【いちおしのマーケティング本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482224993X
みなさんは、マーケティングで「絶対にやってはいけないこと」をご存じでしょうか?
それは、「誰も欲しがらないものを売ろうとする」こと。
特にSNSが普及した今日、まずい商品を無理やり広めようとすると、かえって逆効果になることがあります。
そこで最近注目されているのが、シリコンバレー版の新しいマーケティング専門職、「グロースハッカー」のやり方です。
グロースハッカーは、エンジニアの素養を持ち、製品開発とマーケティングを分けず、製品を改善し続け、クチコミの種を製品自身に組み込むことで、企業を飛躍的成長に導きます。
本書では、ホットメールの文末広告、ドロップボックスのクチコミ紹介プログラム「無料で容量アップ!」、自社製モバイル端末からユーザーが送信するすべての電子メールに「iPhoneから送信」と表示させ、かつイヤホンも白に変えたアップルの事例など、豊富なマーケティング事例が紹介されています。
また、興味深かったのは、「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」という新概念。
これは、マーケットが要求する基準に至るまで製品を改善し続けるという概念で、これを実現した製品とそうでない製品は、その後の成長スピードが違うというのです。
<レースのルールは変わった。優勝するのはもはや、最初に市場に参入した人ではない。最初にPMFに到達した人が優勝者なのだ。なぜなら、PMFに到達してからのマーケティングは、(灯油によく浸した)燃えやすいたきつけに点火するようなものだからだ>
本書にはまた、人々が無料でクチコミしたくなるポイントがわかりやすくまとめられており、SNS、ブログでマーケティングを展開したい方には、良いヒントとなります。
先日ご紹介した『シグナル&ノイズ』と比べると、厚さは4分の1ですが、ビジネスにおける有効性は、匹敵すると思われます。
※参考:『シグナル&ノイズ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249808/businessbookm-22/ref=nosim
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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優秀なマーケターにとって、コーディング能力と技術的な知識が重要になってきている
「じゃあ、文末に『追伸 愛してるよ。ホットメールで君も無料メールをゲットしよう』と表示させよう」このささやかな機能がすべてを変えた。ホットメールのユーザーが送信するすべてのメールがホットメールの広告になったのだ。この広告が効果的だったのは、広告がキュートだったり、クリエイティブだったりしたからではなく、多くの人々が欲しがる楽しいサービスを紹介したからだ
グロースハッカーとして知られるノア・コーガンは、シンプルに説明する。「マーケティングの本質はずっと変わらない──顧客が誰で、どこにいるかだ」
紹介した2社はいずれも、グロースハッカーが「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」と呼ぶレベルにサービスが到達するまで、長い時間をかけて調査とイテレーションを行っている
レースのルールは変わった。優勝するのはもはや、最初に市場に参入した人ではない。最初にPMFに到達した人が優勝者なのだ。なぜなら、PMFに到達してからのマーケティングは、(灯油によく浸した)燃えやすいたきつけに点火するようなものだからだ
事業を成功させて収益を上げるためには、マーケティングの方法を、潜在顧客の購買行動プロセスに合わせる必要がある。
──ハブスポット創業者 ブライアン・ハリガン
スタート段階のマーケティングとPRは、製品への関心と忠誠心が強い熱狂的なユーザーを獲得するために行う。次に、獲得したユーザーとともに製品を成長させていく
大事なのは、何人に認知されるかではなく、何人がサインアップするかだ。街頭でのビラ配りでサインアップする人を増やせるなら、それもグロースハッキングと考えていい
クチコミとは、無料で自分(の製品やサービス)について宣伝してくれと頼むことなのだ(中略)こんな図々しいお願いを受けてもらうにはどうすればいいか? 頼んでいるあなたのためだと思わせないことだ。さらに、製品あるいはサービスを広める価値があるもの、広めやすいものにすればいい
ドロップボックスは非常に効果的なクチコミ紹介プログラムを構築した。それは、サービスのトップページに小さな「無料で容量アップ!」ボタンを追加するというシンプルなものだった。このプログラムでは、友達にドロップボックスを紹介し、その友達が会員登録したら、紹介した友達一人当たり500メガバイトずつ無料のストレージ容量を獲得できる
ビジネスにとっては既に手の内にあるものを定着させたり、最適に改善したりするほうが重要なのである
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『グロースハッカー』ライアン・ホリデイ・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482224993X
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◆目次◆
イントロダクション
ステップ1 まずは人が欲しがるものを作れ
ステップ2 自分なりのグロースハックを探して
ステップ3 クチコミを巻き起こせ
ステップ4 つかんだユーザーを手放すな
最後に 私自身のグロースハックー学びから実践へ
解説
訳者あとがき
原注
グロースハッカーになるための次のステップ
プロフィール
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