【2025年の経済。意外な勝ち組は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027331
本日の一冊は、歴史や心理学など、幅広い視点から世界経済の動向を読み解くエコノミスト、中原圭介さんによる注目の新刊。
タイトル通り、2025年の世界経済がどうなるのか、徹底予測した一冊です。
著者は、これまでにも米国を中心とするシェールガス革命に触れ、その世界経済への影響を読み解いてきましたが、本書は新たな世界において、どこが勝ち組になるのか、具体的な企業名(銘柄名)、商品名も挙げながら解説しています。
「シビック・ナチュラルガス」が売れ始めたホンダ、シェールガスを使って高純度の鉄を取り出す「還元鉄」のプラントを計画しているUSスチールやニューコア、液化天然ガス(LNG)輸出の第一号となる出光興産、水素発電で先行する千代田化工建設、国内最大級の再生可能エネルギー事業者になる可能性があるソフトバンク…。
投資家であれば、決して無視できない情報がびっしり詰まっています。
そして、もうひとつ注目なのは、著者が考える、2025年までの日本の勝ち組産業について、具体的にリストが挙げられていること。
自動車、インフラ、環境技術、ロボット、農業、観光、医療…。
具体的な説明は本書に譲りますが、投資家がこれからどこに投資すればいいのか、ビジネスマンがどこで働けばいいのか、具体的ヒントになりそうな記述がいっぱいです。
ぜひ読んでみてください。
———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–
自動車では天然ガスで動くホンダの「シビック・ナチュラルガス」が急に売れ出しています。米貨物鉄道大手のCSXやバーリントン・ノーザン・サンタフェはディーゼルエンジンに代わって天然ガス・エンジンを搭載した機関車を試験投入しているところですし、船舶にも同様の動きがあります
米鉄鋼大手のUSスチールやニューコアは、シェールガスを使って高純度の鉄を取り出す「還元鉄」のプラントを計画しています
アメリカでは2025年まで燃費規制を段階的に強化することになっているので、自動車メーカーはもっと燃費効率の改善に取り組まなければなりません
世界最大の消費地を控え、部品製造など周辺産業の厚みもあるアメリカは、生産拠点としての魅力を増すばかりです(中略)2020年から2025年頃には、アメリカは中国から世界の工場の地位を奪い、ありとあらゆる安価な工業製品を先進国や新興国に送り出していることでしょう
エネルギー価格の下落によって起こるデフレは「よいデフレ」
カナダ西部に広がる広大なブリティッシュ・コロンビア州には有望なシェールガスの鉱区が多く、2016年後半にも日本に液化天然ガス(LNG)を輸出できる見通しです。ブリティッシュ・コロンビア州では、いま複数の日本企業がLNGの輸出計画を薦めています。年間の生産量は800万トン(一般家庭2560万世帯分の年間ガス使用量)の規模になる計画です。出光興産が現地企業アルタガスと進めているプロジェクトが輸出第1号となります
すでに日本政府は水素スタンド建設に補助金を出すことを決め、2015年度の100カ所を皮切りに、2025年度には1000カ所に増やす計画を発表しています
水素発電で先行するのが千代田化工建設です。同社は、海外の油田採掘で発生するガスに含まれる水素を有機溶剤(トルエン)に溶かし、それを日本に輸送して国内の専用設備で水素だけを取り出すという、世界に類のない技術を持っています
孫氏は、同業他社の価格水準よりも思いっきり下げた価格で市場シェアを奪ってきました。つまり、価格を破壊してシェアを取ることを優先してきました。電力でも、このソフトバンクの基本的な戦略は変わらないでしょう
◆2025年までの、日本の勝ち組産業
自動車、インフラ、環境技術、ロボット、農業、観光、医療
————————————————
『2025年の世界予測』中原圭介・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027331
————————————————-
◆目次◆
序 章 資本主義の終焉──成長神話の終わりは近い
第1章 これから物価は上がるのか下がるのか?
第2章 先進国の国民は豊かになる
第3章 日本で始まる水素社会
第4章 日本の電気代は半分になる
第5章 日本で正社員が増える3つの理由
第6章 未来の自動車はどうなるか
第7章 日本の産業はどこが勝ち残るか
第8章 負担は大きいが、意外に明るい少子高齢化社会
終 章 2025年に生き残れる人材の条件
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。