【日本に、自動車産業を超える巨大産業があった?】
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先日の札幌講演会の控え室で、『年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方』著者の山地章夫さんに聞いた話。
※参考:『年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方』
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「これから、日本のビジネスはどうなっていくのか?」との質問に、「国際化=海外に出稼ぎ」「内需産業はシニアビジネス」との明確な答え。
そう、いまや65歳以上人口が約3000万人いる日本では、シニアビジネスこそが最大の産業なのです。
なかでも、最有力は「医療」。どんなに財布の紐がカタい高齢者でも、命のためにはお金を惜しまないからです。
本日ご紹介する一冊は、その医療を産業化し、輸出産業化しようと目論む著者が、その持論をまとめた一冊です。
著者の北原茂実さんは、医療法人社団KNIの理事長で、氏の病院では、患者や患者の家族がボランティアをすることにより、患者の自己負担額を月額7?8万円も削減しています。
本書では、氏が自らの病院で実施している革命的な試みと、医療ビジネスで後れを取る日本の現状、今後の改革案までを紹介し、「産業としての医療」を詳しく論じています。
驚いたのは、医療が現在35兆円産業で、自動車産業をはるかに上回る300万人の就業人口を抱えているということ(自動車は200万人)。
これが伸びて50兆円産業になれば、国内に400万人の雇用創出効果が生まれる、というのが著者の主張なのです。
これまで聖域ととらえられていた病院が、かくも潜在力のある産業だとは。そして何より、こんなにビジネスセンスあふれる医師がいたことに驚きです。
今後も国内でビジネスをしていくなら、本書は絶対に見逃せない一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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病院とは、なんと不安で気分の悪い場所なのか。こんな病院で、患者さんが幸せになれるはずがない。いまさらのように気づかされた私は、唖然としてしまいました
現在、私の病院ではトイレの入り口にドアをつけていません。入り口全体を大きなカーブ構造にして、ドアがなくても中が見えないようにしています。また、便器も自動水栓で、用を足したあとコックに触れる必要はありません。水栓も手をかざせば水が流れるタイプにして、とにかく患者さんが直接手を触れずに済む設計を心掛けました
自分が買うかもしれない商品について、不正を働く人はいません
一般には国の予算を食いつぶすばかりの存在として考えられがちな医療ですが、約300万人もの人間が従事する「産業」として捉え直してみると、これほど有望な成長分野もありません。むしろ、うまく輸出産業化することができれば、自動車産業や家電・エレクトロニクス産業を超えて、日本の基幹産業になる可能性さえ秘めています
なぜ、黒字にこだわるのか? 圧倒的な成功事例をつくってみせること。これは、大きな夢を語る人間の責任なのです。しっかりと利益を出してこそ、人は耳を傾けてくれるものだし、そのシステムを評価し模倣してくれます
そもそも家族制度とは、その国の産業構造と密接にリンクしているもの
ボランティアとして働いてもらう代わりに、病気になったときには医療費やその他の費用を減額する。家族が入院したときにも、入院費を減額する代わりにボランティアとして働いてもらう。こうすれば、病院側は人件費を圧縮しつつも質の高い医療を提供できますし、患者さんの側も自己負担を大幅に減らすことができます
◆ワンコイン診療の流れ
まず、駅ビルや大型商業施設など、人の行き来が多いところにクリニックを開設する。患者さんは、専用のチェックシートに書かれた項目一覧のうち、自分が気になる点にチェックを入れる。具体的には、「お酒を飲みすぎている」とか、「外食が多く栄養バランスが偏っている」とか、「がん家系だ」「脳卒中が心配だ」などといった項目です。続いて採血をしてもらい、検査は終了する。所要時間は約5分
日本では薬代を低く抑えること、具体的には新薬を認可しないことによって総医療費の抑制に努めてきました。ドラッグラグの背景には、あまりに少なすぎる総医療費の問題があったのです
タイ政府は国策としてメディカルツーリズム、つまり「医療による観光」を掲げ、国際病院を全面的にバックアップしてきました。現在では、バンコク病院グループやバムルングラード病院など13もの株式会社病院が上場を果たし、年間150万人もの患者が海外から押し寄せています
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『「病院」がトヨタを超える日』北原茂実・著 講談社
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◆目次◆
序 章 医療は日本最大の成長産業だ
第1章 八王子から始まる医療立国プロジェクト
第2章 国民皆保険幻想を捨てよう
第3章 医療がこれから日本の基幹産業になる
第4章 日本人だけが知らない世界の医療産業の実態
第5章 日本医療を輸出産業に育てる方法
終 章 医療崩壊こそ大チャンス
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