【オフィスのない世界とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152094338
本日の一冊は、オフィスを使わず、遠隔で仕事をするワークスタイル、「リモートワーク」のメリットと秘訣を紹介した、注目の一冊。
著者のジェイソン・フリードは、以前ご紹介した『小さなチーム、大きな仕事 [完全版]』の著者であり、世界で数百万ユーザーに愛用されるプロジェクト管理ツール「ベースキャンプ」を手掛けた人物。
(ソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業者兼CEO)
※参考:『小さなチーム、大きな仕事 [完全版]』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415209267X/businessbookm-22/ref=nosim
共著者のデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンは、クックパッドやツイッターなど有名サイトの開発にも使われるRuby on Railsの作者です。
ソフトウェア開発の会社だからというのもありますが、「37シグナルズ」は現在、世界各地の36人のメンバーとリモートワーク形態でつながり、ユーザー数は数百万人を誇っています。
本書には、10年前からリモートワークを活用しているという同社の経験知が詰まっており、これからリモートワークを始めたい企業、個人にとっては、貴重なアドバイスとなるはずです。
<部下が目の前にいないことを上司が不安に感じるなら、まずはすこしずつ目の前にいない時間を増やしていくことだ>
<地域で賃金差別をしない>
<仕事には仕事用の端末を使い、くつろぐときは別の端末を使う>
読んでいて、<社員をつねに見張っていないと不安なのは、企業文化が弱いせいだ>というくだりがあるのですが、確かに、リモートワークは究極の権限委譲。
やるやらないは経営者の判断ですが、リモートワークを通じて、自社の価値観の浸透度がわかるかもしれません。
ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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本当に集中して仕事がしたいとき、あなたはどこへ行くだろう?まわりの人間に、そうたずねてみてほしい。「会社」と答える人は、ほとんどいないはずだ
通勤が体に悪いことは、科学的にも明らかになっている。通勤時間の長い人は太りやすく、ストレスが多く、ゆううつな気分になりやすい
クリエイティブな仕事で成果を上げるには、集中力がもっとも高まる「ゾーン」に入ることが必要だ
これからは仕事も趣味も、同時に楽しめる時代だ
これからは、場所と時間を自由に選べることが、本当のぜいたくになる
あなたが上司なら、信頼できない部下を雇わないほうがいい
◆著者の会社のセキュリティ基準
1.ハードディスクはかならず暗号化する
2.自動ログインを使わない
3.ウェブサイトを見るときは、暗号化通信を使う
4.スマートフォンやタブレットにはパスワードをかける
5.パスワードは長くて複雑なものにする
6.Gmailの2段階認証を利用する
社員をつねに見張っていないと不安なのは、企業文化が弱いせいだ
リモートワークを成功させるコツは、共通のコアタイムを決めることだ。完全に勤務時間を自由にすると、メールの返事を翌日まで待たなければならないこともある。それでも仕事はまわるかもしれないが、不便なことは否めない
システムの世界にはSPOF(Single Point of Failure)という言葉がある。その部分が壊れたらシステム全体が止まってしまうような、致命的な弱点を指す言葉だ。システムの信頼性を高めるには、SPOFを事前に発見して取り除くことが重要
国外の人間を雇う方法は、基本的に2つ。現地法人をつくるか、業務委託の形にするかだ
そもそもマネジャーの仕事は、席についているかどうかを見張ることじゃない。仕事をリードし、成果を確認することだ。ということはつまり、仕事のことを知っていなければ、マネジャーはつとまらない
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『強いチームはオフィスを捨てる』ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4152094338
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◆目次◆
はじめに
イントロダクション──オフィスのない世界
リモートワークの時代がやってきた
リモートワークの誤解を解く
リモートのコラボレーション
リモートワークの落とし穴
リモート時代の人材採用
リモート時代のマネジメント
リモートワーカーの仕事スタイル
おわりに
ツールボックス
謝辞
37シグナルズについて
原注
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