキルレベルが高く英語も話せるが、自分の国には十分な仕事がなく、くすぶっているIT技術者が山のようにいる。また、カナダやオーストラリアには、製薬会社で新薬の研究を何十年もやっていて、リタイアした後もさらに働きたいという人が少なくない。Upworkを活用して、そういう人たちにシステム開発や研究を依頼すれば、社長ひとりの会社であっても成果を上げることができるのだ。このUpworkの日
本版ともいえるのがクラウドワークスである。すでにさまざまな職種の登録者が合計で七〇万人を超えている(大前)

アイドルエコノミーの5つのジャンル(大前)
1.場所 2.稼働 3.専門家の空いた時間 4.物 5.乗り物

ShareDesk(米)は空いているオフィスの貸し借りを仲介している。特徴は、オフィス全体ではなくデスク、会議室、ミーティングスペースなど一部屋単位で借りられる点。すでに世界七〇カ国四四〇都市二四〇〇カ所で利用可能となっている(大前)

大阪の株式会社ギャラクシーエージェンシーは、全国の空いている月極や個人の駐車場を一時利用できるサービスを考え出した。それがakippaだ(大前)

EatWith(米)は、旅行先の地元の人の家で、現地の家庭料理を食べられるサービスだ(大前)

ラクスルは、インターネットを使って全国のお客さまから注文を集め、それらを既存の印刷会社に発注、印刷機の非稼働時間を利用して印刷するというビジネスを行っています(中略)国内にはオフセット用の印刷機が約二万台も存在するのに、そのうちの約四〇%しか稼働していないのです(松本)

当社が立ち上げた最新のアイドルエコノミーを利用したビジネス、ハコベル(hacobell)を紹介します。これは、トラック事業者の空いた時間を利用した、ネット配送サービスです。利用者がパソコンやスマホから荷物の種類や現在地、希望のルートなどの必要な情報を入力する。登録しているトラックドライバーはそれをみて時間や料金を確認し、条件が合った人がその仕事を受けます(中略)物流業界全体の市場規模は約二三兆円で、そのうちトラック物流は約一三兆円を占めています。トラック業界は、トラックの免許を持っている法人が、五万七〇〇〇社存在する中で、車両一〇台未満の法人が三万社と半分以上が中小企業です(松本)

———————————————–

アマゾンのカスタマーレビューには、「分量的に本を出す必要性が感じられない」と書かれていましたが、ビジネス書の価値は量ではないので、そこは無視するとして、なかなか示唆に富んだ本だと思います。

土井は常々、「情報革命はエセ革命。エコによって生活者一人当たりの割り当て資源を増やすことはするが、人口を増やすことはない」と言っていますが、その通りの革命がまさに本格化してきたわけです。

本書を読めば、これからヒットするビジネスとは何なのか、ヒントが見つかるはずです。

講師陣のなかで、一番知名度は低いと思いますが、最後に登場したラクスルのケーススタディは、じつに読み応えがありました。

印刷機が稼働していない時間、小規模トラックの空き資源に活用するとは、考えたものですね。

これはぜひ、チェックしてみてください。

———————————————–

『アイドルエコノミーで稼げ!』大前研一・著 プレジデント社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422182/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N26BE3V/

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2kpxFFr

———————————————–

◆目次◆

第一章 アイドルエコノミーで、新しいビジネスを創造せよ 大前研一
第二章 ネスレ日本のイノベーション 高岡浩三
第三章 日本交通のスマホアプリ戦略 川鍋一朗
第四章 印刷業界を変えるアイドルエコノミー 松本恭攝

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー