2005年10月31日

『東大で教えた社会人学 お金に学ぶ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163675701

本日の一冊は、草間俊介さんと、失敗学で有名な畑村洋太郎さんが、東大工学部の人気講義を単行本化したものです。

社会人でもわからない、あるいはわかっていても実践できないお金のルールを、わかりやすく説いており、じつにためになります。

内容はそれぞれ、稼ぐ、使う、借りる、貯める、といった項目別にまとめられており、いかにしてお金と付き合うべきか、社会人の視点からまとめられています。

著者自身も認めているように、若干主観が過ぎるところもありますが、若いうちにここまでざっくばらんにお金の話をしてもらったら、変な夢想主義に陥らずに済むのではないかと思います。

日本が本格的に資本主義になっていこうとしている今、ぜひ読んでおきたい「お金の教科書」です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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近年自殺する人は年間三万人を超えているが、経済・生活問題からの自殺が八千人以上

豊かな家庭の子供だけがいい教育を受けられるという形で、社会の階層化が世代を超えて進展することになる

収入以上に使えば必ず金銭的に破綻する。だからお金は手に握った確実なものしか使わないことを原則としたほうがいい

金持ちと貧乏人ではお金に対する態度が違う。金持ちはお金を大事にするとともに、お金を増やす強い意志と計画性があるし、必要なものにしかお金を使わない

金持ちは投資のために低い利率で大きなお金を借り、貧乏人は消費のために馬鹿高い金利の小さなお金を借りる。金持ちは「生き金」を使い、貧乏人は「死に金」を使う。これでは貧富の差は広がることはあっても、縮まることはない

人生には裸一貫で出直しということもあり得る。そんなときには自分の身につけたものしか役に立たない。人間としての信用や健康、体力、才能、実力、識見、判断力など、いわば「人間力」が問われる

人が嫌がること、面倒臭いこと、難しくてできないことが儲けになる

世の中から求められる自分の能力、言い換えれば市場価値を高めるためにお金と努力を惜しんではいけない

交際費と(飲み代)と本代は自分を広げるために必要なもの

買う場合にはすぐに売れるような物件を買うべし

消費のために借金するのは基本的にスマートではない。レジャー資金や飲食費など消費のためのお金を借りるのは悪い借金

◆本多静六の金銭哲学
・常に収入の四分の一を貯蓄する
・自分に与えられた報酬の幾分かを関係者に分配する
・金は職業道楽のかすである

なくなると困る大事なお金を投資に使うことは致命的な破綻につながるので、絶対に避けなければいけない

金融はお金のぶん取り合いである。お金の取り合いをして皆が幸福になるわけがない。一部の幸福と多数の不幸が生じるだけだ
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『東大で教えた社会人学 お金に学ぶ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163675701
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■目次■
まえがき
第一章 お金と人生
第二章 稼ぐ
第三章 使う
第四章 借りる
第五章 貯める、備える、もらう
第六章 増やす、投資する
第七章 お金と日本経済
聴講記
あとがき
お金にまつわる格言・金言・諺
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