【注目対談】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794968698
本日の一冊は、「ワイアード」「ギズモード・ジャパン」など、紙・デジタル両方でさまざまな媒体を立ち上げ、ベストセラー『フリー』を日本に紹介した小林弘人さんと、「日経ビジネスオンライン」のプロデューサーを務める柳瀬博一さんの対談本。
インターネットの普及がもたらしたビジネスやメディアの本質的変化と、そこで求められる人材像、さらには新たなチャンスの糸口まで…。
平易な会話文で、インターネットビジネス、メディアビジネスの最先端が理解できる、じつに有用な一冊です。
<ノン・パッケージになって液状化(リキッド化)したコンテンツの時代には、その液状化したコンテンツの背後にある文脈を読みといてゆく力=「読解力」と「再構築力」も必要>(小林)
<すべてがつながっちゃった今、ブログなんかで面白いのは、ものすごく何かに対して「愛」があるか、「憎しみ」があるかがはっきりしている人>(柳瀬)
<起業家が観光や環境に目を向けている。どちらも共通するのは「場所」が主人公ということ。「どこでもできる」ITの正反対>(柳瀬)
さまざまな企業の事例を紐解きながら、大きな時代の流れを読み解く2人の会話は、読んでいて本当にワクワクします。
次のビジネスチャンス、情報発信のコツをつかみたい方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ノン・パッケージになって液状化(リキッド化)したコンテンツの時代には、その液状化したコンテンツの背後にある文脈を読みといてゆく力=「読解力」と「再構築力」も必要とされる。その読解力がみんな低下し、スマホでの脊椎反射に教化されてしまっているからこそ、「今の流れはこうだ」「次はこうなるかもしれない」という文脈づけができる人の需要は高まるだろうね。もっと言えば、知識層向けの解説と大衆向け解説のハイブリッドがこなせる人がスーパースターになる(小林)
<体験>を含めた製品が生き残る
ハイテク・バーバリアンだけが生き残る
無いものねだりで言うと、欲しい人材としては、マネタイズまで全部考えられるプロデューサー・タイプ(小林)
すべてがつながっちゃった今、ブログなんかで面白いのは、ものすごく何かに対して「愛」があるか、「憎しみ」があるかがはっきりしている人(柳瀬)
「デザイン」にお金をかけるのって、実はものすごく効率がいい。デザインは「固定費」的だから、よいデザインのおかげでモノやサービスが売れるほど、投資効率は高くなる(柳瀬)
和田智さんがアウディ時代にまさに同じようなことをアウディのCEOに言われた、と。「ヨーロッパは石の街だ。その存在に対峙できるデザインをしろ」って。すごいのは、アウディの経営トップがクルマのデザインはもちろん、街の建築や歴史やデザインに関する素養がハンパないってこと。だからトップがデザイナーに的確に指示ができる(柳瀬)
分からない中でやり続ける鈍感さというものも、時には必要だよね。やっぱり外野の声に左右されない「鈍い強さ」みたいなものが必要(小林)
起業家が観光や環境に目を向けている。どちらも共通するのは「場所」が主人公ということ。「どこでもできる」ITの正反対(柳瀬)
テクノロジーに先んずるのが人間の妄想力=「SF力」
「千人のお客で食べていける」という話は、まさに「誰でもアイドル」話とつながるよね(柳瀬)
ホントのアウトプットって、単にテキストを発信することじゃなくて、そのテキスト=考えをベースに「具体的に人や社会や市場を動かすこと」だよね(柳瀬)
考えるべきなのが「デザインする意志」だと思っているのね。自分の役割によって社会をどういうふうに動かしたいかという意味での「世の中との接点をデザインする意志」(小林)
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『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』
小林弘人、柳瀬博一・著 晶文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794968698
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◆目次◆
第1章 ウェブとSNSで世界は「原始時代」に戻った?
第2章 「誰でもメディア」から「誰でもメーカー」へ
第3章 ハイテク・バーバリアンだけが生き残る
第4章 デザインを制する者が市場を制す
第5章 未来を予見できない時代の組織論
第6章 フリー/シェア以降の新ビジネスモデル
第7章 「SF力」で未来を編集せよ!
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