【カリスマウェルチの後継者、初の評伝】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862760635
ビル・ゲイツの後を継いだスティーブ・バルマー、ジャック・ウェルチの後を継いだジェフ・イメルト。
偉大なるカリスマ経営者の後を継ぐというのは、想像を絶するほど難儀な作業だと思います。
本日ご紹介する一冊は、「20世紀最高の経営者」と評されたジャック・ウェルチの後継者として、売上を60%以上伸ばし、利益を倍増させた辣腕経営者、ジェフ・イメルトの初の評伝です。
文武両道の優等生であり、大学ではアメリカンフットボール部のキャプテン、その後はP&Gを経て、ハーバード・ビジネス・スクールに入学と、傍目から見たらエリート街道まっしぐらの肩書ですが、本書ではそのイメルトが、どうやって現在のキャリアを築くにいたったか、その軌跡が書かれています。
業績が上がらず、ジャック・ウェルチに首を切られかけた話、目標達成し、調子に乗っていたら、ラリー・ボシディに「目標が甘かったな」と言われた話など、若い頃の失敗エピソードがいくつも登場し、じつに好感が持てます。
実用面から見ても、GEの買収基準や3つのコアバリュー、行動規範が紹介されており、参考になります。
なかでも、「グロースリーダーに欠かせない5つの資質」は注目。
市場の基準で成功を客観的に定義する「外部志向」はじめ、これからリーダーになるビジネスマンが身につけるべき資質を計5つ、紹介しています。
2代目はもちろん、これからキャリアを築こうと思っている人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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フィニータウン高校で、イメルトは大変な負けず嫌いとして知られていたが、物腰は落ち着いていて、競争心をむき出しにするタイプではなかった。バスケットボールの選手だったイメルトは、チームメンバーがいる前で、コーチに向かって、選手を怒鳴りすぎると指摘した
「いつも誰かが何かのために彼を求めていたし、皆が彼と遊びたがったものです。でも、ジェフは意思の強い人でした。非常階段から友愛会をこっそり抜け出して、学生センターで独り勉強していたこともあります」(ベンチャーキャピタルのパートナーであるクロウ)
ハーバード在学中に、イメルトはGEの入社面接を受け、そこで後の副会長となるデニス・ダマーマンに出会う。ダマーマンは、この若い幹部候補生が、「他の郵便物にまぎれこまない」よう、「マネジャー宛に直接」履歴書を送ってきたことを知り、彼の姿勢に強い感銘を受けた
ワールド・トレード・センターにできるかぎり多くのGE製発電機を提供し、有事にリーダーが守るべき鉄則を守った。「目に見える存在たれ」という鉄則である
「企業の寿命を左右するのは二つの要因だ。一つは業績。そしてもう一つは自己再生能力である」(ジェフ・イメルト)
GEは当初の予想より高い価格を支払うことになったが、二〇〇二年四月、破産法廷の決定により三億五八〇〇万ドルでエンロンの風力事業を落札した。これが、今世紀初頭の稼ぎ頭となり、最も注目されるビジネスの一つになる
「リーダーシップとは、すなわち打たれ強さである。転んでも起き上がり、再び前進することに他ならない」(ジェフ・イメルト)
◆買収の条件
1.その会社が売却対象であること
2.主要製品(あるいは製品群)が長期的に成長する可能性が高いこと
3.GEの事業ポートフォリオや経営・サービス能力にフィットすること
4.価格が適正であること
偉大なる企業は、困難な環境においても、経費削減や再投資不足からアイデアと資本の両面を枯渇させてはならない
スマートグリッド事業を前進させるため、GEはグーグルと手を組んだ
「仕事でミスを犯しても、業績が未達であっても、クビになることはない。だが、倫理に違反すれば、GEにはいられない」
◆グロースリーダーに欠かせない5つの資質
1.市場の基準で成功を客観的に定義する「外部志向」がある
2.戦略を行動に落とし込み、意思決定し、優先順位を伝える
「明晰でわかりやすい思考」の持ち主
3.「想像力」と勇気があり、人材とアイデアの両方でリスクが取れる
4.全員参加と人とのつながりによってチームを活性化し、忠誠心
と責任感を築く「包容力」がある
5.職種や領域の専門性を育て、高度な「専門性」を自信のよりど
ころにして、変革を起こすことができる
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『ジェフ・イメルト GEの変わり続ける経営』英治出版 デビッド・マギー・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862760635
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◆目次◆
第1章 ウェルチを引き継ぐ
第2章 チャンスを活かす
第3章 有事の強さ
第4章 ケガの功名
第5章 状況を把握する
第6章 大きな夢を育む
第7章 イノベーションに投資する
第8章 エコマジネーション
第9章 コアバリューを維持する
第10章 プロセスとしての成長
第11章 学びの環境を創る
第12章 未来を見出す
第13章 種をまく
第14章 ピンチをチャンスに変える
第15章 新世紀のリーダーシップ
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