2013年5月18日

『プロフェッショナルサービスマン』野地秩嘉・著  Vol.3224

【これぞプロのサービス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420465

本日の一冊は、シリーズ40万部を突破した「プロフェッショナル」シリーズの最新刊。

数多くのベストセラーを世に出した、自称「サービス業専門ライター」の野地秩嘉さんが、厳選した『プロフェッショナルサービスマン』を紹介した一冊です。

登場するのは、輸入車販売のヤナセで、もっとも多くのベンツを売った河野敬氏、起業家一族に生まれ、セレブ御用達のスーパーオーケーを創った飯田勤氏、「デパ地下の女王」ことまい泉の山崎明希子氏など、計8名。

彼らがどんな思いで仕事をしているのか、ビジネスの要諦をどうとらえ、どう具体的に数字を出しているのか、が具体的に書かれており、いわゆる「感動モノ」のサービス本とは一線を画しています。

類書と比べて光るのは、その事例のニッチさ。

ビジネス書ではほとんど紹介されることのないスーパーオーケー、保育園業界トップクラスのコビーアンドアソシエイツ、稼働率100%のスーパーホテルなど、興味深い事例が満載で、興味深く読むことができました。

いくつか、ハイライトをご紹介しましょう。

<順風が吹くようになってからも、彼は知らない家を訪ねることをやめようとは思わなかった。展示会で声をかけられた客との商談に際しても、「駐車場を見ないといけませんから」と理由をつけて、必ず客の自宅まで出かけていった>(ヤナセ 河野敬氏)

<見切り商品の特売はしません。賞味期限がその日までの商品を激安にすることはしない。それはお客様を裏切ることだから。(中略)そうした賞味期限がぎりぎりの品物が店舗に残っているのは発注の失敗です。自分の失敗をお客様に転嫁してはいけない。裏切りは信用をなくす元です>(スーパーオーケー 飯田勤氏)

<嫌な役割を一年間、続けていくと、いつの間にか、相手が僕を見る目が変わる。この人は熱心なんだ、嫌な奴でなく、信頼できる人なんだ。だから、一緒に改善した方がいいとなってくる。業者さんとはとことんつきあった方がいいんです>(スーパーホテル西尾寛司氏&涼子氏)

どんな仕事でも、成功するためには損得を超えたコミットメントが必要。

本書に登場する8名の事例を読むと、そのことがよくわかると思います。

一流のサービスマンになるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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効率とは怠け者の言い訳である

順風が吹くようになってからも、彼は知らない家を訪ねることをやめようとは思わなかった。展示会で声をかけられた客との商談に際しても、「駐車場を見ないといけませんから」と理由をつけて、必ず客の自宅まで出かけていった

もし、そこにベンツが止まっていたら、並行輸入なのかヤナセが売った車なのかを見てきます。また、国産車や他社の車が止まっていたら、車検マークを確認して、買い替えの時をねらって営業に行きます

◆七つの教訓
1.自分がしゃべるのではなく、客から教えてもらうこと
2.約束を絶対に守る
3.客の私生活に立ち入らない
4.客の発した言葉だけでなく、表情に出たサインを察知する
5.客に対して「この人、嫌だな」とは思わない
6.自分を甘やかさない
7.負けず嫌いの精神を持つ

「オネストカード」というシステムである。客に正確な情報を伝えるためのもので、小さな名刺大のカードが商品の棚に置いてある。カードの内容はこんな感じだ。「ただいま販売しておりますグレープフルーツは、南アフリカ産で酸味の強い品種です。フロリダ産のおいしいグレープフルーツは一二月に入荷予定です」もう少し待てば目当ての商品が来るから、この商品は買わなくていいですよ、と正直に告白しているわけだ

どうやったら、経費は下がるのか。結局、売り上げを伸ばすしかないんだ

見切り商品の特売はしません。賞味期限がその日までの商品を激安にすることはしない。それはお客様を裏切ることだから。(中略)そうした賞味期限がぎりぎりの品物が店舗に残っているのは発注の失敗です。自分の失敗をお客様に転嫁してはいけない。裏切りは信用をなくす元です

なんで髪の毛が落ちてるの、どうしてなのとそれだけを聞いたのです。相手にとっては困惑するでしょうし、嫌な奴だなあと思うでしょう(中略)業者の事務所を訪ねたのは一度や二度ではありません。ミスがあるたびに、清掃業者へもリネン業者へも出かけていった(中略)そうやって、嫌な役割を一年間、続けていくと、いつの間にか、相手が僕を見る目が変わる。この人は熱心なんだ、嫌な奴でなく、信頼できる人なんだ。だから、一緒に改善した方がいいとなってくる。業者さんとはとことんつきあった方がいいんです
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『プロフェッショナルサービスマン』野地秩嘉・著 プレジデント社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420465

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◆目次◆

プロフェッショナルサービスマン チェックリスト
「飛び込み営業」でベンツを日本一売る男
「セレブが通うディスカウンター」を作った社長
「仕事が途切れたことない」えんとつ解体業者
保育園業界トップクラスに躍り出た「革命児」の哲学
「デパ地下の女王」とんかつ娘の気迫
「稼働率100%」ビジネスホテル支配人夫婦のもてなし
「餅つき」だけで大繁盛旅館をつくった主人

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