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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313244
本日の一冊は、40年を超える飲食業界のキャリアのなかで約30種類のレストランを作り、合計100億ドル以上の売り上げを生み出した稀代のコンセプト・クリエイター、フィル・ロマーノによる一冊。
日本ではまだあまり知られていませんが、著者が手掛け、大ヒットとなった「イーチーズ」は、近年の日本の惣菜チェーン店やデパ地下の繁栄に大きな影響を与えたようです。
「今では世界で毎日二〇万人以上もの人々が私の作ったレストランで食事をしている」という著者の言葉を紹介すれば、その影響力がいかにものすごいかわかるのではないでしょうか。
本書は、そんな著者が半生を振り返り、これまでに仕掛けてきたレストランとそのコンセプト、奇想天外なPR方法を披露した一冊です。
多くのカリスマ起業家同様、著者も幼い頃からビジネスの才能を開花させていますが、おもしろいのは、父親から受けた影響がそのままビジネスに落とし込まれている点です。
天才的なコンセプトメイキングで知られる著者ですが、そのアイデアさえも心構えや信念から生まれる、と知り、とても嬉しくなりました。
鍵がないと入れないお店、月に一度は全員がタダになるお店、王様をもてなしたことで大ブレイクした話…。
いずれのエピソードも、読者を興奮させるには十分です。
飲食業界に携わる人はもちろんですが、画期的なアイデアを考え出すヒントが欲しい人、儲けるためのアイデアが欲しい人はぜひ読んでみることをおすすめします。
久しぶりに読み応えのある本が出てきましたね。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私の場合、趣味も職業も心から愛することも、すべて同じひとつの
ことなのである。それは、レストランを作り、そこに命を吹き込ん
で、お客様の暮らしをほんの少し豊かにすること。今に至るまで私
は、その大好きなことをやめていない。相も変わらず子供のように
興奮した目で世界を見ている
つまり、父はこう言いたかったのである。「フィリップ、人と違う
差異化ポイントをもて。自分らしさを忘れてはいけない。ありきた
りなことをするな。世間をあっと言わせろ。何をするにしても、ほ
かの誰よりうまくやれ」じつに素晴らしいアドバイスではないか。
これが今でも私の生きる指針となっている
天気が悪い日は、玄関の二重ドアのあいだに新聞を入れておこうと
思うが、そうしたらチップをくれないだろうか。雪が降っているの
に玄関の外に新聞を置いていくなんて、たとえ仕事のうえでは間違
っていなくても、人として正しいとは思えなかったのだ
「自分の店」のように感じられることは、お客様がバーやレストラ
ンに求める重要な要素の一つ
私は地元の新聞社に電話して、食を担当する女性編集者にこう水を
向けた。「王様にお出しするご馳走を見たことがありますか?」
レストランビジネスでは、一食たりとも気を抜いたら終わりだ
ベンチャー・キャピタリストとしては、二つの点を見極めなければ
人のアイデアに投資はできない。一つは、そのコンセプトがユニー
クなものかどうか。もう一つは、そのコンセプトを形にする能力が
発案者あるかどうかだ
機械の部品と同じで、動く部分が多ければ多いほど重大な故障が起
きやすくなる。負けをいつ認めるか。その引き際が肝心だ。だが、
もっと大切なのは、失敗から何かをつかみ取ってもち帰る――いわ
ばテイクアウトする――ことである
勘定をしてくれと言われたとき、私は伝票のかわりに手紙を渡した。
こう書かれている。「私はレストランのビジネスをしております。
この仕事が大好きです。一つだけ気に入らないのは、お客様に伝票
をお渡ししなければならないこと。そこで、月に一度、どこかの月
曜か火曜の夜だけは、私は心から楽しもうと思います。どなた様か
らもいっさいお勘定はいただきません」
お客様の行動にはどういう理由があるのか。それを見極めるのが自
分の仕事だといつも肝に銘じている
個性を失わないようにするには、規律を守ることが何より大事
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『外食の天才が教える発想の魔術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313244
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┃▼目次▼
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┃ プロローグ
┃ 第1章 少年時代
┃ 第2章 青年起業家への道
┃ 第3章 レストランビジネスの世界へ
┃ 第4章 フロリダでの大成功
┃ 第5章 一味違ったメニューを求めて
┃ 第6章 いざテキサスへ
┃ 第7章 ハンバーガー革命
┃ 第8章 ベンチャー・キャピタリストとしての成功
┃ 第9章 失敗と教訓
┃ 第10章 本物のイタリアンレストランを
┃ 第11章 小休止と啓示、新たなる意欲
┃ 第12章 さらなるコンセプトの実験
┃ 第13章 妹に捧げるイタリアンレストラン
┃ 第14章 HMR(ホームミール・リプレースメント)を超えたHMR
┃ 第15章 失敗と教訓
┃ 第16章 息子に捧げるステーキハウス
┃ 第17章 家なき人々にもおいしい食事を
┃ 第18章 ニューヨーク最高のレストランが西部へ
┃ 第19章 あくなき創造力
┃ エピローグ
┃
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