【コリン・パウエル「13のルール」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864101930
2001年から2005年までの間、アメリカの国務長官を務め、計4つの政権で政府の要職を歴任したコリン・パウエル氏。
そのパウエル氏のキャリアが、じつは清掃夫から始まっていたことをご存じでしょうか?
ペプシ工場の清掃夫から、黒人として初めて米国陸軍の四つ星大将となり、史上最年少で米国4軍のトップである統合参謀本部議長、さらには国務長官にまで出世したパウエル氏。
本日ご紹介する一冊は、そんなパウエル氏の「ルール」をまとめた一冊です。
「なにごとも思うほどには悪くない」
「自分の人格と意見を混同してはいけない」
「優れた決断を問題で曇らせてはいけない」
「小さなことをチェックすべし」
などといった自戒のための13カ条に加え、情報収集のための4カ条、
「わかっていることを言え」
「わかっていないことを言え」
「その上で、どう考えるのかを言え」
「この3つを常に区別しろ」
さらには、「記者会見における5種類の聞き手」など、氏の仕事のやり方や心構えが、きちんとルール化されているのには、驚きました。
それぞれのルールに詳しい解説とエピソードがついており、読者は氏のキャリアを追体験しながら、リーダーに必要な心構えをきちんと学ぶことができます。
コラソン・アキノ大統領から宮殿近くの空軍基地に対する爆撃要請を受けて、クーデターの被害を最小限に食い止めた話、飲酒運転をした部下に厳しく対処した話、閣議に1分遅れてジョージ・W・ブッシュ大統領に閉め出された話など、難しい状況にリーダーたちがどう対処しているのか、その実際がわかる内容で、じつに参考になります。
働く人の教訓としても有用で、これを読めば、上司がどんな人間を重用するか、よくわかると思います。
<なにをすべきかわからないとき、私への確認を遠慮するな>
<「将軍がそう望んでおられる」症候群を避けろ>
<時間を守れ。私の時間を無駄にするな>
<電話をかけてきた人を待たせるな──折り返し電話しろ>
決して派手な言葉が並ぶ本ではないですが、ところどころ、胸に染みる教えがありました。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大統領宮殿の爆撃阻止が目的なら、もっといい方法で達成できるのではないかと、私は直感的に思った。たまたまワシントンにいた太平洋方面司令のハント・ハーディスティー海軍大将とふたりで代案を練り、次のような指示をF-4戦闘機のパイロットに伝えることにした──「フィリピン空軍基地すれすれに飛び、『激しい敵意』を示せ。離陸しようとする飛行機があればその前方に威嚇射撃をおこなうか滑走路に大穴を開けろ。離陸した飛行機があれば撃ち落とせ」。結局、離陸するフィリピン軍飛行機はなく、クーデターは数時間で終結した
私は、難しい判断を迫られると必ず、状況の評価から入る
最終的な成否を左右するのは、たくさんの小さなことだ。リーダーは小さなことまで感じられなければならない
なにかうまくいったとき、その功績は、組織の底辺にいたるまで全体のものとしなければならない。自分がいたからうまくいったのだと、関係者全員が思うようにするのだ
報酬は受けとるのではなく、勝ちとれ。常にベストを尽くせ。誰も見ていなくても、自分は必ず見ている。自分をがっかりさせるな
昔から言われているように、「世界にとってあなたはひとりの人にすぎないかもしれないが、ひとりの人にとってあなたは世界になりうる」のだ
部下に尊敬されようとするな、まず部下を尊敬せよ
まちがいを見過ごさない
◆4カ条のルール
・わかっていることを言え
・わかっていないことを言え
・その上で、どう考えるのかを言え
・この3つを常に区別しろ
リーダーたる者、メッセンジャーを撃つことがあってはならない
「第1報」に注意せよ
◆記者会見における5種類の聞き手
1.質問をする記者 2.見たり聞いたりしてくれている米国民
3.190カ国あまりの政治家や軍部リーダー
4.注意深く観察し、聞き耳を立てる敵 5.最後は兵士
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『リーダーを目指す人の心得』コリン・パウエル、トニー・コルツ・著 飛鳥新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864101930
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◆目次◆
はじめに
第1章 コリン・パウエルのルール
第2章 己を知り、自分らしく生きる
第3章 人を動かす
第4章 情報戦を制する
第5章 150%の力を組織から引きだす
第6章 人生をふり返って──伝えたい教訓
おわりに 「すべては人である」
訳者あとがき
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