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本日の一冊は、東京都児童相談センターの心理司として、年間100家族以上の相談や治療を受け持っているという著者が、学校でのいじめの実態と、いじめへの対処法を明らかにした注目の一冊です。
ビジネス書ではないので、本来BBMで扱う内容ではないのですが、日々仕事に追われている親が見過ごしがちないじめの兆候が見事にまとめられていること、親にもできる現実的な対処法が書かれていること、また同様の問題が職場でも起こる可能性があるということで、特別に取り上げることにしました。
さすがに大勢の子どもたちと向き合ってきた著者だけに、テレビなどでの表面上の議論にはとどまらず、陰湿ないじめの実態、子どもたちが陥りがちな心理状態、行動パターンなどが明確に示されています。
教室で実際に行われているいじめの手段は、卑劣かつ野蛮であり、大人でも吐き気を覚えるほどです。
子どもから事実を聞きだす際の注意点やテクニック、心のケアなどについてもじつにうまくまとめられています。
土井は教育問題の専門家ではないので私見についてコメントは避けますが、このいじめの問題には、現在の社会の問題点が凝縮されているように見えてなりません。
それが教室であろうと職場であろうと、集団サディズムはどこにでも起こる問題です。
健全な教室、職場作りのために、また人間関係のあるべき姿を考えるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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家庭内で虐待を受けていて、様々な症状が出ているにもかかわらず、
困っていること、つらいことは何もない、と言う。お母さん、お父
さんは優しいよ、と言う。それなのに、家庭のことについて具体的
なエピソードを何ひとつ語れない
「学校で、いじめられていると思う時はある?」これはひとつの聞
き方である。いじめがあるかどうかの事実は聞かずに、いじめられ
ていると感じる瞬間があるかどうかを聞く
被害にあっている子は必死でいじめられている事実を隠そうとする。
わかってしまったら、もっといじめられると思っているからです
いまのいじめは、大人には見えないように行われている
いじめの解決に取り組むのと、責任を追及するのを同時に行うのは無理
体操服をなくした1週間後に、授業中、サッカーで転んで怪我をし
たことで、親はいじめを疑うだろうか。保護者会のプリントをなく
したことをいじめに結びつけるだろうか。食欲が落ちたから、食べ
ると吐くからといって、いじめを疑うだろうか
いじめに関する相談の中には、メールを使って誹謗中傷するパタン
は非常に多い。本人の知らないところで、すさまじい勢いで噂が広まる
多くのいじめのパタンで、加害者たちは被害者が「いじめられるに
値する人間なのだ」という理由を作ろうとする
女の子同士のいじめで顕著なのは、「バレたら、あんたのせいだか
らね」「その時はもっと、ひどい目にあわせるからね」といじめの
発覚を防ぐ「義務」を被害者に徹底して負わせてしまう点にある
我が子がいじめにあっているかもしれない、と感じた時、最初にや
るべきことは、学校を休ませることである
いじめ根絶への取り組みは、子ども達に、悪いことをすれば必ず発
覚し、ペナルティを受けるのだという社会のルールを教え、いじめ
が許されるという歪んだ正義がまかり通っていた子ども社会を、秩
序のある社会に立て直すという取り組みである
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『教室の悪魔』
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■目次■
第1章 「いじめ」は解決できる
第2章 大人に見えない残酷な「いじめ」
第3章 なぜクラス全員が加害者になるのか?
第4章 「いじめ」を解決するための実践ルール
第5章 「いじめ」に気づくチェックリスト
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