【読み応えある競争戦略のケース集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319943
おかげさまで、起業して10年以上同じビジネスモデルで食わせていただいていますが、それはひとえにご協力くださる皆様のおかげ。
そして、大学時代に学んだ競争戦略とマーケティングのおかげだと思います。
単発の打ち手で一時的に売上を伸ばしても、戦略が強固でなければ長期的に繁栄はできません。
世の中には、何十年、場合によっては100年以上も続く強固な競争戦略、ビジネスモデルが存在するわけで、それを学ぶのに、本日ご紹介する一冊以上に適したものはありません。
本日ご紹介するのは、早稲田大学ビジネススクール教授であり、ビジネスモデル本のベストセラーも複数持つ山田英夫氏が、『競争しない競争戦略』を述べた一冊です。
高収益を実現する『競争しない競争戦略』にはどんなものがあるのか、競争せずに長年、繁栄を続けているニッチ企業を紹介しながら、その本質に迫っている、じつに読み応えのある一冊です。
リーダー企業を参入させないためには、
1.市場規模をあまり大きくしない
2.利益率をあまり高くしない
3.市場を急速に立ち上げない
など、さまざまな工夫が必要ですが、経営者はついつい、定石に逆らって間違った打ち手を実行してしまいます。
かつてもてはやされたダイソンの地位低下、「PCメガネ」を独占できなかったジェイアイエヌの失策、DCブランド白衣で一度は伸びたものの、利益率が高まったことでアパレル大手の参入を招いたナガイレーベンなど、身が引き締まる事例がいくつも紹介されています。
また、しつこいまでの詳細なケーススタディがウリの著者だけに、今回も、ニッチで興味深い事例がいくつも紹介されていました。
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【マニー】
手術用の医療機器を製造
・歯の根管(虫歯の根)を削るリーマは世界シェア35%を超えトップ
・白内障手術などに用いられる眼科ナイフは、世界シェア30%
【チャコット】
・世界最大のバレエ・ダンス用品メーカー
・全国に1万以上あるバレエ教室という“チャネル”
【トーシンテック】
・タクシーの自動ドアで9割のシェア
・単純な構造のため、維持費はかからず、故障も少なく、かつ短期
間に取り付けができる
【セイコーマート】
・北海道に特化したコンビニ
・オーダーを受けてからカツ丼や豚丼を作る形で、町の食堂の役割も
【ヤマサちくわ】
・1827年創業の豊橋のちくわ・かまぼこメーカー
・比叡山と箱根の山を越えて直営店を持たない
・エリア外で店舗展開していないからこそ、豊橋を訪れた人のおみやげ品に
【タマス】
・卓球で有名な「Butterfly」ブランドを展開
・年商50億円を超える卓球用品専門メーカー
・創業者も卓球選手であり、現在も社員の7割は元卓球選手
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どれを読んでも面白いですが、何より読み応えがあったのは、中小企業が採るべきニッチ戦略のバリエーションが紹介されていること。
これを使いこなせれば、大手の参入を防ぎ、長期で競争優位性を獲得することができるでしょう。
ビジネスモデル本として読んでも面白い。
明日、市場シェア逆転の憂き目を見ないためにも、経営者はぜひ読んでおきたい一冊です。
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『競争しない競争戦略』山田英夫・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
第1章 競争しない競争戦略
第2章 ニッチ戦略
第3章 不協和戦略
第4章 協調戦略
終 章 薄利の奪い合いからの脱却
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