2016年6月16日

『モルガン・スタンレー最強のキャリア戦略』 カーラ・ハリス・著 vol.4349

【就職・転職に効く】
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終身雇用という名の神話が崩壊し、どうすれば安定したキャリアが築けるのか、悩んでいる方が多いと思います。

絶対確実な「究極のキャリアプラン」なるものがあれば知りたいものですが、本日ご紹介する『モルガン・スタンレー最強のキャリア戦略』によれば、<究極のキャリアプランはもうない>というのが答え。

私たちは、「キャリアの流動性」を前提に人生を作る時代に突入しているのです。

モルガン・スタンレー資産管理部門バイスチェアマンであり、キャリアアドバイザーでもある著者、カーラ・ハリス氏の言葉を借りると、<今は、1つのキャリアにこだわり、同じ会社で、20年、30年も同じ仕事をすることに意味がなくなっている。私たちが生きているのはダイナミックでテンポの速い社会だ>。

では、われわれはどうやってキャリアを構築すればいいのか。それに対する著者の考え方は、以下の通りです。

<新しい、より現実的なアプローチとは、5年を1つの単位として、6〜8単位のキャリアを考えることだ。このキャリアは5〜6社にわたる可能性がある。たとえば、5年を1単位として、ある職務をA社で2単位分行ってから、3単位目はB社に移って勤め、その後再びA社に戻ってより高い地位に就くというプランだ>

極めてアメリカ的な考え方ですが、これよりも響いたのは、以下の「コンテンツ」という視点。

<仕事そのものについて知るのではなく、自分の仕事の内容(コンテンツ)を決めることで、キャリアの問題の答えを見つけるのだ>

コンテンツを軸にキャリアを考え、コンテンツを含んだ仕事、コンテンツを磨くのに最適な職種を選ぶ。

この視点があれば、花型職種に内定できなくても、意外なところで経験を積み、将来やりたいことを実現できる可能性があります。

就職活動の面接での注意点、アピール方法など、かなり具体的に書かれた労作でした。

さっそく、気になったポイントをチェックして行きましょう。

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仕事そのものについて知るのではなく、自分の仕事の内容(コンテンツ)を決めることで、キャリアの問題の答えを見つけるのだ

ワークシートとして、白紙を3枚用意しよう。1枚目の一番上に、「お金が目的でなければ、毎日をどう過ごしたいか? どんなふうに仕事をしたいか?」と書く。これがあなたのコンテンツとなる。2枚目の一番上には、「このコンテンツを含んだ仕事は?」と書く。3枚目の一番上には、「この仕事に就くのに必要なスキル、経験、学歴は?」と書く

MBA(経営学修士)の志望者で、投資銀行業務や企業のM&A(合併と買収)業務をしたいと私に話す人はかなり多い。企業価値評価(バリュエーション)のスキルを得たいからだ。だが、金融サービス業には、バリュエーション分析を行える職種がいくつかある(中略)M&Aという特定の業務だけでなく、コンテンツを重視することで、応募の機会は大幅に広がるはずだ

ある職を得られるかどうかは、学歴と経験・実績、そしていかに自分自身と自分の能力を売り込むかにかかっている

覚えておいてほしいのは、どんな面接でも、採用側はあなたの「能力」「意欲」「相性」を見ているということだ。面接で受けるどんな質問も、この3つの大きなカテゴリーに分けられる

・あなたの弱みは何ですか?
面接を台なしにする危険に満ちた質問だ。希望する職種の成功要因と重なることは、絶対に弱みとして挙げてはいけない

今日ではほとんどすべての職種について、給与の範囲がオンラインでわかるサイトが多数ある。salary.comやmercer.comといっ
たサイトを閲覧するか、興味のある業界に通じた管理職向けの人材紹介業者に相談してみよう

◆トップになる人が持つ「戦略的スキル」
・プレゼンテーションスキル
・マネジメントスキル
・分析スキル
・営業スキル

チームのリーダーになったら、「私が」よりも「私たちが」という主語を多用しよう。成果について語るときはとくにそれが必要だ

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一冊読み通せば、今の自分に足りないものは何か、はっきりとわかります。

いろんな方のケーススタディも登場するので、みなさんに近いケースもきっと見つかると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『モルガン・スタンレー最強のキャリア戦略』カーラ・ハリス・著 CCCメディアハウス
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◆目次◆

第1部 キャリアを始める
第1章 今の経済状況でキャリアを選択するということ
第2章 自分のストーリーをいかに語り、売り込むか
第3章 成功への足固め――身につけるべき「戦略的スキル」
第2部 ステップアップするために
第4章 キャリアをどう生かすか――「成果貯金」という考え方
第5章 昇進に不可欠なもの――「人間関係貯金」
第6章 効果的なコミュニケーションとサインの読み取り方
第7章 職場での自分のプロフィールを知る
第3部 キャリアを変えるとき
第8章 転機は必ずやってくる
第9章 変化を乗り切る力
第10章 転身する
おわりに 成功を楽しもう

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