2014年1月10日

『森信三訓言集』 森信三・著 vol.3461

【幻の語録──指導者必読の一冊。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800910234

本日の一冊は、哲学者・西田幾多郎に学び、「国民教育の師父」と呼ばれた森信三氏の幻の語録『訓話集』を改題し、復活させた一冊。

語録というからには、よほど力のある言葉、通常とは異なる見方が示されていなければ、読み応えはないわけですが、その点、本書は胸にずっしりと来ます。

マネジャーや教師など、指導者的なポジションにある方にとっては、気づきや共感が得られる一冊だと思います。

昨今のビジネスパーソンは、とかく情報や人との交流が増え、いわば「雑音」が多い状態に追いやられているわけですが、それに対して、森信三氏の言葉がこう語りかけてきます。

<人間は、他との比較をやめて、ひたすら自己の職務に専念すれば、そこに一天地が開けるものである>

人はそれぞれ違うのだから、歩むべき道も素質も違う。そこで教師は、こんな心構えを持っておかなければなりません。

<教え子たちの中には、その天賦に従って、それぞれ社会に活躍する生命の芽が潜んでいる。それゆえ教師たるものは、文化のあらゆる面の理解がなくてはならぬ>

今はさすがにいないと思いますが、大学の授業でノートを読み上げるだけのような教師には、ぜひ聞かせて差し上げたい言葉です。

また、学び方に関して書かれた以下の言葉も参考になりました。

<人物を研究するには、逸話、伝記、著作の順序に従って進めるのが、最も容易な方法であろう>

処世術として読んでも、指導者の心構えとして読んでも、妙に腹落ちする一冊。

週末の読書に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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教え子たちの中には、その天賦に従って、それぞれ社会に活躍する生命の芽が潜んでいる。それゆえ教師たるものは、文化のあらゆる面の理解がなくてはならぬ

努力は、目標あって初めて出来ることである。即ち知が力の根本である

「弟子は、師の持っているものを、悉く奪い取らねばならぬ。但しその為には、己の持ち物をすべて捨てて掛らねばならぬ」(津田青楓)

人物を研究するには、逸話、伝記、著作の順序に従って進めるのが、最も容易な方法であろう

世には、十年一筋の道を歩む人は少ない。ましてや二十年、三十年、一筋の道を歩き通す人は稀である

すべて人間の出来ている人ほど、暑そうな素振りを人に見せないものです。学校においても、校長という地位にある人が、上衣を脱いでいるのを見ることは少ない

悪口の多くは、その根底に嫉妬心が働いている

一番中心に根本の動かぬものを置き、それに近く自分の専門の道をきずいて、尚その周囲に、各部門の一流者の歩みつつある道を配置して、それを自分のものとしつゝ、一つの外郭を作り上げる様にしたい

◆教師として、冬になるにつれて除去すべきもの
1.マスク 2.襟巻 3.手袋

人間は、ある処まで行ったら、自分を捨てる気にならぬと、大きくはなれないもの

素質の良い人は怠け易い

地位が高くなるほど、自分の好みを人から知られぬようにしなければならぬ。好きは隙に通ずる

尊敬するものがなくなった時、その人の進歩は止まる

尊敬すべきものを見出したら、学問は自ずと大成するものである。
随って敬に出発する学問をすること

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『森信三訓言集』森信三・著 致知出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4800910234

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◆目次◆

森先生訓言集上巻
森先生訓言集中巻
森先生訓言集下巻
附編1 森教室の内外
附編2 森先生学話

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