2010年11月15日

『経営のやってはいけない!』 岩松正記・著 vol.2308

【経営者ための裏マニュアル】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371126

本日の一冊は、サラリーマンが読むと気分が悪くなる、経営者のための裏マニュアル。

著者は、数多くの起業家を支援し、過去にドリームゲートの東北北海道地区No.1アドバイザーにも輝いた税理士の岩松正記氏。

山一證券で同期トップクラスの成績を収め、数多くのクライアント、そして山一證券自体の失敗も目撃した著者が、会社を潰さないための裏ノウハウを、歯に衣着せずに述べています。

経営でやってはいけないムダ、従業員に期待してはいけないこと、成長企業を襲う誘惑の数々…。

スッキリした表紙とは裏腹に、じつに泥臭い起業・経営のノウハウが書かれています。

通常、起業する際には、企業理念や就業規則、社会保険は必須。できれば助成金を取ったり、営業のために「会」「団体」に入る、というのが一般に言われていることですが、本書では、そのすべてを否定しています。

起業するためには、一切のムダを省き、営業活動に集中すること。会社が小さいうちは従業員に振り回されず、社長自身がしっかりと舵をとること。

そして、たとえ成長しても、上場やおしゃれなオフィスの誘惑に負けないこと。

従業員が読んだら、正直、嫌な思いをしますが、経営者にとっては、じつに現実的な裏マニュアル。

以前、角川いつかさんが『成功する男はみな、非情である。』という本を書かれていましたが、成功する起業家もまた、非情でなければならない、というのが本書のメッセージでしょう。

※参考:『成功する男はみな、非情である。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479301437

————————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
————————————————————

現時点で「成功した」などと言っている人の成功事例を聞く時には注意しなければならない。その背後にある「しなかったこと」に注目すべきなのです

「企業理念なんて大層なものは要らない。大事なのは利益を出せるかどうか。まずは3年間、利益を出し続けなさい。そうすれば、会社の存在意義や企業理念などというものは、後から自ずと出来上がってくる」(エイチ・アイ・エス澤田会長)

「助成金がもらえるから」と必要以上に従業員を雇い入れ、給料の負担に加えて社会保険負担にも押し潰されてしまった会社を、私は数多く見てきました

あらかじめ顧客を用意してから独立した経営者は、ほとんどの場合好スタートを切って順調な経営を行っています

営業に自信のない人は経営者になってはいけない

商売において仲間は不必要

実はゴルフほど営業に結び付く行事は珍しい

休みたかったら社長になるな

共同経営は最悪の選択

「クレーム客を大事にしろ」は大ウソ

大手客は大事ですが従属・依存してしまっては大変危険

自分の会社を潰す方法を一つ一つ「潰していく」ことで、万が一のことがあった場合でも会社は持ちこたえられるはずです

創業メンバーは未来の幹部にはならない

従業員はすぐ辞める

社長の気持ちは従業員には理解できない

辞表は喜んで受け取り、慰留はしない

兄は雇っても弟は雇うな

サラリーマンから起業した場合には、「任意継続」という制度を活用し、社会保険へ即加入することは控えた方が得策

休日出勤していいのは社長だけ

従業員にコスト意識を語るのはムダ

従業員に賞与を支払う義務はない

上場なんて目指すだけムダ

————————————————
『経営のやってはいけない!』岩松正記・著 クロスメディア・パブリッシング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371126

————————————————-

◆目次◆

序章 成功した人の話を聞いてもムダ
第1章 マネジメント編
第2章 人事・労務編
第3章 給与体系編
第4章 会社組織編
第5章 会計・経理・税金編
第6章 ビジネスモデル編

この書評に関連度が高い書評

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー