2009年1月18日

『世界で戦うキャリアづくり』脇若英治・著

【グローバルキャリアのつくり方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478006776

本日の一冊は、世界のオイルメジャーで活躍した初の日本人、BPジャパン社長の脇若英治さんによる、注目の一冊。

氏の少年時代から、三井物産でのキャリア、MBA時代、BPに引き抜かれ、抜擢されるまでをつづった一冊で、グローバルなキャリアを目指す人の指南書として、下手なノウハウ書よりも数倍参考になります。

「小さな完成人」ではなく「大きな未完成人」を目指すという心構え、キャリアを12年周期でとらえる考え方、転職の際には会社、勤務地、仕事内容の3要素を一気に変えないなど、具体的なアドバイスが目を引きます。

そして、何よりも伝わってくるのは、著者のビジネスやトレードに望むストイックな姿勢です。

優れた師に学ぶ素直さと、かかわる人を大事にする気持ち、そしてその上で忘れないハングリー精神。

最近は、ワークライフバランスだの、ワークライフアンバランスだの、いろんなことが言われていますが、問題はハードワークや労働時間ではなく、その根っこにある精神でしょう。

何のために働くのか、迷ったら、ぜひ本書を読んで元気を分けてもらってください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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山に登ればどうなるか。それまでとは違う景色が広がるのである。その山に登らなければ見えなかったものが見えてくる。そして山に登ると、また新しい山が見える。私はそれをまた登ってみようと思った。そうすると、さらにまた山が見えるのだ

競争が厳しい環境で苦しい状況に置かれるよりも、無理をしないところに行って自分を自然に伸ばす。そのほうが、間違いなく伸びる

トレーディングは麻雀とは違いギャンブルではない。だが、大事なことが似ていた。もちろん勝つことも大事。だがトレーディングも麻雀も、いかに負けを少なくするかがもっと大事なのだ

会計、つまりアカウンティングは、ビジネスの基本言語なのだ

普通では考えられないようなことをやって、成功しているケースがある。一方で、当然こうするだろうと思われることをして、失敗している事業もある。答えはひとつではない。ひとつの答えに固執してはならない

そもそもビジネスは対等の人間関係が基本であるはずだ。下手に出て相手を喜ばせることよりも、対等な立場で信頼関係を築くことのほうが大切なのではないか

トレーディングというのは、マーケットにおける不均衡を開拓することにある、と彼は語った。原油のトレードは、基本的に三つしない。モノのクオリティのスワップか、タイミングのスワップか、ロケーションのスワップか。この組み合わせで取引をするのだ

トレーディングの仕事には、四つの能力が必要である。まず情報収集。それから分析。そして意思決定(決断)、最後が実行である

「売る」「買う」という決断以外にもうひとつ重要かつ、忘れられがちな意思決定がある。それは「Do Nothing(何もしない)」という決断である

私が特に若い人にアドバイスをしているのは、三つの要素すべてを変える選択は控えたほうがいいということだ。会社も変える。勤務地すなわち自分の住居や生活も変える。仕事内容も変える。この三つすべてを変えてしまうと、かなり負担は大きい

金銭授受の役割の違いだけで、相手を人として無意識に尊重できないような人は、グローバルの場でも通用しない

「小さな完成人」を目指すのではなく、「大きな未完成人」であってほしい

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『世界で戦うキャリアづくり』ダイヤモンド社 脇若英治・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478006776
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◆目次◆

プロローグ
第1章 最初から大きな目標を立てる必要はない
第2章 相手によって態度を変えない
第3章 仕事に必要な四つの思考プロセス
第4章 人生は一二年周期で考える
第5章 グローバルで活躍する人は、余裕がある、スケール感がある
第6章 リーダーシップとは信頼関係をつくる力
第7章 「ありがとう」と言える人になる
第8章 リーダーとしての基礎体力が必要
エピローグ 日本人であることこそ、グローバル人の原点である

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