【競馬の馬づくりからビジネスを学ぶ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864103771
先日、府中駅の啓文堂書店を訪れた際、場所がらか、競馬関連の本がたくさんあるのに驚きました。
土井は原則、ギャンブルはしない人間なので、本当に実用的な本には興味がわかなかったのですが、競馬本コーナーに、キラリと光る一冊を発見しました。
それが、本日ご紹介する『世界一の馬をつくる──チームノースヒルズの飽くなき挑戦』です。
著者は、日本競馬屈指のオーナーブリーダーとして、世界一の馬づくりに挑んでいる、ノースヒルズ代表取締役の前田幸治さん。
本書は、2013年にキズナ、2014年にワンアンドオンリーでダービーを連覇し、注目を集めた著者の、興味深い勝負論・マネジメント論です。
著者は、本業で1800人の従業員を擁するアイテック株式会社の代表取締役ですが、本書では、馬の話をしながら、じつはビジネスにも通じるマネジメント原理を説いています。
本書のなかから、いくつか仕事で役立ちそうな言葉をピックアップしたので、ご紹介しましょう。
<どんなことをするにも、基本のフォームは大切である。それが勝負への第一歩なのだから>
先日、DJの教育で日本一という方にお会いしてお話を伺ったのですが、「DJとして成功するために必要なことは何ですか?」という問いに対し、「集中力です。集中力を高めるために音を合わせるという基本動作を最初に徹底します」とおっしゃっていました。
同様のことを、著者も述べています。
また、マネジメントに関しても、示唆するところがあり、特に以下の部分は心に響きました。
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<直接馬に関わること以外にも、スタッフにはお金を遣わなければならない。人材を育成するには投資を惜しんではならないのである>
<プロに対し、あれこれ指図するのは失礼だし、それは私の領域ではない。相手に任せるべきところだろう>
<スタッフには、幼い子供を扱うような気持ちで馬に接するよう指示している。体調の変化が急激で著しいこともあるからだ。個々の馬の体調を細かく把握し、一律の対応はしないようにしている>
<牧場の仕事というのは命を預かるわけで、馬が死ぬことも珍しくない。そういう仕事だからこそ「人を責めない」ことが大切になる>
<本業でもそうなのだが、私は、自分がしていることの規模を拡大するときは、少しずつ増やしたり、少しずつ大きくするようにしている。今ひとつある仕事を5つにするだけの資金と場所があったとしても、それを扱う人間が、まず、2つできるよう育つまで待つ。2つを完全にこなせるようになったら、ひとつ増やす。何をするにも、人間に合わせて考えるようにすると、こうなるのだ>
<「慎重なチャレンジ」の先で得られる成功は実に多い>
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ネーミングへのこだわり、安全への配慮、リスクに対する考え方…。
どれを取っても、ビジネスにおけるマネジメントそのもので、じつに良い勉強になりました。
最後の、<絶対に夢をなくしてはならない>というくだりは、心に刺さりました。
ぜひ読んでみてください!
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『世界一の馬をつくる』前田幸治・著 飛鳥新社
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◆目次◆
第1章 ゼロから牧場をつくる
第2章 「北の生産拠点」ノースヒルズ
第3章 「美しい前線基地」大山ヒルズ
第4章 優駿たち
第5章 ダービー連覇
第6章 「世界で戦うために」ホースマンとして
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