2006年10月18日

『グズな大脳思考デキる内臓思考』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756910254

本日ご紹介する一冊は、おそらく自己啓発の世界に大きな波紋を呼
ぶ問題作です。

というのは、本書は、成功法則や潜在意識、右脳教育、NLP、イ
メージトレーニングといった、近年、自己啓発書の世界で当たり前
に主張されているロジックを、完全否定しているからです。

自己啓発セミナーの教祖的存在、アンソニー・ロビンズまでもが丸
裸にされており、この手のビジネスで飯を食べている人にとっては、
脅威的な一冊となるでしょう。

著者は、脳神経外科の専門医(医学博士)で、自身、これまでに数
多くの自己啓発書を読んできて、科学的に間違い、あるいは証明さ
れていないものが多いことに気づいたといいます。

本書の議論のなかでもとくに興味深いのは、脳と内臓、どちらが
「主」でどちらが「従」か、という問題。

従来の考え方では、脳はすべてを司るものであり、それゆえに「脳
を鍛える」「考え方を変える」というアプローチがとられてきたの
ですが、著者が述べているのは、じつは内蔵こそが脳の主人である、
という考え方。

確かに、「系統発生学・形態学」の立場から考えれば、内蔵が「主」
であるというのは、十分納得が行くわけで、それだけに興味深い議
論です。

本書は、これまでの脳偏重の自己啓発書に警鐘を鳴らし、本来の主
人である内臓の立場から、成功するために効果的なアプローチを説
いた、これまでにない新しい自己啓発書。

自己啓発好きには、目からうろこの一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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論理的思考こそが、うまくいかない原因

成功する人の生い立ちや環境は、千差万別です。ただし、一般の人
ができないような経験を経ている点で共通していると言えるでしょ
う。成功する経営者は、そこで養った独特の嗅覚を持ち、それぞれ
が独特の「内臓思考」を持っています。この鋭い感覚を駆使して、
今までなかった新しいことを創造できるのが、「成功者」と言われ
る人々です。ですから、成功法則を普遍化しようとすること自体に
矛盾があるのです

人間は、自分にとって都合のよい環境下で、次々と創造的になれるもの

「成功法則」をうのみにすることは、あなたの独自性が奪われるということ

芸術家や、大脳新皮質に傷害のある人たちの中には(サヴァン型自
閉症など)、キャンバスから飛び出してくるようなイキイキとした
リンゴを描きます。これは、目の前にあるリンゴの個性を、細部ま
で知覚できているからです。一方、思考が抽象化している私たちは、
目の前のリンゴを描いても、一般的なリンゴ像の域を出ません。ど
ちらかというと、平面的な絵を描きます

人間にとって全く新しいものを見るというのは、実質的に不可能

往々にして「イメージトレーニング」はうまくいきません(中略)
むしろ何もイメージせずに、脳を静かに休めることが、私たちの生
命力の根源である「内臓思考」につながるのです

NLP理論は、大脳新皮質に頼る「大脳思考」の典型例

潜在意識というものは、現代のサイエンスでは全く検証されていな
いのが実情

動物の基本構造は、中心が植物性の内臓で、後からそれらを取り囲
むように動物性の脳・神経・筋肉ができた

理性的な判断をするのには、情動や感情という土台が不可欠なので
す。逆に言うと、情動や感情がなければ、健常な「思考」ができま
せん(中略)考え方だけを操作してみたところで、それが私たちに
正しい方向性を与えてくれるとは限らないのです

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『グズな大脳思考デキる内臓思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756910254
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■目次■

Chapter1 「頭がいい人」は論理で考えない
Chapter2 「頭がいい人」になるためのトレーニング
Chapter3 なぜ「ハラで考える」ことが大事なのか
Chapter4 「ハラ」を鍛えて、内臓のチカラを引き出そう
Chapter5 「内臓思考」はこうして実践する

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