【コメダ珈琲店躍進の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422034
本日の一冊は、みんな大好きな(勝手に決めていますが)、コメダ珈琲店の人気の秘密を、経済ジャーナリスト、経営コンサルタントの著者が徹底分析した一冊。
コメダ珈琲店の店舗数は2016年9月現在で704店舗。店舗数1位のスターバックス(1178店/2016年3月末)、2位のドトール(1104店/2016年5月)に次いで国内3位の数字です。
絶対数では後塵を拝しているものの、出店数の伸びではスタバを上回っており、今後の展開が注目の企業でもあります。
本書では、『日本カフェ興亡記』の著者でもある高井尚之氏(かつて日本実業出版社にいたらしい)が、徹底取材により、同社の強み、儲かる仕組みを明らかにしており、一見ガイドブックのような体裁ですが、中身はバッチリビジネス書です。
なぜ、お客の滞在時間が長くても儲かるのか?
なぜ、喫茶店が減る次代にコメダがウケたのか?
商品にはどんな工夫がされているのか?
なぜ、店舗を駐車場から設計するのか?
興味深い同社の「工夫」がバッチリ見える化されており、最後まで飽きずに一気に読みました。
さっそく、ビジネス視点で気になるポイントを見て行きましょう。
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ドトールコーヒーショップの平均滞在時間は約30分といわれる。これに対して、コメダ珈琲店の平均滞在時間は約1時間。ドトールのようなセルフカフェの倍以上だ。なぜ、コメダはお客さんが長居しても儲かるのだろうか。「コメダは早朝から深夜までの長時間営業で、ランチタイム、ディナータイムという区分もありません。全時間帯にお客さんにお越しいただくビジネスモデルなのです」(営業部門を統括する専務の駒場雅志さん)つまり、コメダの強みは全時間帯での回転率の高さなのだ
コメダは食材の効率性でも滞在時間の長さを補っている。たとえばモーニングで提供したゆで卵やたまごペーストを、エッグサンドやエッグトーストで使うなど、同じ食材をいろんなメニューに応用している。座席の回転率も高いが、食材の回転率も高いのだ
シロノワールの下地となるデニッシュパンは、現在は自社工場でつくっており、つくり方も独特だという。「通常のデニッシュパンは24層か36層なのですが、コメダのものは64層です。温かいデニッシュパンにソフトクリームを載せると、徐々に溶けて浸してきますが、その時のおいしさにもこだわっています」(創業者・加藤太郎さん)
「特に主婦の方は、野菜が高い時期は敏感です。そんな時期でもたっぷり野菜を入れてあげると大変喜ばれます。コストが上がると心配する声もありますが、そんな程度のコストアップなど大した問題ではありません」(創業者・加藤太郎さん)
コーヒーを均質製造して各店に配送するやり方はさまざまなメリットがあるという。最も大きいのは、どこの店でも同じ味が安定して提供できることだ。この味でコメダのファンを増やしてきた。受け入れる各店では、注文を受けて1杯ずつ抽出するやり方に比べて提供が速くなる=コメダの各店では「お客さんを待たせない」こともモットーだ
ロングセラーで怖いのは、時代感覚がズレて「昔、お母さん(おばあちゃん)が愛用していた」と“過去の商品”になってしまうこと
「郊外型店は店内に入ってからではなく、『店が見えた段階からお客さんの体験が始まる』と考えています」(専務・高橋敏夫さん)
「背もたれ部分の左右の幅は、昔は48センチでしたが、最近は52センチとなっています。昔に比べてお客さんの体格が向上したため快適性を高めたのです」(専務・高橋敏夫さん)
「コメダは日常使いの喫茶店ですから、1、2回行って場所が認識されればいい。つまり生活道路のような3級路線への出店でいいのです」(専務・高橋敏夫さん)
コメダは、1席当たりの月額ロイヤリティは1500円(×座席数)
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コメダ珈琲店のファンにとってはファンブック、ビジネスパーソンにとっては、地方・郊外のビジネスで成功するための秘訣を学ぶ本。
投資家にとっては、同社の今後を予想する上でヒントとなる一冊です。
斜陽産業でも、必ず儲けの切り口はある。
そんなことを思わされた一冊でした。
ぜひ、読んでみてください。
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『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』
高井尚之・著 プレジデント社
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422034/
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http://bit.ly/2lpPe8I
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◆目次◆
第1章 「コメダ珈琲店」人気の秘密を大解剖!
第2章 「昭和レトロなコーヒー」と「ボリュームたっぷりパンメニュー」
第3章 全世代の心をつかむ接客のアイデア
第4章 “アンチスタバ派”が好きな「昭和型喫茶店」の魅力
第5章 コメダの企業としての「強み」を大解明!
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