【日本100大企業の成り立ち、社名の由来】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4040661982
本日の一冊は、経済史学者の菊地浩之さんが、日本100大企業の系譜をまとめ、わが国大企業の成り立ちや社名の由来、系列、社風などをまとめたお手軽うんちく本。
営業マンが訪問先の大企業のことを知りたい時、知っておかないと恥をかく、そんな基礎知識がまとめられています。
たとえば、全日本空輸(ANA)。
夏休みに突入し、利用する方も増えると思いますが、この全日本空輸(ANA)の航空会社コードを調べると、じつは「NH」となっているのにお気づきでしょうか?(ちなみに日本航空はJL)
このコード、じつは全日本空輸(ANA)の前身の社名「日本ヘリコプター輸送 (Nippon Helicopter) 」に由来するのです。
また、丸紅と伊藤忠商事が兄弟会社であることや、シャープの創業者がかんざし職人であったことなど、雑談に役立ちそうなネタが満載で、一家に一冊置いてあると良いと思われます。
アマゾンレビューでも書かれているように、1企業見開き2ページというのが、ボリューム的にやや物足りない感がありますが、成り立ちをさっと調べるには適した書物です。
営業や雑談のネタに、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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明治初期における財閥のカネ儲けの源泉は、政商活動と鉱山経営
◆丸紅&伊藤忠商事
総合商社の丸紅と伊藤忠商事はもとをただせば兄弟会社だ。近江商人の伊藤忠兵衛が伊藤忠商事を、兄の伊藤長兵衛が丸紅の祖となる商社を作り、商社は合併分離を繰り返して、今やまったく別の道を歩んでいる
◆シャープ
1912年にかんざし職人の早川徳次が東京・本所に金属加工工場を個人経営したのが始まり。15年に金属製の繰り出し鉛筆「シャープペンシル」(「シャープ」とは「尖端が鋭い」の意)を発明、国内外で大ヒットを飛ばした。ところが、23年の関東大震災で家族と工場を失い、債務返済のためにシャープペンシルなどの特許権を手放さざるを得なくなる
◆キリンビール
麒麟麦酒の商標は、三菱の重役・荘田平五郎が「西洋のビールには伝統的に動物の名前が用いられているので、東洋の霊獣『キリン』を商標にしよう」と発案したといわれている
◆キッコーマン
商標の「キッコーマン」が有名になりすぎて、野田醤油とは別企業だと誤解が広まり始めたため、キッコーマン醤油と改称した
◆資生堂
海軍病院薬局長・福原有信は市販薬品の粗悪さを憂うとともに、医薬分業を志して海軍を退官。1872年に銀座にわが国初の民間洋風薬局・資生堂薬局を創業した。店名の由来は、四書五経の一つ『易経』の一節「至哉坤元万物資生(血の徳はなんとすばらしいことか。万物はこの大地より生まれる)」にあるという
◆ワコール
53年にそれまで使用していたクローバー商標を「ワコール」に変更。滋賀の旧国名・近江、江州にちなんだ社名・和江商事の名を留める「和江留」を造語化したものだという
◆全日本空輸(ANA)
1952年に日本ヘリコプター輸送として東京に設立され、53年にヘリコプターを使った宣伝飛行業務を開始。翌年に8人乗り飛行機による旅客輸送に進出した
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『日本100大企業の系譜』菊地浩之・著 メディアファクトリー
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4040661982
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◆目次◆
序 章 10分で読める日本企業の歴史
第1章 金融
第2章 商社
第3章 電機
第4章 自動車・機械
第5章 素材産業
第6章 建設・住宅関連
第7章 食品・消費財
第8章 流通
第9章 交通・物流
第10章 マスコミ
第11章 通信・その他
終 章 そして三井・三菱・住友グループ
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