【脱・産廃屋。2代目女性社長の奮戦記】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478029423
本日の一冊は、ダイオキシン報道を機に、地域から大バッシングを受け、どん底から這い上がった産廃屋の2代目女性社長、石坂典子さんによる奮戦記。
企業をどう立て直すか、2代目はどうやって会社を引き継ぐべきか、いろいろと参考になる内容です。
「石坂産業反対!」「石坂はこの町から出て行け!」という横断幕がでかでかと貼られるほどのバッシングを受け、絶体絶命だった会社が、右肩上がりの成長を遂げ、現在は何と売上41億3000万円(2014年8月期)。
古臭い、悪いイメージを払拭するために著者がやったこと、地域に信頼されるために成し遂げたことは、“産廃屋らしからぬ産廃屋”を目指すことでした。
工場から煙の出ている煙突をなくし、プラントの周りに広大な里山を造った。
理想の会社を実現するために莫大な投資をし、役所にも直談判した著者の行動力には、まったくもって頭が下がります。
著者は、本書のなかで「新・里山資本主義」という概念を紹介していますが、それは<地域の人たちに心から愛され、会社としてもしっかり利益を上げ、県や国へ税金を払い続ける「永続企業」になること>。
本書では、その永続企業になるためのヒントがたくさん書かれており、じつに勉強になりました。
女性社長の生き方本として、また経営のヒントとして、チェックしておきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私が考える「新・里山資本主義」とは、地域の人たちに心から愛され、会社としてもしっかり利益を上げ、県や国へ税金を払い続ける「永続企業」になること
◆著者が会社を改善するためにやったこと ※一部紹介
・父に怒鳴られながらも、毎朝8時30分から「15分の儀式」を1日も休まず10年継続
・社員の4割が現場を去っても、12年間、1日も休まず続けた「巡回報告指導書」
・有給休暇取得率「40%台」へ
・「捨て場の娘」と怒鳴られながらも、値上げをお客様にお願いした
・「生き残りをかけた」役所への直談判
どんなに厳しいなかでも、「今あるものの活かし方がある」
社長になってすぐ掲げた目標は、“脱・産廃屋”でした。“ゴミ屋”とか“捨て場”と呼ばれ、業界差別を受ける「産廃屋」はダメ!“産廃屋らしからぬ産廃屋”を目指そうと決めたのです
「全天候型プラント」で、外から見たらパン工場のように見えるようにしたい
人の話を聞いて失敗したら後悔するけれども、自分で考えて失敗すれば後悔しない
むやみやたらに長く話すと、こじれる
6か所あった休憩所を 1か所に減らしました
現状を維持する必要はない。縮小も永続の一つの道だ
半年間で社員が4割減! 不退転の決意で知を入れ替える
廃棄物をおろしたダンプカーから液体が垂れ、社内の道路が汚れていたのです。巡回途中でそれに気づいた父がプラントの機械をすべて停止させ、社員に掃除をさせました
仕事を属人化させたら、永続企業になれない
仕事に社員を合わせず、社員に仕事を合わせる
私たちが永続企業になるために、信頼関係を築かなくてはいけないのは誰か。それは地域や地元の人たちです
創業者がどういう想いで会社を築き上げてきたのかを子どもたちに伝えることが大切
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『絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!』石坂典子・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478029423
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◆目次◆
はじめに 所沢「産廃銀座」を立て直した女
第1章 なぜ、職人肌の父は、30歳の娘へ社長を譲ったのか
第2章 荒廃した現場で50代不良社員に立ち向かい、どうやって会社を変えたか
第3章 「地獄の3年間」から「おもてなし経営」へシフトした瞬間
第4章 東京ドーム3・5個分の8割が里山!2割が工場!
見えないブランドをつくる「新・里山資本主義」
第5章 どん底からでも利益を生み出す方法
おわりに 世界中から人が集う会社へ
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