2015年3月1日

『中国市場で日本の商品を「高く売る」ためのマーケティング戦略』 中野好純・著 vol.3876

【中国市場!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862804373

本日の一冊は、P&Gを経て、船井総合研究所に入社、多くの企業の海外進出案件を手掛け、現在は同社の上海法人総経理として活躍中の著者が、中国市場で売るためのノウハウを提示した一冊。

人件費の高騰のため、生産拠点としての中国の役割は収束に向かっていますが、その分、所得が上がって消費が増えています。

そこで本書では、日本企業がどうやって中国進出を果たし、消費意欲旺盛な中国人に売るか、具体的なアドバイスがなされています。

最初の90ページは、中身が薄くて驚きましたが、その後、具体的ノウハウがいくつも出てきたので、ホッとしました。

ベビー・キッズ関連商品は今が最大のチャンスであるということ、中国の消費者はモノの値段を30元、100元、300元、1000元、3000元という単位で見ているということ、中国のECはアリババグループがインフラを作っていて信用が高いことなど、基本的なことから出店方法、エージェントの選び方、売り方、現地採用の仕方まで、詳しく書かれています。

・300元以下の商品はネット販売が主流
・売上が大きく伸びるのは、日付が変わった11月11日の0時から1時の間(タオバオ、天猫)
・エージェントは1社に絞ったほうがいい
・「大衆点評」を使う(自店の宣伝、クーポン配布、グルーポンなど)

船井総研の宣伝が過ぎることと、前半でノウハウを出し惜しみしたのがマイナスですが、内容的に、値段分のモトは十分取れると思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「高く売る」ための市場として、中国を再認識することが求められます。実際、中国で成功していると言われるユニクロは、日本よりも30%くらい高い値づけで中国全土に300を超える店舗網を急速に展開しています。ユニクロが日本の高品質アパレルブランドという揺るぎない地位を中国で確立しているため、出店は完全に追い風です

1000万人商圏が2ケタあるのは中国だけ

成長期前期の参入を戦略的に考えたい中小企業だとしたら、参入企業数が伸び出すときに迷わず仕掛けるべき

今、最も勝算の高い日本の商品は、ベビー・キッズ関連商品だと思っています。ベビー・キッズ関連商品は上海や北京などの主要都市だけでなく、全国的に成長ステージを迎えています。主戦場もリアル店舗からネット販売にシフトしており、販売するチャネルも物流インフラもほぼ完成しています

中国の消費者はモノの値段を30元、100元、300元、1000元、3000元を基本軸として買い方を決めている

300元以下の商品はネット販売が主流

消費者も店もお互いを信用していませんが、1つだけ絶大なる信用を持つものがあります。それが「タオバオ」という会社です。社会インフラまで作り上げた巨大企業なので、これを信用しなければそもそも消費活動が成り立ちません

「タオバオ」や「天猫」に出店する会社にとって、今や毎年11月11日は1年のうちで最も重要な日と言えます。中国では、この11月11日は「光棍節(独身者の日)」と言われています。2009年に「タオバオ」は、「独身の日に家にいるような寂しい人はどうぞECでも楽しんでください」という発想で、「天猫」に出店しているいくつかの店舗に呼びかけを行って、この日だけの特別セールを実施しました

中小企業が消費者の信用を勝ち取るためには、日本の会社の歴史と伝統を商品ページ上でしっかりアピールすることが大事

◆「天猫」出店の条件
1.中国に法人があること
2.ブランドホルダーであること
3.売上に対する「天猫」コミッションを払えること
4.「タオバオ」の販促イベントに参加して広告などを投入する準備ができていること

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『中国市場で日本の商品を「高く売る」ためのマーケティング戦略』中野好純・著 総合法令出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862804373

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◆目次◆

第1章 改めて考える、なぜ今中国なのか?
第2章 中国市場を“見える化”する方法
第3章 パターン別、中国市場販売で勝利する戦略
第4章 中国ビジネスで勝つための日本人のマインド・リセット
巻末対談 中野好純×吉村章 中国ビジネスでの“正しい”戦い方

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