【『女子大生会計士の事件簿』に続編登場!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492043624
本日の一冊は、日本一会計をわかりやすく説明できる著者、山田真哉さんが、満を持して出した、税金ミステリー。
ベストセラーとなった『女子大生会計士の事件簿』の続編にあたる一冊ということですが、よくもまあ、税金という地味なジャンルをここまで面白く書けるものだと、尊敬してしまいます。
※参考:『女子大生会計士の事件簿』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234250/
今回の舞台となるのは、私立芙藍(フラン)学園。
なぜか借金を負ってしまい、廃部となったヨット部。そのヨット部に入るために芙藍学園に入ってきた杏莉(アンリ)が、ひょんなことから簿記部の「会計探偵クラブ」に入る。
こんなストーリーをもとに、税金の基礎知識が学べるのです。
日本の税金の基本的な考え方から、税金を安くする方法、会社員が確定申告をして税金を取り戻す方法など、じつに幅広い知識が網羅されており、参考になります。
累進課税と超過累進課税の違いなど、これまであいまいだった税金の知識がスッキリ整理できる、初心者向けの読み物です。
ストーリーとしても秀逸で、楽しみながら税金が学べるのがポイント。
本格的な税金本を読む前に、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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古今東西、「システム」というものは熟知した者だけが得をするものです。商売のシステムしかり、投資のシステムしかり、出世のシステムしかり。税金のシステムも同様です。税金のシステムは知っている者だけが得をして、知らない者は損をします
法人を選んだ場合、法人税がかかるが、税率は30%だ。一方、個人を選んだ場合は所得税がかかるんだが、税率は5?40%と変動する
所得税の他にも住民税が別にかかるので、所得税+住民税の最高税率は50%になる。法人税のほうは住民税や事業税を足しても、最高税率は40%強。そのため、高額所得者は所得税を払うよりも、会社を作って法人税を払ったほうが税金は安くすむ
所得税が増えると単純に税率が上がる「累進課税」ではない。低い税率の範囲から超えた部分にだけ高い税率がかかる「超過累進課税」である
譲渡所得とは、機械や船舶、貴金属などの資産を売ることで生じる所得
税金を払う能力──これを「担税力」というのですが、担税力がある人がその力に応じて税金を支払うのが、負担感が平等になり民主的だ、という立場を採っています
雑損控除……災害や盗難にあったり、横領された人
医療費控除は「所得控除」なので、一番税率の高い人が全員分の医療費を負担したことにすると、もっとも税金が安くなります
◆確定申告をすれば税金が還ってくる会社員 ※一部紹介
・雑損控除がある人
・医療費控除がある人
・住宅ローン控除がある人(最初の年のみ)
・中途退職したまま再就職しなかった人
・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などを提出後に家族
が増えたりした人
税金を減らす方法は「収入を隠す」か「経費を増やす」のどっちかだ
他人にちゃんと仕事用だと説明できれば仕事、できなければプライベート
漁業や真珠貝の養殖、または、本や音楽の印税。これらは売れたときはとてつもなく儲かるが、売れないときはさっぱりな職種だから、納税者有利になっている
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『会計探偵クラブ』東洋経済新報社 山田真哉・著
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◆目次◆
第0話 「そしてヨット部は誰もいなくなった」
第1話 「なぜ、アンリに頼まなかったのか?」
第2話 「終わりなき関係に生まれつく」
第3話 「マリイの秘密」
第4話 「黒幕登場」
第5話 「部員は縦にひび割れて」
第6話 「不死が最後にやってくる」
第7話 「ポケットに無税を」
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