【悪い習慣を変える知恵】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484151030
本日の一冊は、テキサス大学教授で認知心理学者のアート・マークマン氏が、悪い習慣を良い習慣に変える、認知科学的に正しいやり方を説いた一冊。
ダイエットにしろ、ゲームにしろ、禁酒・禁煙にしろ、常習化したものを変えるのは至難の業ですが、本書ではなぜ習慣を変えることが難しいか、変えるにはどういう手続きを踏めばいいか、詳しく書かれています。
本書によると、悪い習慣を良い習慣に作り変える「スマート・チェンジ」を達成するには、まず<自分がなぜ今のように振る舞うのかを理解しなければならない>。
あなたがどんなに悪習慣で苦しんでいても、<今すぐ変えたいと思っている行動を、脳は必死で続けようとしている>のだそうです。
なぜそんなことが起こるのかというと、<脳は考える時間をできるだけ少なくするようにできている>から。
本書では、そんな厄介な脳と習慣形成につながる「ゴーシステム」をどうやって飼いならすか、また悪い習慣をやめる力となる「ストップシステム」と「環境」をどう活用すればいいか、ヒントがいくつも書かれています。
ちょっと概念的に過ぎるのが玉に瑕ですが、本書を読むと、環境を変えることの威力がよくわかります。
また、ゴーシステムは何もしないことを学習できないから、行動を止める時には、積極的目標を新たに設定すべき、というのもよくわかりました。
悪い習慣を断ち切り、良い習慣を身につけたいすべての方に、知っておいて欲しい知恵が満載の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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過去にうまくいった行動が引き続き成功すれば、動機付けシステムはその習慣を奨励し続けるはずだ。しかし環境が変わって、その行動が成功に結びつかなくなれば、たいていの場合、その行動を変えるのはかなり簡単だ
行動を変えにくくしている大きな障害はふたつある。脳はエネルギーを節約したいので、あなたの過去の行動が成功に結びついたときは同じことを繰り返させたがる。しかしあなたが自分の意志で行動を変えたい場合でも、人間というのはさらにいいものが手に入るまで待てずに、今すぐ手に入るものを手に入れたがる。自分の将来のために目先の快楽をあきらめなければならないような場合は、自分の意志であっても行動を変えるのは難しいだろう
習慣作りの方法はいたってシンプル。一貫したマッピング(対応づけ)と反復あるのみだ。一貫したマッピングとは、ある目標を達成するための行動が常に同じ環境における一連の状況と関連づけられることをいう
習慣作りで最悪のケースは、似たような状況で違う行為を求められることが多い環境の場合だ
ストップシステムは車のブレーキによく似ている。車が動かないようにするには最初から動かさないのが一番だ
習慣を分析すればはっきりするように、行動の大半は環境が原動力になっている
ゴーシステムは何もしないことを学習できない(中略)むしろ、ある行動を止めなければならない可能性が出てきたら、積極的目標を設定してゴーシステムが新しいことを学習できるようにすることが不可欠になる
結果目標に集中する場合の問題点は、行動を変えて長続きさせるには、それ自体が長続きするような新しいプロセスが必要になることだ。終点に努力を集中させれば、長期的な変化を生じさせるのに必要な具体的行動は生まれない可能性がある
周囲の人々が何かを目指している姿を見れば、あなたのやる気も増す可能性が高くなる
習慣を直接作動させられないくらいまで抜本的に周囲の環境を整理し直そう
スマート・チェンジを実践するときは、やりたくないことをやりにくく、やりたいことをやりやすい状況を作り上げることだ
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『スマート・チェンジ』アート・マークマン・著 CCCメディアハウス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484151030
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◆目次◆
第1章 行動改善の難しさ
第2章 行動を持続する
第3章 目標を最適化する
第4章 ゴーシステムを飼いならす
第5章 ストップシステムを活用する
第6章 環境を管理する
第7章 他人と関わる
第8章 変化を起こす
第9章 自分以外もスマート・チェンジ
スマート・チェンジ日誌
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