【「情熱大陸」出演の著者、待望の新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483345047X
本日の一冊は、ベストセラー『ワンランク上の問題解決の技術』の著者であり、情熱大陸にも出演した著者、横田尚哉さんによる、待望の新刊。
※参考:『ワンランク上の問題解決の技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596456
著者は、GEで考案され、おもに技術の世界で広まった価値工学(VE)の手法、ファンクショナル・アプローチを使って、10年間で総額1兆円の公共事業を扱い、2000億円を超えるコスト縮減を実現した改善のプロフェッショナルですが、今回の著書では、個人の仕事術をテーマに扱っています。
ファンクションに視点を移すことで、未来が切り拓けるというのが著者の論調ですが、本書は、そのファンクショナル・アプローチの手法を個人の仕事に適用するものです。
「プロローグ」のなかで著者は、これから求められるビジネススキルについて、こう整理しています。
時間管理は、量から質へ。思考は、過去から未来へ。物事のとらえ方は、知性から感性へ。
本書の主眼は、この読者の時間管理、思考、とらえ方に革命を起こすことであり、そのために有効な手法がいくつも提案されています。
通常、「仕事には想定の一・四倍の時間がかかる」そうですが、これを一・一倍にまで圧縮する改善の手法、知的熟成を促すためのマルチタスクのすすめ、ロスをなくす伝え方の技術、人脈を整理する技術、集中力を上げるために「二五分間仕事、五分間休憩」をワンセットにする「ポモドーロ・テクニック」など、仕事を改善するさまざまな工夫・技術を提供しています。
それなりにビジネス経験のある方なら、既知のものも多いと思いますが、ここまでホウレンソウや根回しなど、仕事で求められる作業の本質をきちんと整理した本は、珍しいと思います。
新人に与える読み物として、また自分の仕事を見直すツールとして、ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ビジネススキルのなかでもとくに重要なのは、「時間」「思考」「感性」の三つのスキル
時間管理は、量から質へ。思考は、過去から未来へ。物事のとらえ方は、知性から感性へ。
仕事には想定の一・四倍の時間がかかる
知的熟成を起こすためには、通常の五~一〇倍の時間が必要です。ただ、三日間で終わる仕事に三週間かけていると、まわりから「仕事が遅い」、「中断して放置するな。最後までやれ」と言われかねません。そこでおすすめしたいのが、マルチタスクによるスケジューリングです
自分満足と他人満足の両方が低い仕事は「勘違い」
自分はやりたくないけど人に必要とされている仕事は「ストレス」
自分満足は高いが他人満足の低い仕事は「迷惑」
形容詞を使わず、数詞で話す
新人には明示し、達人には暗示する
報告は、過去の出来事に関するコミュニケーションです。緊急性は低いですが、そのぶん正確性や記録性が求められます
相談とは、いま起きていることに関するコミュニケーションです。現在進行形なので緊急性は高めです。過去を報告するのと違い、内容は流動的、あるいは議論的です
連絡は、未来の予定に関するコミュニケーションです
決裁を経た書類を既決ボックスに溜めると、指示のロットが大きくなります。もともと「Aをやってほしい」で済むのに、「AとB、Cをやって」とまとめて指示するようになり、相手に待ち時間を発生させてしまうのです
根回しの目的は、《インパクトを和らげる》コト
頼りになるのは、ルールよりモラル、マニュアルよりガイドライン
情報の有効性は、正しいサンプルから導き出したものかどうかで決まります
人脈でやりとりされるのは、その人の持つファンクション
「Value(価値)=Output(成果)/Input(リソース)」
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『ビジネススキルイノベーション』横田尚哉・著 プレジデント社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483345047X
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◆目次◆
第1章 一・四倍で時間を見積もる
第2章 時間と感情のロスを減らす
第3章 チームをマネジメントする
第4章 感性でリスクを察知する
第5章 組織のムダを改革する
第6章 個人の能力を最大化する
第7章 時代の潮流をつかむ
第8章 未来のつくり方を考える
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