【大前研一vs船川淳志、夢の対談】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569709400
本日の一冊は、経営コンサルタントとして数多くの経営者を指導・観察してきたカリスマ2人が、「グローバルリーダーの条件」について語った対談集。
基本的に対談は内容が薄くなるので好きではないのですが、この対談は、示唆に富んだ内容と、本音トークが炸裂ということもあり、かなり楽しく読むことができました。
「百ます計算」の某氏を「一問一答の世界で、文部科学省の手先」と批判し、竹中平蔵氏を「輸入学者」といって叩く。
ライブトークさながらのざっくばらんなトークで、思わず「ここまで書いていいのか」と心配してしまうほどです。
個人的に読んでいて面白かったのは、戦後の経営者が自分にリミットを設けなかったから伸びたという大前氏のコメントと、「今、時代が求めているのは『価値ある異才』」と述べた船川氏のコメント。
最後に、「リーダーの持つべき資格は社会性」と大前氏が述べているのも印象的でした。
内容が役立つ、役立たないという点ではなく、自分自身が本書にモチベートされたという意味で、おすすめの一冊です。
自分の視野を広げる意味でも、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ベストセラーとなった「フラット化する世界」の中で、トーマス・フリードマンは、主役が国家であった時代の「グローバル化1.0」、企業にかわった「グローバル化2.0」を経て、今やその主役は個人である「グローバル化3.0」の時代に突入していると述べている(船川)
◆グローバル人材になるためのファンダメンタル(船川)
1.自分の頭でしっかり考え、
2.それを相手に伝わるように明確に伝え、
3.今度は相手の言うことを全身全霊で聞きとり
4.コラボレーション、共同作業をする
「ワールド・イズ・フラット」になった時、多様性の対極にあるのが人の価値観です。実は、人の価値観は非常に似てきている(大前)
歴史をずっと見てみると、人間の不幸というのは結局、差を強調して大きくなっている。だから、ある程度の共通項を見出していくことが大切(大前)
異質なものが、ある共通の目的に対して働いた時に、従来と非常に違うものが生まれる。だから、類は友を呼んじゃいけないし、群れちゃいけないんです(大前)
尺度がない。自分自身で天井を持っていなかった。それが、戦後の日本があれだけの仕事ができた理由なのかなと私は思う(大前)
人の言うことだけをやっていると、そういうインクジティブ・マインド(探究心)がなくなってしまうわけです。それをずっと続けていると、人にそれを説明したり教えたりする側になった時に、悪い伝統の伝承者になってしまう(大前)
ポイントは「マインド」であって「ブレイン」ではない。つまり、もって生まれた脳そのものの良し悪しというよりは、その活用や開発が重要(船川)
自己主張はするけど、固執しない。柔軟に相手の見解に対応するけれど、流されない。そういうバランスのとれたコミュニケーションを行ったチームが高いシナジーを出しているんですよ。それを支えるためには、まさに信頼関係が必要なんですね(船川)
今までは情報が価値を生んだけれど、これからはコモディティになる。みんながその情報を持つようになったときに、きちんとした判断ができる人間を何人作ったかで、国の力が決まる(大前)
今、時代が求めているのは「価値ある異才」(船川)
私が第一に挙げるリーダーの持つべき資格は社会性です(大前)
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『グローバルリーダーの条件』PHP研究所 大前研一、船川淳志・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569709400
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◆目次◆
まえがき 大前研一
序 章 求むグローバル人材! 船川淳志
第一章 AG25年――グローバル化の「これまで」と「これから」
第二章 日本企業のボトルネック
第三章 「個」を解放せよ! そして覚悟せよ!
第四章 考える力を伸ばすには
第五章 たかが英語、されど英語
第六章 日本の組織は何をすべきか
第七章 全球化:もう一つの課題
あとがき 船川淳志
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