【いまこそインターネットを捨てる時】
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思えば中学時代、土井にはライバルがいました。T君という人で、テニスにおいてはダブルスのパートナー、勉強においては学年で1番、2番を争うライバルでした。
あれは高校入試の1年前ぐらいからでしょうか。
土井とT君は、男のくせに毎晩のように電話をするようになりました。
話の内容は、勉強についてです。
英語、国語、数学、理科、社会、あらゆる科目に関して、お互いの疑問を投げ合い、わからないところは一緒に解決していく。
このプロセスを通じて、土井は勉強がすっかり好きになりました。「考えることの喜び」を知ったのです。
一方、最近のビジネス書を読むと、そのほとんどは答えを書いているものばかりで、考えるプロセスの大切さに触れていません。
既存の知識は、インターネットや書籍で手に入る。でも、人間にとって大切なのは、既存の知識を使って考え、未知なるものを生み出す努力、つまり思考力なのではないでしょうか。
本日ご紹介する一冊は、河合塾の人気講師が、地学の視点から、われわれに考える力を授けてくれる一冊。
「スローシンキング」とはいかにもゆるいネーミングですが、実際の内容は、過去の天才科学者たちの思考法であり、ビジネスにおいても多くを学ぶことができます。
なかでも、共感できたのは、「新しく得た知識と自分の知識との間に『違和感』を見つける」という視点。
気づかないところに疑問はない。疑問のないところに思考はない。思考のないところに発見はない。
仕事において成果を出そうとするなら、今すぐインターネットから離れ、思考することを始めたい。
その一歩として、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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見た目が「わかりやすい」本というのは、結果を寄せ集めただけのものに過ぎません。「なるほど、そういうことなのか」「なるほど、こう答えればいいのか」と、納得する”結果”はたくさん載っていても、「なぜ、そういうことなのか?」「なぜ、こう答えればいいのか?」という”思考のプロセス”を読み手が掘り下げることが困難になっているのです
自分で答えを導き出せた時こそ、自身にとって大きな自信が生まれる瞬間
自ら考えて結論を導き出すプロセスこそが大事なのであって、勇気を出して答えればいいのです。悪い間違いなどというものはないのですから
もともと自然というものは、私たちの考えのおよばないくらい大きなスケールをもっているもの。それを、ふだんの私たちの限定された思考の枠組みでひとまとめに把握しようなどというのは、しょせん無理な話なのかもしれません。「真実」はいつも、とても人間が把握できないほどのスケールで存在しているものなのです
フーコーの振り子の実験は、当時の科学者たちなら誰でも当たり前にわかるような簡単なものでした。しかし、フーコーが実際に実験するまで、誰ひとり、その「当たり前」に真剣に取り組んでみようと思い立った人がいなかった
初めての人は、どこを見ればいいかわからないからこそ、無意識に目に入るものをひとつひとつしっかりとキャッチできている
◆偉大な科学者たちの「考えるプロセス」
1.好奇心をもって、「種々雑多な物事」に触れる
2.新しく得た知識と自分の知識との間に「違和感」を見つける
3.生まれてくる疑問をどんどん「疑問の箱」に放りこんでいく
4.疑問の中から基準を見つけられたものを「関連づけ」ていく
5.関連づけられた情報を「情報の棚」に整理する
知ろうと思えば知ることができることを、知っている。だから、それ以上考えようとはしない
「スケールの異なる類似性」には、新しい価値が生まれる可能性がたくさん詰まっている
人生の時間の区切り方というのは決してひとつではない
目の前に用意されている近道を進んでゴールを目指すよりも、多少険しくても自分の道を進んだ方が人生はずっと面白い。プロセスを味わうことこそ、人生の醍醐味なのですから
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『スローシンキング』サンマーク出版 安藤雅彦・著
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◆目次◆
プロローグ
第1章 便利さがもたらした「思考の近眼化」
第2章 「考え方のメガネ」で見えなかったものが見えてくる
第3章 「回り道」を「近道」に変えるスローシンキング
エピローグ
あとがき
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