【お金の奴隷にならない仕事観のつくり方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406282115X
本日の一冊は、ご存じワタミの創業者、渡邉美樹さんによる注目の新刊。
先日も一冊紹介したばかりですが、最近の渡邉さんの本は、社長を退いた後だからか、話が具体的で面白い。
本書も、著者ならではのエピソードがぎっしりと詰まっており、生き方、働き方、稼ぎ方についてたくさんのヒントがもらえる内容です。
興味深かったのは、著者が旧ソ連で体験した、お金の紙くず化現象。
万能だと思っていたお金が、一歩国の外に出ただけで紙くずとなってしまう。著者はこの経験から、お金と距離をもって付き合うことのメリットを知ったといいます。
また、本社が六本木ヒルズにあるのと、大鳥居にあるのと、どっちが格好いいかという問いへの答えも、参考になります。
商売におけるお金の使い方の基本をきちんと押さえている。
こんな人だからこそ、起業して財を成し得たのだと思います。
本書にはほかにも、ワーク=ライフの生き方や、セミリタイア否定論、他人の敷いたルールにとらわれない生き方が説かれており、まさにこれからの日本人の生き方の指針となるべき内容が書かれています。
これからの時代を力強く生きていきたい人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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時代や世間の流れに合わせて器用に立ち回ることが、必ずしも良い結果を生むとは限りません。私はむしろ「変わらない」ことにこそ、本当の強さがあると考えます。時代や世間がどう移ろおうが絶対に変わらない、みずからの「軸」。まず、それがないといけません
つねに変わらない、強い理念を持てば、おのずと自分の中に確固たる「軸」ができあがっていきます。どんな逆境にあっても、それを曲げることなく、貫いていく。その積み重ねが、時代を超える「力」を生み出すのです
「自分のため」を超えることです。皆が皆、自分のためだけを考えて「もっと、もっと!」と追いかけてきた、これまでの時代のパラダイムを超えることです
何もしないのは人に迷惑をかけているのと同じ
金融庁が銀行の貸付先の資産査定にさいして、減損会計を用いた厳しい査定を行うようになったため、中小企業向けの貸し付けが次々と不良債権扱いになりました(中略)なぜわざわざ、こんな会計処理をするのかといえば、じつは、企業を売り買いするのに便利だからです(中略)要するにこのルールは、金融市場で稼ぎたい投資家たちのためにあるのです
社員の一人ひとりが会社全体のことを自分のこととして考えられるようでないと、どんな逆境からも這い上がることのできる、本当に強い企業にはなれません
不景気というのは「お客さまがお金をたいせつにする時代」なのです。だから、ちゃんと価値のある商品を提供していれば、その価値を認めてもらいやすいといえるのです
業界全体で切磋琢磨し、商品やサービスの質が上がっていけば、お客さまがどんどん得をして、幸せになれます。その結果、お客さまが「やっぱり居酒屋っていいな」と思ってくれれば、マーケット全体が大きくなる可能性もあります
よくワタミの社員に、こう言います。「本社が六本木ヒルズにあるのと、この大鳥居(東京都大田区)にあるのと、どっちが格好いいと思う?」と。六本木ヒルズにオフィスをつくると、坪5万円はかかります。大鳥居なら坪1万2000円で済みます。そんなに違うのなら、私はその差額を社員やお客さまのために使いたい。だから、本社はここにした、私はそれを格好いいと思うが、どうだ、と。そこで「大鳥居が格好いい」と思える人しか、ワタミには入社させません
自分が生活に困らないだけのお金を稼いでしまえば、さっさと辞めてしまうというのは、仕事をあくまで必要なお金を得るための手段としか見ていないからでしょう。「お金のためにやりたくない仕事をやっているんだ」という人も多いかもしれませんが、だったらなぜ、「やりたいこと」を仕事にしないのでしょうか?
「どうするか」を教わったら、「なぜ、そうなの?」という根本に対する疑問を持つべきなのです
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『渡邉美樹の超常思考』講談社 渡邉美樹・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406282115X
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◆目次◆
序章 どんな時代でも絶対にぶれない「思考の軸」
第1章 政治を変革する思考法
第2章 経営を成功させる思考法
第3章 お金とつきあう思考法
第4章 仕事で成長する思考法
第5章 価値観を転換する思考法
第6章 教育・福祉に取り組む思考法
第7章 夢をかなえる思考法
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