【元ルイ・ヴィトン販売実績No.1が直伝!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270063
「商品が良ければ売れる」。
特に最近は、SNSの発達もあり、ダメな商品はまったく売れない状況になってしまいました。
しかし、だからといって「商品が良ければ売れる」わけではありません。
商品の良さとは、正しくは「お客様に伝わった良さ」であり、伝え方がまずければ、どんなに良い商品だって売れっこありません。
ここで、土井の中学生時代の恥ずかしいお話をしましょう。
時は「ドラクエI」が初めて世に出てきた80年代。当時RPGというのはほとんど認知されておらず、ゲームと言えばスーパーマリオのようなアクションゲームばかりでした。
アクションゲームというのは、初代ファミコンで言えばAボタン、Bボタンを連打して闘うのが定石。
そんな背景もあり、土井は買ったばかりの「ドラクエI」を立ち上げ、いきなり王様の前でAボタンを連打し始めたのです!!
当然ながら、ゲームが始まっても表示されるのは王様のお言葉ばかり。
いつまで経っても始まらないゲームに業を煮やした土井は、それで「ドラクエI」をプレイするのをやめてしまいました。
ゲームを再開するようになったのは、友人の「あれ面白いよ」というひと言があったから。それで気になって、説明書を読んだところ、自分の根本的な過ちに気づきました(苦笑)。
それから「ドラクエ」シリーズにハマり、人生の貴重な時間を失ったのは言うまでもありません…。
ということで、何が言いたいのかというと、商品自体がどんなに面白くても、その魅力のポイントや使いこなし方がわからなければ、売れないということ。
だから、接客や営業は大事なのです(やっとつながりました)。
本日ご紹介する一冊は、その接客技術でルイ・ヴィトンの販売実績No.1となり、現在は数多くの販売現場で指導する研修講師・鈴木比砂江さんによる一冊。
指導したお店のなかには、前年対比723%超のところもあるというから、驚きです。
本書には、著者あるいは著者のクライアントが実践し、成功した接客方法がまとめられています。
実際の現場でみなさんが直面する「なぜか売れない」「逃げられた」などというシチュエーションでどう接客すれば買ってもらえるか、具体的なテクニックが示されています。
さっそくいくつか見てみましょう。
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気付いたのは、商品のことだけを上手に説明する販売員には魅力を感じないということです。それよりも「私のことを知ろうとしてくれる人」や「一緒に会話を楽しもうとしてくれる人」の接客を受けると自分も楽しくなり、その人の紹介してくれる商品を欲しくなる
「お店に足を止めてもらうこと」を目的にしましょう。まずは足を止めてもらい、次に信頼関係を築き、そして商品を紹介していきます。商品を紹介するのは、足を止めてもらい、信頼関係を築いたその後で十分なのです
「~ってよくわからないですよね」はお客様の共感を得やすい
ある日、ふと立ち寄ったジュエリー店で、40代位の女性スタッフから、「お下見ですか?」と声をかけられ、私は思わず「はい」と言ってしまいました。そうすると、続いて「どんな感じがお好きなんですか?」といった感じで、話しかけてくれたのです。このとき、不思議と安心感があったのです
私が推奨しているのが、「プラス1の情報」です。お客様からの1つの質問に対し、回答+新たな情報1つを提供しましょう、ということです。ハンドクリームを例に挙げてみると、お客様に、「これって何のにおいですか?」と聞かれ、「バラのにおいです」と答えたら、これが回答です。そこに、「リラックス効果もあるんですよ」と加えたら、これが「プラス1の情報」です
「うちの子に優しい人は、いい人」の法則を忘れない
◆遊牧民が一つひとつ手織りで作った高価な絨毯を売った話
「実際に、何年くらい使えるのでしょうか?」と聞いたら、皆さんが教えてくれたのは、「20~30年ではきかないです」「100年はもちますよね」「200年経ったものを使っているというお客様もいらっしゃいます」とのこと。そこで出てきたのが、「長く使えます」や「一生使えますよ」ではなく、「一生分だけでなく、二生分使えます」や「お子様に差し上げられるだけでなく、お孫さんの代まで使えます」「家宝として200年近くお使いいただけますよ」という言葉です
「落ち着いた感じのするこちらの方が、お客様の華やかさが生かされて好きです」という感じ。どうでしょうか。「好き」を使うと伝えやすいですし、お客様にとっても押し付けっぽくならないので、受け取りやすいはずです
「またお越しください」より、「またお会いできると嬉しいです」
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どうでしょうか? ノウハウも心構えも、素晴らしいことが書かれていますね。
ただ残念なのは、本書の発行が昨年の6月だったということ。
つまり、おそらく見ていたであろうタイトルと装丁からは魅力が感じられず、今になって存在を知った、ということです。
ルイ・ヴィトンで販売実績No.1というのも、じつは価値が曖昧。というのも、ルイ・ヴィトンは売っているブランドではなくて、売れているブランドだからです。(接客力がなくても売れる)
ということで、いろいろ申し上げましたが、要はこれまで良さに気付かなかったわけで、そこは書評家としての自分の落ち度。
かんき出版の境さん(前社長)にトップ営業をされて、初めて気づいたわけですから、やっぱり商品は中身が良いだけじゃ売れないのです。
ということで、ひさびさに接客に関して、読み応えのある本を見つけました。
まだ読んでいない方は、ぜひ読んでみてください。
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『売上が伸びる接客』鈴木比砂江・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270063
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◆目次◆
第一章 「売れる接客」に意識を変える
第二章 「売れるトーク」に変える
第三章 「おすすめの仕方」を変える
第四章 「売れるクロージング」に変える
第五章 「一回きり」を「リピーター」に変える
付録 お客様の不満を減らす気配り
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