2009年1月11日

『理系アタマのつくり方』四ッ柳茂樹・著

【今、ビジネスマンに欠けている能力とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763198831

最近のビジネス書のトレンドを見ていて、危惧していることがひとつあります。

それは、こんなにわかりやすいものばかり読んでいて、考える能力が衰えはしないか、ということ。

土井が考えるに、情報化時代に生きる若いビジネスマンには、2つの能力が欠如しがちです。

その能力とは、「抽象化する力」と、「実験する遊び心」です。

どんなにビジネス書をたくさん読んでも、その情報をいったん抽象化して、自分のケースに当てはめ、具体化しないと応用は利きません。

これができない人は、勝間さんがすすめているグッズを買ってそれだけで満足してしまいますし、株本を読んでも推奨銘柄をそのまま買って損してしまいます。

また、実験する遊び心がないと、リスクを恐れていつまでも行動しませんし、失敗してもその結果を将来に生かすことができません。

このことを指摘したのが、本日ご紹介する『理系アタマのつくり方』です。

著者は、起業支援で有名なドリームゲートのNo.1アドバイザーで、京都大学大学院、NTT研究所を経て独立した人物。

NTT時代には2年間で特許を12件も提出した、「理系アタマ」を持つ起業家です。

本書は、そんな著者が、「理系アタマ」のつくり方を指南した一冊。

理系アタマを構成する4つの法則「LACE」(論理力、抽象力、計算力、実験力)を、新米社員国分君と社内のマッドサイエンティスト、中川さんとのやり取りのなかで学べる、ストーリー形式の読み物です。

レベル的には、20代の若手ビジネスマン向けですが、論理思考の基礎を押さえるという点で、役立つ一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆理系的な思考プロセスに欠かせない4つの能力
1.論理力(Logic)
2.抽象力(Abstraction)
3.計算力(Calculation)
4.実験力(Experimentation)

「なぜ」を繰り返すことで、「真の原因」が見えてくる

確率が100%なのは、もともとルールが完全に決まっているときだけ

「演繹」とは、いくつかの決まりがあって、それを組み合わせて結論を出す方法のこと。それとは反対に、結論や結果から、もともとの原因や決まりをたどっていく方法が「帰納」

三段論法とは、「すべてのAはBであり、すべてのBはCであるとき、すべてのAはCである」という論理的な思考経路のこと

「傾向」を調べるためには、より性質の近い商品のなかから、共通の「ルール」を見つけ出すことが大事

ルール化するといくつかパターンができるから、そのパターンに当てはまるかどうかだけを判断すればよくなる

まとめたものに名前をつけておくことで、分類しやすくなる

◆グループ化の手順
1.全体のなかから、特徴がよく似ているものを結びつけてグループにする
2.できたグループ全体を見て、残ったものをこれらのグループの
なかに分類できるようであれば、グループのなかに入れる
3.残ったものを、新しくいくつかのグループに分類できないか考えてみる
4.最後まで残ったものをどこかのグループに入れるようにする、
あるいは「その他」グループにする

「塩分を含む」「塩分を含まない」のように、何かが「ある」「ない」を分類の軸とすると、すべてのケースを網羅することができます

32×0.25
=(32÷2)×(0.25×2)
=16×0.5
=(16÷2)×(0.5×2)
=8×1 =8
ややこしい少数はキリのいい数字になるように掛け合わせて、その分もう片方を同じ数字で割ればいい

まず仮説を立てる段階から、検証できるように、あとから振り返れるような仮説を考える

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『理系アタマのつくり方』サンマーク出版 四ッ柳茂樹・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763198831
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◆目次◆

プロローグ
第1章 「なぜなぜ坊やになろう!」(論理力1)
第2章 「風が吹いても桶屋は儲からない」(論理力2)
第3章 「自分法則を発見しよう」(抽象力1)
第4章 「パターン分けしてみよう」(抽象力2)
第5章 「難しい暗算はやめよう」(計算力1)
第6章 「目安を知ろう」(計算力2)
第7章 「早食いは儲かる?」(計算力3)
第8章 「とにかくやってみる」(実験力1)
第9章 「同じ失敗を繰り返さない」(実験力2)
第10章 「終わりのない楽しさを味わう」(実験力3)
エピローグ
おわりに

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