2015年4月18日

『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』 降籏達生・著 vol.3924

【異色の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844374079

最近、自社の事務職で募集をかけたところ、たくさん応募する人がいて、驚きました。

人気の秘密は、「ワーク・ライフ・バランス」。人材エージェントが「ワーク・ライフ・バランスの取りやすい仕事です」と募集をかけたところ、ひっきりなしに候補者がやってくるという状況です。(確かに、うちの事務職はラク)

しかし、この「ワーク・ライフ・バランス」、誰のためにあるのかというと、本来はお客様のためにあるはずです。

短い時間で質の高い仕事ができれば、コストは下がるし、企業はさっさと仕事を終えて次の仕事に取り掛かれる。

結果的に、みんながハッピーになるのです。

反対に、質の低い仕事をそのままにしておいて、さっさと帰っていたら、永遠の平社員は間違いなし。会社では重要度の低い仕事をやらされ、転職しても採用する企業がないから、ずっと転職活動に時間を使うことになる。

サラリーマンの転職活動と経営者の後ろ向きな資金繰り活動は、本質的な価値を生まない、もっともムダな時間だと思っています。

そんな事態を防ぐために、ぜひ読んでおきたいのが一連の時間管理本ですが、本日はそのなかでも「異色」の一冊をご紹介いたします。

その一冊とは、元ゼネコンの熊谷組出身・建設コンサルタントで、なんと業界だけで読者数12000人のメルマガを発行しているという、降籏達生さんによる一冊。

オリンピックスタジアムをはじめ、絶対に締め切りを遅らせることのできない重要案件を受注し、世界一のレベルで仕上げる日本の宝、ゼネコンのプロジェクト管理ノウハウが、一冊にまとめられています。

いくつかポイントをご紹介しましょう。

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◆スケジュールを短縮する方法
1.人数を増やす:作業人数を増やすことで、期間短縮
2.1日の作業時間を伸ばす:1日の作業時間を延長したり、休日出勤して期間短縮
3.作業を同時並行で実行する:2つの作業を同時に行うことで期間短縮
4.作業を外部で実施する:作業そのものを外部に委託して期間短縮
5.作業の効率化:通常8時間で行っていた作業を6時間でできるよう工夫して期間短縮

◆品質を守る6種類のチェック
1.条件モレチェック
2.図面チェック(条件どおりに設計されているか)
3.現地現物チェック
4.プロセスのチェック
5.できあがったものの品質チェック
6.顧客満足度のチェック

◆ムダをなくす3つの方法
1.ムダな動きをなくす
 (ものを探すムダ、運搬のムダ、前準備・後片付けのムダ)
2.手すき・手待ち・手戻りをなくす
3.不良による手直しをなくす

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ほかにも、ゼネコンエピソードとともに、チームワークを強めるための方法がいくつも紹介されており、じつに勉強になります。

<肩を組んで歌う><「困った」「やったー」といえば仕事ははかどる(周りの支援が受けられる)>などは、いますぐ実践できる、良い方法かもしれません。

ぜひ読んでみてください。

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『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』降籏達生・著 クロスメディア・パブリッシング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844374079

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◆目次◆

CHAPTER1 チームワーク
CHAPTER2 リーダーシップ
CHAPTER3 ビジョン
CHAPTER4 スケジュール
CHAPTER5 クオリティ
CHAPTER6 トラブル・リスク対応
CHAPTER7 予算とコストコントロール

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