『新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生に ヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?』ROCKGIRLS・編著 澤本嘉光・ツッコミ役 Vol.2919
【岩塚製菓、品川女子学院とコラボで商品開発!その結果は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761268476
以前、ある編集者が講演でこんなことを言っていました。
「人間、初心なんて忘れちゃうんですよ」
最初は青雲の志で独立した起業家も、上手く行きはじめると謙虚さを失い、やがて挑戦しない言い訳ばかりを考えるようになる。
これは、現在の日本企業にも言えることではないでしょうか。
本日ご紹介する一冊は、「黒豆せんべい」で知られる岩塚製菓の依頼で、品川女子学院の女子中学生がヒット商品作りを手掛ける、という実話に基づいたビジネス書。
コラボで生まれたシリーズ商品「ペパっと」「トマっとバジっと」「乙女ふわっと」「ほ和っと」がどのようにして生まれたか、その開発の過程と根底にある考え方を紹介しています。
本書の構成は変わっていて、
1.女子中学生のコラボ日記
(女子中学生の目線からプロジェクトの様子を伝える)
2.おせんべい屋さんの本音トーク
(岩塚製菓社員の思惑と、中学生のアイデアへの感想など)
3.ツッコミどころ
(CMプランナー澤本嘉光氏によるプロジェクトへの意見)
という3部構成で、各章が構成されています。
そのため、1.女性中学生が主導することでどんなアイデアが出て、どう商品化にいたったか、2.現場のプロがそれをどう捉えたか、3.マーケティングのプロがコラボの結果をどう評価したか、が比較しながら読める内容になっています。
興味深かったのは、女子中学生が入ることによって、岩塚製菓の商品企画部が、「いつの間にか、製造部門の都合や技術の制約、会社の方針などを先に考えるようになっていた」ことに気づいたこと。
最終的にこのコラボの結果は「まずまず」の結果に終わり、
<市場のニーズに合致していなければ、いくら営業が熱意を持って売っても、「女子中学生」とか「品川女子学院」といったブランドがあっても、結果にはつながらない、という現実を突き付けられた>
わけですが、本書の意義は、そこではないと思っています。
経営コンサルタントの竹内謙礼さんもメルマガで感想を書いていたように、<なんだか、今の「なぁなぁ」になっている自分がちょっと恥ずかしくなってしまう>本なのです。
本書のなかで、岩塚製菓の社員は、10歳以上も年下の中学生たちに振り回され、斬新なアイデアに触れるうちに原点回帰するわけですが、これこそがこのコラボの意義であり、われわれが本書を読む理由だと思います。
「プロフェッショナル」という言葉は、響きは良いけれど、いつしかそこに留まっているうちに、思い上がり、挑戦を忘れてしまう。
そうならないために、ぜひ読んでおきたい本なのです。
ヒットメーカーを目指す人が読むべきなのはもちろんですが、女子中学生が一から商品開発に挑む、という話のため、商品開発やマーケティングに興味のある人が、一から学ぶためのヒントにもなります。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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事前にチェックしてきた「中学生が思わず買っちゃう、コンビニで100円程度で買えるお菓子」の調査結果を見せた。
1位 ブラックサンダー
2位 チュッパチャップス
3位 チロルチョコ
ちなみに、「中学生が好きなスイーツは」
1位 ケーキ
2位 パフェ
3位 クッキー
だった。「やっぱり甘い味だよね。それに、おせんべいなのに味はスイーツなんて、女子中学生ならではという感じがする」
「でも、季節感というのは大事です。今回の商品は2月に発売することが決定しているから、その時期に合う味を考えてみてくださいね。みんなも冬にすいか味とか、あんまり食べたくないでしょ」
商品をつくる側は「味さえよければ売れる」と思っていても、商品を買う側にとってのプライオリティは「かばんに入る大きさ」とか「手が汚れない」といったところにあるわけです
「ふわっと」と言っているのに、「ふわっと」というネーミングをばっさり捨てて、「ペパっと」やら「ばりっと」やらにしてみたり、「チョコは難しいよ」と言うのに「じゃあキャラメルならできるよね」と言ってみたり……。僕らが制約として捉える壁みたいなものを、中学生は難なく超えてしまうんですよね
「ペパっと」をクラス代表に選んだのは、経験値からの判断です。ペッパー味なら、絶対に売れないということはない。現に毎年夏には「黒こしょう味」の「ふわっと」を出していますから、そこそこ数字はとれるだろうと思いました。それを、3種類のペッパーを使って展開するのであれば、岩塚としては新奇性もある
「中学生や高校生とコラボをして、文化祭でモニタリングをすれば、1200人ものリアルなデータが集まります」という情報だけで、「コラボしたい」と手を挙げる企業はたくさんあるでしょう
ヒット商品の「黒豆せんべい」は、「バリッとしたおせんべいの食感とコリコリッとした香ばし黒豆がたまらない」っていうのがキャッチコピー
市場のニーズに合致していなければ、いくら営業が熱意を持って売っても、「女子中学生」とか「品川女子学院」といったブランドがあっても、結果にはつながらない、という現実を突き付けられた
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『新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?』ROCKGIRLS・編著 澤本嘉光・ツッコミ役 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761268476
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◆目次◆
プロローグ すべてはこの手紙から始まった
第1章 自由な発想大歓迎! 商品開発コラボスタート
第2章 アイデアの種を探そう!
第3章 女子中学生のプレゼンはサプライズの連続!?
第4章 文化祭でお客様の声を聞いてみた
第5章 とんでもない結果発表と大反響の記者発表会
第6章 空回りする女子中学生のプロモーション
第7章 コラボ商品は結局売れたのか?
エピローグ コラボで生まれたとんでもない!? 成果とは。
インタビュー 「あとがき」に代えて
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