2014年7月17日

『オックスフォードの教え方』岡田昭人・著 vol.3649

【名門オックスフォード大学が教えていること】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313106

本日の一冊は、オックスフォード大学大学院にて日本人で初めて教育学の博士号を取得した著者が、その「教え方」を説いた一冊。

オックスフォード大学といえば、マーガレット・サッチャーやアダム・スミス、『指輪物語』のトールキン、『不思議の国のアリス』のルイス・キャロル、理論物理学者のスティーヴン・ホーキングなど、名立たる卒業生を輩出してきたイギリスの名門中の名門。

そんな名門校のノウハウが公開された、となれば、食指が動かぬはずはありません。

本書では、彼の地で行われている教育法に加え、卒業生たちの言葉、教育学の見地から、どう人を育てるかが説かれており、じつに興味深い内容です。

「常識」を疑う4つのステップ、未来を意識したライフイベント、教える側の2つの心構えなど、実践的なアイデアが詰まっており、今すぐ試してみたくなりました。

◆「常識」を疑う4つのステップ
1.「常識」と思われることの「真逆」を考えてみる
2.「常識」によって導かれている行動を批判する
3.「常識」を批判する場合の対案を考える
4.新しい常識の構築と効果の検証

◆「ライフイベント」は常に未来を意識する
・「就職」「結婚」「転職」などの過去の経験ではなく、「何年先に私は◯◯◯をしていると思います」といった会話

◆教える側の2つの心構え
・見返りを求めてはいけない
・教える者は相手に背を向けてはいけない

教師はもちろんのこと、組織で人をマネジメントする方にも、おすすめの内容。

ぜひ、読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆「常識」を疑う4つのステップ
1.「常識」と思われることの「真逆」を考えてみる
2.「常識」によって導かれている行動を批判する
3.「常識」を批判する場合の対案を考える
4.新しい常識の構築と効果の検証

「最優秀学習層」には、実力が試されるような高度な内容を教え、かつ可能な限り自主的な学習をさせてください

「最低学習層」には通常の集団指導とは別に、徹底的に基礎から教える時間を設けて指導する必要があります

親しき仲にも時に実力の差を見せつける

新しい発想を書きまとめる際には結論で締めくくるのではなく、その後、どのような展開が予測されるか、どのような部分が欠如していたのか、「+α」として書き留めておくことが重要です。「+α」を書き込むことによって、次のアイデア出しのときに一歩進んだところから開始することができます

英国の生涯教育の研究者であるテレサ・ベルトンは、著名な数多くの科学者や芸術家、アスリートなどにインタビューし、その内の複数の人が子どもの頃から「ひとりの時間」「退屈な時間」が創造力を育むのに役立ったと回答している、ことをつきとめました

個別の理由やデータは具体性、そこから導き出す結論は一般性・汎用性が重要です。修飾語をつけてごまかしていないか、具体的には不必要な形容詞・副詞がないかをチェックする。無意味な修飾語がなければ説明できないということは、問題が解けていないに等しい

「ライフイベント」は常に未来を意識する

「国富論」や「神の見えざる手」という言葉で有名な、経済学の父と呼ばれるアダム・スミスは次のように述べています。「国民の幸せを実現するために国富論を書いた。だが、人には最低限以上の富は無意味であり、幸福感も増すことがない。また、幸福を求め過ぎることは不幸につながり、地位が高く、金持ちになれば幸福になれる、というのは永遠に満たされない欲望である」

エリートは不安と苦悩を抱えたまま前進する

◆教える側にある者は、次の2つを心に留めておかなければならない
・見返りを求めてはいけない
・教える者は相手に背を向けてはいけない

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『オックスフォードの教え方』岡田昭人・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313106

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◆目次◆

Chapter1 日本にはない世界のトップ校の「教え方」
Chapter2 人と集団を成功へと導く「統率力」
Chapter3 非連続の発想を実現する「創造力」
Chapter4 チームワークで勝ち抜く「戦闘力」
Chapter5 正解のない問題に向き合う「分解力」
Chapter6 慣例や予定調和を打破する「冒険力」
Chapter7 相手に最高の印象を与える「表顕力」

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