【「書く」人は必読の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344017757
本日の一冊は、毎日新聞社で論説委員や「サンデー毎日」の編集長を歴任し、現在は早大のジャーナリズム大学院で教鞭をとる著者が、その人気の講義内容を本にした一冊。
学生が書いた文章のおかしなところを指摘し、伝わる文章を書くためのポイントを提示する、斬新なスタイルの文章読本です。
文章術の本といえば、谷崎潤一郎の『文章讀本』やスティーヴン・キングの『小説作法』など、数々の名著がありますが、本書はこれらの名著のいいとこどり。
※参考:『文章讀本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120003760/
※参考:『小説作法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901142674/
さらには、著者がこれまでに読んできた文章、会ってきた作家から得られた秘訣も書かれており、じつに価値ある内容です。
講義風の文章スタイルで書かれており、読みやすいうえ、すぐに使える実用性が特長。
具体的には、こんな書き方のアドバイスが盛り込まれています。
・作文は「人プラス物」で書くべし
・小さな不幸の先に共感を用意しよう
・抑制の効いた文章のほうがよく届く
・情景をしてその心を語らしめよ
・「書く」より「聞く」
詳しく知りたい方は、赤ペンチェックを読んでいただくか、実際に買って読んでほしいところですが、著者なら全員が知っておくべき文章ノウハウ、および心構えが書かれています。
いろんなノウハウ書を買って読んでみたが、いまいち活用できていない、という方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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書くということは主観的な作業でありながら、書かれた文章は他者に客観的に理解されなければなりません
有名な俳人、金子兜太さんが俳句の入門書に「感情は象徴的な物に託せば、句に深みも出る」と物をとおした描写をすすめています
小さな不幸の先に共感を用意しよう
文章も演技同様、過ぎたるは及ばざるがごとし
むしろ抑制の効いた文章のほうがよく届く
(城山三郎)氏はつねづね「心情吐露や説明はいらない。描写が大切だ」とおっしゃっていた作家です
「これができたらノーベル賞に近い」と井上ひさしさんがおっしゃる文章、すなわち「自分にしか書けないことを、誰が読んでもわかるように書くこと」を目指そう
子供のころの思いを書いているはずなのに、表現の多くが現在のI君の言葉になっている箇所があります
言葉は、伝わってくる感じ、つまり語感に多くの人が納得すると一般化するもの
情景をしてその心を語らしめよ
書きたいそのことをどう思うかより、そのことを五感がどう受けとめていたかを探ってみる。五感の反応を思い出すことに努めるわけです
見方がユニークで、こういうことは誰も言っていない、書いていないとなると、採点する側も三重丸をつけたくなる
現在─過去─未来の内容が備わってこそ、まとまった情報たり得る
ニュースの現場にいない読者をその場にどれだけ案内できるか。記事によっては当事者の姿や表情も端的に伝えるべきです
比喩というのはごく簡単に言ってしまえば、「他者への付託を通して行われるイメージの共有化」
手あかのついた擬音より、音を想像させたほうが伝わる
気恥ずかしくてさらけ出せない「自分自身」を勇気を持って書いてみよう
間引けば一本一本の花がより鮮やかに見える
事実の取捨選択によって発信される情報はまるで異なる可能性がある
文章は描写文と説明文、そして会話文と地の文がそれぞれの役割をいかんなく発揮し、たがいに補いあえれば、その表現力は映像より勝るのではないか
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『早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣』幻冬舎 近藤勝重・著
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◆目次◆
第1回 文章表現の基本「人プラス物」
第2回 何を描写し、何を説明しないか
第3回 文章をわかりやすくする工夫
第4回 情景描写と心模様
第5回 文章は体験がすべて
第6回 書きたいことの組み立て方
第7回 人物・感情表現法
第8回 五感と比喩
第9回 自分自身をどう表すか─書き出しから終わり方まで
第10回 間と推敲
第11回 「書く」より「聞く」
第12回 事実から真実へ
第13回 文章力がつく読書術
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