2010年2月19日

『組織行動のマネジメント』スティーブン・P・ロビンス・著 vol.2041

【世界一の組織行動学の教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478004595

今日は、昨日に続き、とっておきの名著の紹介です。

本日ご紹介するのは、世界一読まれている組織行動学の教科書で、スティーブン・P・ロビンスによる『組織行動のマネジメント』。

12年ぶりの新版登場ということで、もっと話題になっても良さそうなものですが、やはりロングセラー名著というのは、新刊に比べて地味な扱いです。

しかしながら、以前からこの本を知っており、ひさびさに熟読した土井から言わせていただければ、マネジメント分野で、これほど読み応えのある本も少ない。

というより、他のほとんどの本は読まずとも、この本一冊読んでおけば大丈夫、という決定版なのです。

本書に登場するのは、マネジメントに関するさまざまな研究成果と、人間行動のメカニズム。

どこかの企業のマネジャーが体験をもとに書いた本と違い、個人の行動や動機づけがいかにしてなされるか、これまでの組織行動学の英知を結集して書かれています。

どんな職務特性が、従業員にやる気を与えるのか、どんな部下がマネジメントに向いているのかなど、明確な指針が記されており、マネジメント、人事は必読の一冊。

もっと早く読んでいたら…と後悔すること請け合いです。

自分が経営者、マネジャーに向いているかどうか、チェックする意味でも、おすすめの一冊。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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次の三つの行動が従業員の業績を決定づける重要なものであることが証明されてきた(訳注:これはアメリカにおいての証明である)。生産性、常習的欠勤、転職率である

職務満足感につながる重要な要素となるのは、精神的にやりがいのある仕事、公平な報酬、支援的な作業条件、同僚の支え、であることがこれまでにわかっている

取引のスキルを要する仕事(たとえば労働者との交渉)や勝利を得ることに実質的な報酬が伴う場合(委託販売)など、マキャベリズム的な傾向の強い人は成果を上げやすい

自尊感情の低い人は高い人に比べ、外部の影響を受けやすい。また低い人は、他人からプラスの評価を受けることに依存しているため、結果として高い人に比べ、他人から許可を得ようとする傾向が強く、自分が尊敬する人の信念や行動に従いやすい

リスク志向性が高い人は、株式の仲買人として成功する可能性が高い。このタイプの仕事は速やかな決断が必要だからである。一方、こういうパーソナリティは監査などの仕事をする会計士としては障害となるかもしれない。このような職種にはリスク志向性の低い人のほうが適している

タイプAは迅速な行動をとり、質よりも量を重視する。マネジャーにおけるタイプAは、競争心の表れとして長時間労働をいとわず、意思決定を早急に行うため、まずい決断を下すことが少なくない。また、タイプAは創造性に乏しいことが多い

ねたみは敵意や「裏切り」、また他人の成功を捻じ曲げる、自分自身の業績を実際より良く見せようとする、といった形の政治的行動と結びつくことがわかっている

◆仕事における有意義感に影響する「職業特性モデル」
1.技能多様性 2.タスク完結性 3.タスク重要性
4.自律性 5.フィードバック

◆創造性の三つの構成要素モデル
1.専門能力 2.創造的思考能力 3.内発的タスクモチベーション

凝集性は高くても業績規範が低ければ、生産性は低くなる

高業績チームは、集団の一員として働くことを好むメンバーで構成されていることが多い

◆リーダーの力の源泉
・公式の力:強制力 報酬力 正当権力 情報力
・個人的な力:専門力 同一化による力 カリスマ性

◆組織文化の本質を形成する7つの主要特性
1.革新およびリスク性向 2.細部に対する注意 3.結果志向
4.従業員重視 5.チーム重視 6.積極的な態度 7.安定性

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『組織行動のマネジメント』 ダイヤモンド社 スティーブン・P・ロビンス・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478004595
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◆目次◆
第I部 組織行動学への招待
第1章 組織行動学とは何か
第II部 組織の中の個人
第2章 個人の行動の基礎
第3章 パーソナリティと感情
第4章 動機づけの基本的なコンセプト
第5章 動機づけ:コンセプトから応用へ
第6章 個人の意思決定
第III部 組織の中の集団
第7章 集団行動の基礎
第8章 “チーム”を理解する
第9章 コミュニケーション
第10章 リーダーシップと信頼の構築
第11章 力(パワー)と政治
第12章 コンフリクトと交渉
第IV部 組織のシステム
第13章 組織構造の基礎
第14章 組織文化
第15章 人材管理の考え方と方法
第16章 組織変革と組織開発

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