【10年後の生き方・働き方のヒント】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797384018

「どう生きるべきか」というのは、いつの時代にも問題となることですが、価値観が大きく変わる時期には、より大きな問題となります。

もはやお金の時代ではない、と言われて久しいですが、ではわれわれは次に何を目指せばいいのか。どんな価値を実現すればいいのか。

本日ご紹介する一冊は、そんな疑問にヒントを示してくれる一冊です。

著者は、大手外資系コンサルティング会社でカネボウ、ダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。クリスピー・クリーム・ドーナツの日本参入、ＥＣプラットフォームの立ち上げなどにも携わったという山口揚平さん。

現在は事業家・思想家として、複数の事業を営むかたわら、講演・執筆活動を行っているようです。

本書は、そんな著者が、10年後世界が大きく変わっても、希望を持って生きていくためのヒントを示した一冊。

＜───27歳。彼女なし。つぶしの効かない仕事をしている“僕”に、成功者である彼が「今からでも成功できる」方法を教えてくれた＞

こんなストーリー形式のビジネス書です。

とはいえ、単なる自己啓発書にとどまるのではなく、これからの事業のヒント、儲けのヒント、スキルアップのヒントが盛り込まれており、なかなかに実用的な一冊。

「５つの階層」理論や、タテ（資本主義）社会とヨコ（ネットワーク）社会の違い、「21世紀の３C」などは、ぜひ押さえておきたいところです。

さっそく、エッセンスをチェックしておきましょう。

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成功する人はまず始めたりしない。モチベーションなんて信じない。いいかい？　ほとんどの人は思い立ったら吉日とばかりに、まず始めようとする。それが間違っている。そうではなくて、継続する“仕組み”を先に考えるんだ

実績のある経営者は、ほんのわずかなムダ時間も削ろうと工夫し、生産性の高い“かたまり時間”を確保するんだ。そして、特に時間の総量は、結局のところ、健康にかかっている

21世紀の仕事は、金を稼ぐこと、つまり経済にはない。共同体を作ることだ

コミュニティを強くすればするほど、お金を使わなくて済む

結局、信用の土台は、個人（individual：分けがたい個体）に返ってくる。個人の信用と、その数字、つまり『時間』が通貨になるだろう。だから君は、今のお金を貯めようとするな。お金は流し続けなさい。未来に向けて、価値を生み出すものに向けて、他人の幸福に向けて。そうすれば君は信用を作ることができる

◆５つの階層
１．地球市民層（時間や空間をあまり意識しない生活を送っているイチローなど世界で活躍する人物）
２．都市上位層（上場企業の役職者・起業家など自分への信頼が厚く、自由意志とそれに伴う責任感を持っている）
３．都市下位層（伸び悩んでいる中小企業　人生を受動的に生きており、常に不安感を抱いている）
４．地方層（地方に住んでいる　安定しているが、視野が狭く、世界を切り拓く力がない）
５．非社会層（社会倫理や法に対して無関心か敬意を払わない）

ヨコ社会では自分がオープンでいることが大事だ。そこで考えられるのは、“さらす”勇気

本当の弱者は守るべきだが、不幸を盾に相手を支配しようとする人がいるから気をつけるべきだ。また、ヨコ社会では『ハブ』になる人が圧倒的な強さを持ってしまうことも弱点といえる

我々人間は、意識の焦点を、より本質に当てることで次元を変えることができる。それこそが問題解決の要だよ。その究極の時点が愛であり、無である

21世紀の３Cは、キュリオシティ（好奇心）、クリエイティビティ（創造力）、クレディビリティ（信用力）となる

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地方に対する偏見や、自分世代の価値観に寄り過ぎているきらいはありますが、金融のプロが資本主義の行く先をどう見ているのか、その考察は一読の価値があります。

友人の結婚式に出席した冴えない主人公の目の前に金持ちの紳士が現れ、ビジネスや人生、人間関係を説くという設定は、ありがちといえばありがちですが、ストーリーも楽しく読めました。

10年後の生き方・働き方のヒントに、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』山口揚平・著　ＳＢクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797384018

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◆目次◆

プロローグ　出会い　友人の結婚式で、早口の紳士にからまれた僕の幸運
第１章　スノーボールを転がせ！「学び方を学ぶ」ことが、成功への近道になる
第２章　格差社会と沈む日本を乗り越える　日本解散論
第３章　「作る世界」から「作らない世界」へ　結婚・お金・ＡＩ（ロボット）変わる社会の中で生きること
第４章　コミュニケーション　優秀さは謙虚さと能力の掛け算である
第５章　僕たちは何を学んできて、これから何を学べばいいのか
第６章　事業の本質　１人でも食べていくために仕事を創り出す
エピローグ　僕の夢と、最後の授業