【働きながら起業する新しい考え方】
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本日ご紹介する一冊を読んで、「多くの人は、起業を仕事だと思うから辛いんだな」ということに気づきました。
というのは、起業って「お金のために」とか「家族を養わなければいけないから」みたいな動機では到底できないほど大変だからです(笑)。
だから、正しいあり方としては、「ちょっとやり始めたら面白くなっちゃって、抜けられなくなったから本格的にやります」みたいなノリがいい。
「家に帰りたいのに帰れない」は不幸ですが、「家に帰りたくないほどのめり込んでいる」のは不幸ではないのです。
では、どうしたらそんな理想の起業ができるのか?
そのためのヒントとなるのが、本日ご紹介する『10%起業』のコンセプトです。
著者のパトリック・J・マクギニス氏は、ニューヨーク在住のベンチャーキャピタリスト。不幸にして勤めていたAIGが破綻したため、そこから人生のリスクヘッジを考えるようになったのだそうです。
まえがきで著者は、こんな風に述べています。
<職業生活を始めて最初の10年、順調にキャリアのはしごを登っていた私は、緊急時の備え“プランB”をまったく準備していなかった>
多くの人は著者を笑うかもしれませんが、おそらくほとんどの日本人は、同じ状況だと思います。
リスクとリターンを考えた場合、自分の時間の10%と資産の10%を投じ、未来のリスクヘッジをする『10%起業』が有効なのは明白です。
事実、著者はこの『10%起業』を実践した結果、豊かな人生を歩んでいるようで、雑誌「エコノミスト」の評価が正しければ、著者が報酬として受け取っている株式は、およそ25万ドルの価値をつけているそうです。(これはクライアント一社の例に過ぎません)
本書には、この『10%起業』を実現するためのヒントと実例がたくさん書かれており、じつに読み応えがあります。
臨場感ある話が多いので、経営者が読めば、また新しい事業を作りたくなるかもしれません。
気になったポイントをまとめてチェックしてみましょう。
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起業とはいちかばちかの賭けではなく、今までの生活に付け足すものだ。起業により収入の可能性が広がり、リスクから身を守ることができる
シリコンバレーにはガレージ神話がいくつかあるが、アップルのそれが世界で最も広く知られている。しかし、これは実話ではない。2014年にウォズニアック自身が、アップルがガレージで始まったというのは「神話のようなもの」であり、「本当の仕事は……ヒューレット・パッカード社内の自分のデスクでやっていた」と告白している
一つの仕事が、あなたが必要とするものをすべて提供してくれるという考えを捨てることさえできれば、伝統的なキャリアと起業は相反するものではないことがわかるだろう
もし、キャリアを投資と考えるなら、そしてキャリアは実際に投資なのだが、あなたのポートフォリオ、ひいてはあなたの人生は、ただ一つのポジションのみで成り立っている。仕事だ。あまりにも危険な状態だ。人生というゲームを勝ち抜くためには、キャリアを多角化する方法を見つけなければならない
「つまり」彼は続けた。「もし君がこの会社を辞めても、これから5年か10年は君のところに小切手が送られてくる、そういうことさ」。それが“所有すること”の価値なのだ
夢をかなえるのは定年になるまで待とうと思う人が今どきいるのだろうか?
ピクニックテーブルを囲み、紙皿からもちあげたロブスターロールにかぶりつく、メイン州では誰もがそうやって大きくなる。ところが、ニューヨークの料理人たちは、どうやらロブスターは純白のテーブルクロスの上で楽しむおしゃれな食材だと思い込んでいるようだ。値段もそれ相応に高く設定されている。ありがたいことに、私と同じメイン州出身のルーク・オールデンも同じ不満を抱いたそうだ。投資銀行で働き、週90時間労働を数年間続けていたある日、彼は「ロブスター問題」を解決する、と心に決めた。ルークは単純ながら独創的なアイデアを思いついた。故郷のしきたりをマンハッタンの人々に浸透させようと考えたのだ
機会費用という考え方を逆転させてみたら、何が見えてくるのだろう?
キャリアレポートはあなたが自分で語る人生の物語だ。自分が重要だと思うことを強調できる。メッセージをコントロールできるのである
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後半は、起業ではありがちな話と、アメリカの起業家が知っておくべきシリコンバレー的起業プロセスが書かれており、必ずしも『10%起業』とは関係ない話が続きますが、全体的にはテンションの上がる内容でした。
これからは、会社員でも起業家になる時代。
人生を変えるための「10%」の使い方、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
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『10%起業』パトリック・J・マクギニス・著 長谷川圭・訳 小山龍介・序文 日経BP社
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◆目次◆
第1章 日々の仕事の意義や、今やるべきことに意識を向ける
第2章 醍醐味を知れば仕事がもっと面白くなる!
第3章 成功するまで諦めないチームをつくる
第4章 チーム力を底上げするコミュニケーション法則
第5章 成長に欠くことのできない土台とは
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