【ネットビジネスが儲からない理由】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344981359
本日の一冊は、NTTドコモ「iモード」成功の立役者であり、現在は慶應大学教授のほか、ドワンゴ、セガサミー、SBI、ぴあ、トランスコスモスなどの取締役も務める夏野剛さんが、インターネットビジネスが儲からない理由を述べた一冊。
その理由をざっくりと言ってみれば、ウェブ技術が単なるツールだということを忘れて、あたかもそれがうまくいけばビジネスもうまくいくと考えてしまっている点。
それに対して著者は、「商売の本質は、ウェブになっても何ら変わらない」と述べ、「当たり前のことを当たり前にやる」ことの大切さを説いています。
正直、ある程度ネットを使いこなしている人にとっては、既知の内容が多く、退屈ですが、マクロの視点で見て、どんな商売・サービスが流行りそうかと考えるのは、じつに面白いと思います。
あくまでインフラ目線の議論ではありますが、ネットビジネスを手掛ける中小企業社長は読んでみてもいいとは思います。
ノウハウを期待するとがっかりする本です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アマゾンやmixiのように成功する企業が現れると、同じように、新しいウェブの技術を駆使しさえすれば、自分たちのビジネスもうまくいくに違いないと思ってしまう企業が多すぎる
グーグルの提供するサービスが、他と何が違い、突き抜けているのか。それは、徹底的なユーザー目線を貫き通している点だ。既存勢力との軋轢など、まるで恐れない。例えば、プライバシー侵害の懸念による物議を方々で醸した「ストリートビュー」しかり、著作権問題で各国に波紋が広がった「ライブラリ」しかり
成功の秘訣は、SNSが持つ「出会い系サイト」としての力が大きい。皆はあまり認めたがらないが、ハッキリ言ってmixiをはじめとするSNSは「出会い系」だ
個人のユーザーが「知らない人」、しかも「自分の趣味に合っている人」に出会いたいというふうに、条件を絞って人を探すのに、インターネットは抜群に威力を発揮する
例えばグーグルは、広告商品としてアドセンスというまったく新しい形態の広告を生み出した。ではSNSはどうか。いまのところ別段何を生み出すわけでもなく、アフィリエイト、テキストリンク、バナー広告など、従来の広告システムを使い続けているだけだ
自分が情報を入手しやすいということは、自分の情報も入手されやすい
「買い物の最初または途中に個人情報を登録させるサイト」は、最低のシステム
リアル店舗のビジネスを中心にやってきた人と、薬でひどい目にあっている人中心で、どうしてインターネット販売について議論できるのか、まったくもって理解に苦しむ
楽天やアマゾンは、在庫データベースをAPIで公開している。ブログを書く人からアフィリエイトリンクが張れるように、データベースを全公開することで売上を伸ばしているからだ
いまや全日空は個人顧客の60パーセントが「eチケット」を利用
デジタルコンテンツが儲からないのは、もともとのプライシングを間違えているからだ
今度は試しにネット広告を占拠した「ネット・ジャック」なるものを、どこかの会社が一度やってみればいいと思う
現金はリアルな場面でしか使えないが、電子マネーは両方で利用できる
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『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』幻冬舎 夏野剛・著
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◆目次◆
第1章 日本のウェブビジネスはなぜ儲からないのか
第2章 ウェブビジネスを成功させる鉄則
第3章 ウェブビジネスの未来
第4章 旧来型日本企業への提言
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