【悔いの残らない仕事人生のために】
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昨日の放送をご覧になった方はご存じのように、先日、テレビの収録でミスタードラゴンズこと立浪和義さんとお話しました。
一世を風靡した名選手にもかかわらず、じつに謙虚。明確なキャリア戦略を持ち、健全な競争心を持っているけれど、どこにもいやらしさがない。
どうしてこんな人間ができあがるのだろうと思い、読んでみたのが、本日ご紹介する、立浪さん初の自伝です。
いわゆる成功体験モノ、と思って読んだら、決してそうではない。引退間近、代打要員になったときの悔しさや、つらい境遇を経て引退にいたるまでの心情が、事細かに綴られているのです。
われわれ一般ビジネスマンと違って、驚くほど短いサイクルでキャリアが一巡するプロ野球選手の世界。
そこでは、衰退・引退もまたキャリアの一部なのです。
不遇なときをどう過ごすか。若くして成功するためにどんな考え方を持つべきか。
下手なキャリアの本よりも、よっぽど真に迫る、そんな気迫をもった文章です。
「厳しくて当たり前」と思うこと、一流の世界に慣れること、悔しさに慣れないこと、基礎力をつけること、人を羨まないこと…。
人生およびキャリアにおいて、決して忘れてはいけない教訓が、こ
の一冊にまとめられています。
立浪選手のファンはもちろん、そうでない方も、人生の教訓としてぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ドラフト会議で、立浪君を引き当てることができなかったのは、私の不徳のせいです。普段の行いが足りなかった。立浪君には大変申し訳なく思っています」(杉浦監督からの手紙の一部)(中略)杉浦監督ほどの偉大な野球人が、「自分の不徳のために」だなんて、そこまで謙虚に思われる姿勢に頭が下がった
「厳しくて当たり前」という環境でプロ野球生活をスタートしたからこそ、その後もずっと長くやっていけたのだと思う
いま思えば、星野監督は確かに厳しかったが、怒鳴った後に褒める、そのさじ加減がすごく上手かった。星野さんに褒めてもらえる。あれだけ怒ってばっかりの人に逆に褒められたら、うれしかった
(この人のためにがんばらんとあかん)
慣れは重要だ。自分が高いレベルの戦いに放り出されたら、そこでなんとか食らいつこうとする。私は、最初から高いレベルの一軍で勝負させてもらって、鍛えられた
「悔しさをかみしめろ。失敗をしっかり反省して、それから切り替えるんだ」人間は楽な方法を選ぶ場合がある。苦しみをごまかすことを覚え、負ける悔しさから目をそむけるのである。だが、悔しさに慣れる選手は一流になれない。悔しさを真っ直ぐ見すえ、悔しさをバネにできる選手が一流なのだ
プロ1年目、私は毎日厳しい戦いの場で全力を尽くすだけの体力が備わっていなかった
私は、他人を羨む人生を送りたくない。人を羨ましいと思うより、羨ましがられる人になる
◆PL学園の教え
「目上の人の不足を思わない」
「人に意地を張ったり、強情を張ったりするような心を出さない」
自分の好きなことをして、お金をもらって、しかもたくさんのファンの方々に応援してもらえる。こんなに幸せな仕事に自分は就いている。弱音を吐いたら罰が当たる
たくさんの年棒をもらうと、人間が変わる選手が少なくない。周りの人を粗末にしたり、心配りをないがしろにしたりする選手もいる
自分がいかに「できる」と思っても、客観的な評価は違うのだ。もし実力が同じなら、若い選手にチャンスを与えようと考えるのは、野球界ではよくあることだ。自分だけは特別だという考えはもはや通用しない。ついに私もそういう年齢、そういう状況に差しかかったのだ
状況が悪いときに、どれだけ我慢するか。投げやりにならず、いつもどおりにがんばれるかで人間の器を問われる
“あいつさえケガをしてくれたら、オレが出て活躍できるのに”それぐらい思っていないとやっていけない世界でもある。誰かが出たら、誰かが出られないのがプロ野球の日常だ
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『負けん気』文芸社 立浪和義・著
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◆目次◆
はじめに 私が野球を続けてきた理由
第一章 運命<ドラフト会議>
第二章 スタート<新人時代>
第三章 原点<少年期の思い出>
第四章 出会い<PL学園時代>
第五章 気力<1990年代>
第六章 スタッフ<2000本安打前後>
第七章 転機<レギュラー争い>
第八章 決断<2007、8年>
第九章 最後のシーズン<2009年>
エピローグ <第二幕に向けて>
あとがき
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