【1億人突破! LINEの企業哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408109983
本日の一冊は、1億ユーザー突破のスマホ向けコミュニケーションアプリ「LINE」を生んだNAVERの企業哲学に迫った注目作。
韓国経済新聞社の記者がまとめたもので、これまでのNAVERの軌跡と、「LINE」誕生の経緯、今後の同社の可能性について言及されています。
ちなみに簡単に説明しておくと、「LINE」を開発・リリースしたのは、韓国のインターネット最大手であるNHNの日本法人、NHNジャパンですが、韓国NHNは、もともと検索ポータルサイト「NAVER」を運営するネイバーコム社とオンラインゲームサイトの運営主体であるハンゲームコミュニケーション社とが合併してできたネイバーコムという会社を母体としているようです。
韓国国内最大のポータルサイトに成長し、慢心のあった同社を襲った経営危機、中国ゲーム事業からの撤退、人材難…。
普通の会社ならこの時点で終わっていたと思いますが、同社には「ツキ」がありました。
たまたまガラケーからスマホに乗り換える人が集中した2011年10月~11月に攻勢をかけ、モバイル向けサービス会社としては初のテレビCM放映。その結果、10月は1カ月で300万人、11月には330万人がアプリをダウンロードをしたそうです。
また、LINEが後発にもかかわらず成功できたのは、以下のターゲティングの要素が大きかったようです。
<LINEが後発という不利な状況を巻き返せたのには、戦略の勝利という決定的な要因がある。その戦略とは、LINEが発表当時から、スマートフォンを始めて利用する、あるいはまだ使いこなせていないユーザーをターゲットにしたことにほかならない。こうした人たちがLINEを使ってくれれば、市場全体をリードできると判断したのだ。LINEが特に注目したのが20~30代の女性ユーザーだ。女性でも簡単に使えるようにしようというのがLINEの目指すところだった>
ガンホーにしろNHNにしろ、今伸びている企業は、いずれもスマホまわりでグローバルに成功している企業ばかりですが、その特徴は、生産者も消費者も巻き込んで成長していくプラットフォーム戦略にあると思います。
人々が参加したくなるプラットフォームを作るには、どんな要素が必要か。
本書を読んで学んでおくといいでしょう。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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革新とは、What(「何に」)に対する革新ではありません。革新の90%はHow(「いかに」)についての革新です。以前やっていたことをよりよくすること。それをできる人がイノベーター
(ヘ・イジン)
パラダイムがシフトすれば新しい強者が誕生するのは世の常
LINEが後発という不利な状況を巻き返せたのには、戦略の勝利という決定的な要因がある。その戦略とは、LINEが発表当時から、スマートフォンを始めて利用する、あるいはまだ使いこなせていないユーザーをターゲットにしたことにほかならない。こうした人たちがLINEを使ってくれれば、市場全体をリードできると判断したのだ。LINEが特に注目したのが20~30代の女性ユーザーだ。女性でも簡単に使えるようにしようというのがLINEの目指すところだった
月間のアクティブユーザーの割合が徐々に高くなるのもLINEに見られるめずらしい現象だ
オンラインネットワークでの新たな孤独は、それまでのオフラインでのもっとも親しい人への依存度をさらに高める
多くの企業が参入し、競争することでプラットフォームが豊かになり、そうすることを通じてユーザーはさらに増え、究極的にはプラットフォームが競争力をもって拡充される
最高級のオフィスチェアメーカーであるアメリカ・ハーマンミラー社の「アーロンチェア」だ。一脚130万ウォンもする最高級の椅子が、本社移転に合わせ、スタッフ全員にプレゼントされたのである
1000人の全スタッフに毎月5万ウォン分のインターネット書店の図書券が支給され、3年ごとに2週間の休暇が与えられる。この休暇でバックパッカーとして個人旅行するスタッフには、飛行機代も支給される
「ユニークなサービスは、ユニークな職場生活から生まれる」これはNHNの基本的な信念であり、スタッフの共通認識でもある
日常的にお客さまと接する
「儲けること」以上の使命を見つける
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『LINEを生んだNAVERの企業哲学』
イム・ウォンギ・著 実業之日本社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408109983
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◆目次◆
Chapter1 危機は音もなく訪れる
Chapter2 LINEの誕生で世界が変わった
Chapter3 LINEがもたらした新たな地平
Chapter4 グーグルも舌を巻いた迅速な意思決定と組織づくり
Chapter5 生活の中での新たな価値を提供するブランド戦略
Chapter6 ユーザーとともに歩む、未来に向けた経営哲学
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