2015年2月22日

『弁護士ドットコム』元榮太一郎・著 vol.3869

【弁護士初の東証マザーズ上場?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250628

本日の一冊は、弁護士初の東証マザーズ上場を果たした「弁護士ドットコム」の代表、元榮太一郎さんによる注目の一冊。

「弁護士ドットコム」は、弁護士法に触れるという理由から、無料でスタートすることを余儀なくされたサービス。

本書には、著者がなぜそんな困難なビジネスを始めたのか、何がきっかけで収益化が実現し、多額の資金を集めるに至ったのか、その秘密が書かれています。

プラットフォームビジネスを手掛けようとする方、ウェブサイトで大量集客を実現したいと考える方、強力なコンテンツを考えるヒントを得たい方、志を持ってベンチャービジネスを起こしたい方には、ピッタリの一冊です。

・かっこよさなんてどうでもいい
・収益を上げる方法は後から考えればいい
・頭は下げるためにある
・時代は追ってはならない。時代を読んで、仕掛けて、待たねばならない(孫正義氏の言葉)
・社長のイスは中古でいい
・優秀な人材にモテる会社にしよう
・若いときの貯金なんて誤差の範囲だから、自分に投資しよう

これから起業したい方には、ためになるヒントが満載。著者が体験したさまざまな困難も併せて読めるので、起業前のシミュレーションとしても重宝すると思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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公開型のQ&Aにすることによって、実際に相談をしているユーザー以外の人たちも読むことができます。また、そのQ&Aによって弁護士は顧客獲得につなげられるので、一挙両得です。これは“キラーコンテンツ”になると思いました。無料で相談できて、それをみんなで共有できるようにする。これならば多くの人が見たいはず

「みんなの法律相談」には、SEO(検索エンジン最適化)の効果もありました。ページ数が自動的に増えることで、Yahoo!やグーグルなどの検索エンジンに「重要なサイト」と判断され、検索結果で上位に表示されるのです

弁護士ドットコムが運営のために自分の力で収益を上げられる仕組みがようやく生まれたのは、二〇〇九年です。それが、当初は考えもしなかった「モバイル向けの月額継続課金」でした

「できれば誰にも知られたくない」という性質の悩みだからこそ、携帯電話の「内緒にできる」という安心感が重要になります。法律相談という意味ではむしろ、モバイルのほうが相性が良かったのです

何をニュースにするかを決めなければいけません。いろんなアイディアを二人で出し合って、まず出てきたのが「猫ひろしはオリンピックに出るためにカンボジア国籍になったが、日本国籍には戻れるのか」という話題を弁護士に解説してもらうことでした

弁護士のみなさんが積極的に弁護士ドットコムに関わってくださればと思って導入したのが、「弁護士ポイントシステム」です。「みんなの法律相談」で積極的に回答したり、利用者から評価してもらったりすることで、ポイントがたまる仕組みです(中略)ポイントシステムを導入し、ランキングを公表し始めてから、弁護士による回答率は急激に上昇しました

弁護士の他、税理士などの専門家のサービスを深堀りしていった先には、アジアを中心とした世界展開も可能性としてはありますが、まずは国内だけでも「専門家×IT」という“掛け算”に大きな可能性があると思っています

どのようなものを掛け合わせればいいかというと、「違和感のあるもの」の組み合わせです。そのほうが独自の切り口が生まれやすく、「一番」になれる可能性が高い。僕は丸三年勤めた法律事務所を辞めるとき、決めたことがありました。人生は一度きりなんだから、日本一、日本初、もしくは世界一、世界初といった「一」か「初」を目指そう。そう思うことこそが競争力の源泉となるのです

資本政策は慎重にやる(中略)出資する側としては、やはりたくさんの「シェア(持ち株比率)」を得たい。だから、「出資の金額が大きいのはいいことだ」という雰囲気を作りたいわけです。しかし、大きな金額の出資を受け入れることで、創業メンバーの資本は希薄化します

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『弁護士ドットコム』元榮太一郎・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250628

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◆目次◆

第1章 どうせなら、ブルーオーシャンを生きたい
第2章 幅広い経験が人間をつくる
第3章 創業したのに収入ゼロ!
第4章 読んで、仕掛けて、待つ
第5章 「掛け算」こそが人生だ
第6章 人の縁が会社を成長させる
第7章 弁護士の未来を一緒に考える

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