【カスタマイズ・ビジネスモデルの時代】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484141183
<われわれは、二一世紀の「カスタム革命」の入口に立っている>
こんな刺激的な言葉で始まるのが、本日ご紹介する『カスタマイズ』。
「The New York Times」で話題となったベストセラーであり、大量生産から低コストの「特注量産」時代へのシフトを説いた、画期的な一冊です。
メイカーズムーブメントの未来を説いた『2040年の新世界』も刺激的な本でしたが、この『カスタマイズ』は、全産業を巻き込むトレンドを紹介しており、こちらの方が産業の大きなシフトを予感させてくれます。
※参考『2040年の新世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492581057
ナイキのカスタマイズ・シューズ、バーバリーのカスタムメイドのトレンチコート、リーバイスのカスタマイズ・ジーンズ、デルのカスタム・パソコン、マテルのカスタム・バービー人形、ホールマークのレコーダブル絵本、マースのカスタムM&M、フォードのカスタム・マスタング、ポッタリーバーンのカスタム家具、そしてもちろん、スターバックスのカスタマイズ・コーヒー…。
あらゆる企業の「カスタマイズ」への取り組みを紹介し、各社どんな工夫をしているのか、何がうまく行っているのか、カスタマイズで成功している新興企業にはどんなものがあるのか、実名入りで詳しく説明しています。
「カスタマイズ」は、小さな規模の企業でも実践できるビジネスモデルであるため、本書の事例は、まさに中小企業にとってビジネスアイデアの宝庫と言えると思います。
読んでいて興味深かったのは、この「カスタマイズ」を信奉する、「ミレニアル世代」の価値観。
いくつか気になったポイントを引用しておきましょう。
<ミレニアル世代──一般に一九七八年から二〇〇〇年生まれで、二〇〇〇年代初頭に成人を迎える人たち──は、何をするにしても買うにしても、カスタマイズできて当然という期待をもっている>
<ミレニアル世代はまた、働き方も、仕事にライフスタイルを無理やり合わせるのではなく、仕事を自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズしようとする>
<ミレニアル世代は、「高給の職業に就くこと」が「人生の最優先事項の一つ」である人がわずか一五パーセントしかいない。では、彼らの最優先事項のトップは何なのか? それは「よい親になること」である。五二パーセントがそう答えるという心温まる結果だった>
新しい世代の消費の鍵を握る「カスタマイズ」。
その成功の秘訣を知りたいなら、ぜひ読んでみてください。
これはおすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アメリカは、カスタマイズ大国への道を進んでいるのだ。全米共通の新しいビジネスの成功法則はいたってシンプルである。それは、顧客にカスタマイズサービスを提供することだ
今はものを持っているだけでは当たり前すぎる時代となりました。これからは、どうやって当たり前でないものを作るか、ということが課題となります。その答えがカスタマイゼーションなのです
「ユーバー」を例にとれば、消費者が自分だけのヘルシーなシリアルバーを栄養士の手も借りずにうまくミックスするなど、インターネット以前の時代には絶対無理だったろう。ギャレット・ウェニグという優秀なウェブデザイナーが作成したわが社のウェブサイトは、「栄養計算機能」により、消費者が一〇〇種類以上の選択肢の中から選んださまざまな材料に応じて、脂肪分やカロリーなど、シリアルバーの成分情報がリアルタイムで表示されるしくみになっている
常駐の専門家の助けが要らなくなったことで、カスタマイズ企業はコストを大幅に抑えることができるようになったが、それでも、カスタマイズ製品はやはり大量生産よりは高くつく。そこをカスタマイズ企業は、インターネットによる消費者への直接販売モデルによって補っているのだ
新しいのは「シェア(共有)」ではなく(レンタルなら資本主義ではずっと前から盛んに行われてきた)、個々の時間や都合にぴったり合ったレンタルサービスを提供する新興企業が増えてきたということだ
◆選択肢のパラドックスを克服するための法則
1.顧客に選択肢を与えすぎてはいけない
2.まず完成したデザイン見本を顧客に選ばせる
行動心理学では、人は自分で苦労して作り上げたものをことさら愛でるということが、既成事実とされている
最近では、一般消費財のプレスリリースを投稿できるウェブサイトが何十とできている。なかでも便利なのは、PRウォッチ(PRWeb.com)、フリー・プレス・リリース(Free-Press-Release.com)、PRログ(PRLog.org)、PRドットコム(PR.com)の四つだ
ルイ・ヴィトンのブランドにとって、「モン・モノグラム」の発売は、商品が売れる以前の段階ですでに成功と言うことができた
興味深いのは、商品にカスタム要素をもたせると、比較的安価なもの(例:ホールマークの絵本)であれ、非常に高価なものであれ、贈りものとしての魅力が増すことだ
顧客が自社を褒めやすい環境を作る
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『カスタマイズ』アンソニー・フリン、エミリー・フリン・ヴェンキャット・著 CCCメディアハウス
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◆目次◆
第I部 カスタマイズ大国へ
第1章 二一世紀のカスタム革命
第2章 大量生産の終焉
第3章 カスタム世代
第4章 選択肢のパラドックス
第5章 メイド・イン・YOU.S.A.
第6章 商業の未来
第II部 カスタマイズ企業を目指せ
第7章 CIYビジネスを立ち上げる
第8章 既存の事業にCIYを加える
第9章 カスタマイゼーションの七つの教訓
第10章 マーケティングをカスタマイズする
第11章 CIYビジネスを成長させ続ける
あとがき 食品をカスタマイズして完璧なスタイルと健康を
付録 カスタマイズ製品・サービスを提供する企業一覧
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