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本日の一冊は、社内ベンチャーが盛んなリクルートの出身で、現在、インキュベーション事業を営む著者が、「企業内起業」成功の秘訣を論じた一冊。
今さら例をあげるまでもなく、セブン-イレブン、アスクルなど、企業内起業は、近年目覚しい成果をあげているわけですが、その一方で、失敗に終わってしまったケースも山ほどあります。
企業内起業の成否を分けるのは一体何なのか。本書のなかで著者は、これまでに30社以上を支援してきた経験から、企業内起業の見えざる阻害要因をあげ、失敗を未然に防ぐためのチェック項目を提示しています。
また、実際の成功例をあげながら、なぜ彼らが成功できたのか、どうやって事業を展開すれば儲けられるのかなど、興味深い視点がいくつも示されています。
なかでも心しておきたいのは、企業内起業にチャレンジした人たちに対する権限委譲と処遇、そして本業と新規事業との整合性。
これらのポイントを外したために失敗した事業は山ほどあり、それだけに無視できない内容だと思います。
具体的なプロジェクトの進め方や、通常の起業との相違点など、突っ込みが足りない感はありますが、企業内起業で成功するためのポイントはよく押さえられていると思います。
大企業の幹部や、これから企業内起業で一発当てようと思う若手ビジネスマンは、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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企業内起業は、有能な人材を競争相手に奪われないという面でも有
効である。有能でエネルギーのある人材ほど、新しいビジネスにチ
ャレンジを求める。そうした情熱に溢れた人には、ぜひ企業内起業
のチャンスを与えるべきだ
企業内起業を盛んにしていくためには、チャレンジして仮に失敗し
ても、その人に対する公平な人事評価や、次につながるキャリアパ
スが必要だ。つまり、チャレンジした人を全社をあげて認め、賞賛
することが大切なのだ
社内調整をできるだけ少なくさせることが、新規事業を行ううえでは重要
「新」という字は、立つ木に斧(おの)と書く。たとえば、警備会
社のセコムは、警察の領域に斧を入れて新サービスを創造した事業
会社である。また人材紹介のリクルートエージェントやインテリジ
ェンス、パソナなどは、職安に斧を入れて人材紹介事業サービスを
創造していった。時代の変化、進化の中で、今ある事業の本質的な
ものが様々な形態に変わることで、新規事業は生まれてくる
下駄屋が靴屋に変わっていった例はほとんどない。着物を着なくな
ったからといってしまえばそれまでだが、果たしてそれだけだろう
か。下駄屋さんは、なぜ靴屋さんになれなかったのだろうか。下駄
も「履物」、靴やスニーカーも「履物」である。自分たちの業は
「履物屋」という自覚があれば、下駄にこだわった行動はとらなか
ったはずだ
◆新規事業の4つのタイプ
1.多角型 2.市場開拓型 3.技術開発型 4.公募参加型
◆新規事業の3つの展開方法
1.垂直展開 2.水平展開 3.メディア転換
起業する場合に、最初からともに仕事をしたいメンバーを人事異動
してくれるようにと、経営側に同意をとっておくことができれば良い
お金を引っ張ってくるのは担当役員、使うのは起業チーム。こうし
た関係が築ければ、起業プロジェクトチームは本来の事業開発に全
力を注ぐことができる
人事制度や給与体系も本体と別立てにする
できることなら本業と整合性のある起業を考えたほうがよい
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『「新規事業」はどうすれば育つのか』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第I部 「企業内起業」のすすめ
┃ 第1章 新規事業が失敗し続ける理由
┃ 第2章 その事業テーマはぶれていないか?
┃ 第3章 事業を孵化させる仕組みをつくる
┃ 第II部 「企業内起業」を成功させるステップ
┃ STEP1 事業コンセプトの策定
┃ STEP2 事業計画の策定
┃ STEP3 スタートアップ
┃ おわりに
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