【社長!この手があった。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478061866
本日の一冊は、有名税理士である知人も絶賛した名著、『カネ回りのよい経営』の著者、井上和弘さんによる注目の一冊。
※参考:『カネ回りのよい経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891010339
一見あざといタイトルを見た時には、「井上さん、あなたまでもが…」と目の前が暗くなるようでしたが、読むとなるほど。骨太の経営論が書かれています(ホッ)。
本書の主張は、文中のこの言葉に集約されています。
<会社をつぶさないためには、「借金返済」と「税金支払い」という2つのキャッシュアウト(お金の社外流出)を抑えること>
では、どうすれば借金返済をスピードアップできるのか。本書では、具体的に4つの方法が説かれています。
◆借入の返済原資を生む4つの方法
1.金利を抑える
2.税金を抑える
3.含み益を抱えた資産をバンバン処分する
4.減価償却費を増やす
狙い目の金融機関や、銀行との交渉のコツ、具体的なターゲット金利(0・38%とは驚きました)、現預金を無駄に持たないためのポイントと資金繰り表の作成法、具体的なオフバランス(不要資産をB/Sから切り離す)の方法まで、じつにためになりました。
また、税金を抑えるためのヒントとして、赤字決算を勧めているのですが、具体的にはこういうことです。
<「赤字決算にしてキャッシュを増やす」の「赤字」とは税引前利益のことです。営業利益は黒字を確保したうえで、税引前利益を赤字にするのです>
銀行には評価されつつ、税金の支払いは最小限に抑える。じつにクレバーな方法がまとめられています。
中小企業経営者にとっては、財務体質改善のヒントが丁寧に書かれているので、ワクワクしながら読めると思います。
経営者、税理士、経理マンは必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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売上より利益、利益よりキャッシュが大切
御社の金利はいくらですか。一昔前の7~8%のときと比較して、「2~3%は安い」「1%なんてタダみたいなものだ」なんて思っていませんか。私の顧問先では、「レイテンサンパチ」、つまり0・38%が常識になっています
◆現預金を持ち過ぎてしまう2つの理由
1.万が一のことがあったら、不安だから
2.資金繰り表を作成していないから
「違約金」という言葉だけ聞くと、なんだか罰金のような印象がありますが、内容はちょっと違います。残りの返済計画で支払うべき金利の総額を示しているだけです。つまり、繰り上げ返済しようがしまいが、どちらにせよ支払うべきものなのです。そうであれば、違約金を払って、どんどん返済してしまえばよいのです。しかも、違約金は損金で落とせます
これから資金調達をする場合には、「違約金はどうなっていますか?」「繰り上げ返済するときの違約金はなしにしてください」と要望を出してください
これからの借入は無担保・無保証が原則
金融庁からも保証人を外すよう指導されている
身内に経理を任せるな
オススメしているのは、そういったランキングで上位に入っていない銀行の越境支店とお付き合いすることです。越境支店というのは、本店を置いている都道府県をまたいで出店している支店のこと
政府系の金融機関と付き合いなさい
利益を増やす方法は、5つあります。「(1)売価を上げる」「(2)販売数量を増やす」「(3)原価を下げる」「(4)経費を下げる」、ここまでは簡単に出てきます。残る1つこそ、中小企業経営の肝なのです。それは「(5)回転をよくする」です
回転をよくするには、売上を増やすか、総資産を減らすかのどちらか
複数の税理士と付き合いなさい(中略)これからは税理士にも「セカンドオピニオン」が必要
◆オフバランス(不要資産をB/Sから切り離す)で3つのお金を手に入れる
1.売却した代金
2.中間申告した税金
3.来期以降、払うはずの税金
設備が一番早く減価償却できます。だから、もしいろいろひっくるめて固定資産を買う場合は、この設備の割合を大きくして買うことです。土地は減価償却できませんから、なるべく少なく計上すること
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『儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい』井上和弘・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 会社にお金を残すには、赤字決算にしなさい!
第2章 銀行の仕組みを知れば、赤字にするのは怖くない
第3章 有利な条件をどんどん引き出せる銀行交渉術
第4章 経理を変えれば、無借金経営になれる
第5章 税理士任せでは、お金は絶対にたまらない
第6章 土地・建物は売ってしまいなさい!
第7章 見落としている減価償却で強い会社になれる
第8章 税務調査を恐れる必要はありません!
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