【2033年の世界はどうなる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092106
以前、ローレンス・C・スミスの『2050年の世界地図』という本を紹介しましたが、本日の一冊もいわゆる予測本です。
※参考:『2050年の世界地図』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815353
ポイントは、こちらの方が本のサイズが大きく、かつ一目で世界情勢がわかるということ。
世界の人口の予測にはじまり、アメリカ、ロシア、中国、ブラジルなどの各国別のデータ・分析が入っており、どの国が台頭するのか、あるいは勢力を失うのか、一発でわかる内容となっています。
日本人として、以下の記述はじつに悔しいところですが、一定の真実だと思います。
「化石燃料の埋蔵量が戦力投射能力(軍事力を準備、輸送、展開して海外で軍事作戦を遂行する能力)と同等の価値を持ち、人口の平均年齢が若いことが強い競争力を意味する今の世界において、もはや欧州と日本の出番はない」
このように本書には、現在の数字と、未来の世界各国の動向が書かれており、じつに興味深い内容です。
エネルギー問題や食糧危機、地球温暖化、自然災害など、さまざまな問題の現在が、短時間で学べます。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世界人口統計を行なっている国連人口部では、出生率が想定より低くなるか高くなるかで3パターンの統計(上位、中位、下位推計)を発表している。これによると、下位推計(出生率が低いと想定)では、世界人口は2025年に76億、2050年には79億と増加、その後の10年間は減少に転ずるとしている。一方、上位推計(出生率が高いと想定)では、2025年に83億、2050年には104億、その後も増加を続けると見込まれている。そして本書で採用している中位統計では、2025年に80億、2050年に91億、2100年ごろには90億に落ち着くとされている
死亡率と平均寿命には、第1に衛生状態の改善、そして予防接種の普及が大きく関わっており、さらに医療水準の上昇、労働条件の改善も関連している
中国では、耕作可能地、つまり農地として利用できる土地が次第に減少しつつある。元々、耕作可能地は国土の13%にすぎなかったのだが、過去数年間で一気に進んだ都市化と砂漠化(主に北部)のため、いまやわずか7%の農地で世界人口の20%を養わなくてはならなくなってしまった。その結果、もはや中国は穀物の需要を輸入に頼らざるを得なくなっている
国連の推計によると、2050年の65歳以上の高齢者の人口は今の3倍になると見込まれている。1950年には1億3100万人であったのが、現在は5億2300万人に増え、2050年にはなんと一気に14億人に膨らむと考えられている
大国が誕生する地域は、欧米からアジアへ移動していく
ロシアの農業従事者は、中国の農業従事者に比べて、平均して8倍から10倍の農地を所有している。さらに地球温暖化の影響で、中国では北京まで砂漠化が広がっており、逆にロシアでは永久凍土が融解しつつある。このことから、今後もさらに中国で農地が減少、ロシアで増加していくものと考えられ、両国の差はますます広がっていくだろう
現在の推計によると、今後2050年までに世界の人口は約25億人増加し、全員を養える食糧を確保するには、今より農作物収穫量を70%増やさなくてはならない
2033年には、水不足に悩む国は今より増えると見込まれている。現在、アフリカ大陸には世界の水資源の11%が集まっている
現在、世界の森林の70%は、たった10カ国(ブラジル、ペルー、コンゴ民主共和国、インドネシア、インド、中国、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、ロシア)に集中している
経済成長と商品生産とを切り離して考える
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『2033年地図で読む未来世界』 ヴィルジニー・レッソン・著 早川書房
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◆目次◆
第1部 人口を知ると世界が見えてくる
第2部 世界の人口は本当に過剰なのか
第3部 過剰消費の時代
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