2012年9月20日

『やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』 藤村正宏・著 Vol.2984

【売上5倍!の花束の売り方とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408109541

本日ご紹介する一冊は、11年前の2001年8月に刊行されて以来、ずっと増刷が続いていたマーケター藤村正宏氏のデビュー作。

タイトルにもなっている<「モノ」を売るな!「体験」を売れ!>は、当時ちょっとしたブームになりました。

この改訂版では、新規原稿を60ページほど入れることで内容を大幅にアップデートしています。

著者は、大手百貨店のディスプレイを手掛ける(株)京屋でヴィジュアルプレゼンテーションを担当し、ニューヨーク大学で映画製作等を経験。以来、水族館や博物館、テーマパーク、レストラン、ショップなどの集客施設を手掛けてきた人物です。

仕事柄、人の購買行動に関するさまざまな知見やデータを持っており、本書にはそれが余すところなく書かれています。

例えば、191ページで紹介されている「左側パラダイスの法則」。

これは、「人間は無意識のうちに左側が好き」という法則で、ある実験では、危険物が前方から迫ってきたとき、人間は74.3%が左側、22.8%が右側、後方が2.9%に回避するという結果が出たそうです。

吉祥寺の商店街で行ったワゴン販売の実験でも、<歩いているとき人間は左側に注意を向けている>ことがわかったそうで、著者はここから、こんな結論を導いています。

<商品の陳列は、お客さまの目線が左から右に動くことを考えて陳列する>

同様に、ある心理学者の実験では、<グラフィックが一番認知されたのは紙面の左側、文章が一番認知されたのは右の下>という結果が出ており、これは出版物にも応用できるかもしれません。

本書では、こうしたデータと、体験を売って成功した商品・コピーがたくさん紹介されており、じつに参考になります。

「夜景、無料プレゼント!」のコピーで年間売上を1億2000万円アップさせた横浜みなとみらいのレストラン、ヨーロッパで「愛の3大ギフト」と言われている花・チョコレート・シャンパンをセットにし、前年対比で売上5倍にした花屋、あえて内観写真を載せることで忘年会の幹事のハートをつかみ、宴会コースの売上を2.7倍にした居酒屋…。

興味深い事例とチラシ、コピーの実例が載っており、確かにロングセラーにふさわしい充実の内容です。

優れたマーケターを雇おうと思ったら、年収1000万円は用意しなければなりませんが、本書はそのノウハウを、たった1400円で買えてしまうお得な一冊です。

発売日は9/27。ネット書店ではもう予約を開始しているので、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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正確にいうと彼女は、「カルティエのタンクフランセーズという『モノ』としての時計が欲しかったのではなく、クリスマスイブに、彼と一緒に銀座カルティエ本店に行って、ゴージャスな雰囲気の店内で、女性店員が恭しく接客してくれ、白手袋でケースの中から出してくれたタンクフランセーズを買うという、『体験』が欲しかった」

とある街にある、民間が運営している観覧車は決して「相席」にはしません。それはお客さまがどういう体験を求めているかをしっかり知っているからです

今、全国チェーンの「子供写真館」が業績を伸ばし続けています。日本で一番の大手チェーン、「スタジオアリス」。ボクのクライアントである「カメラのキタムラ」がやっている「スタジオマリオ」。どちらも、とっても業績がいい。これは、今までの写真館が「写真」を売っていたのに対して、子供写真館は「思い出」を売っているから(中略)子供写真館のスタッフには幼稚園の先生だった人や、保育士の資格を持った人、若くて子供好きの人がたくさんいます

「夜景、無料プレゼント!」このひと言を加えただけで、年間売上が1億2000万円アップ! しかもコストはたったの2000円

「夜に車でこれを聴くために、オレは車にサブウーハーをつけた」
(リー・モーガン『サイドワインダー』を売ったPOP)

「ヨーロッパでは、花・チョコレート・シャンパンが愛の3大ギフトと言われています。義理ではないあなたの本気が伝わる『最高の恋』のギフトです」
(花の売上を5倍にしたパッケージ&コピー)

「左側パラダイスの法則」:人間は無意識のうちに左側が好き

グラフィックが一番認知されたのは紙面の左側、文章が一番認知されたのは右の下

集客施設ではミニチュアの世界はいいけれど、スケールアップの世界はやってはいけない

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『やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』藤村正宏・著 実業之日本社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408109541
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◆目次◆

第1章 お客さまが欲しいのはステキな「体験」なのだ!
第2章 「モノ」や「サービス」を売っていては会社がつぶれる!
第3章 「体験」を売ることのすごい威力!
第4章 思わず財布のヒモがゆるむ「心地よさの法則」!
第5章 繁盛も「関係性」があればこそ!
第6章 「売れる売り方」は実践あるのみ!

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